PMPを推進するターナー、傘下メディアで広告売上が倍増:「収益がすべてではない」

米テレビ局ターナー(Turner)が、プライベートマーケットプレイス(以下、PMP)のブームに乗ろうとしている。

ターナーは2017年上半期にPMPを通じて売上を増やし、前年同期比2倍の売上高を達成した、とデジタル広告戦略担当シニアバイスプレジデントのニック・ジョンソン氏は語る。同社のPMP事業は、営業チームの再編後に成長を遂げた。

長期的な視点ならPMP

ターナーはまだ、インベントリー(在庫)のほとんどを直販し、プログラマティックでの直接取引を優先している。同社はプログラマティックのインベントリーの範囲内で、アドサーバーにおける階層化を進めてきたので、PMPはオープンエクスチェンジよりも先を行っている。米総合出版社メレディス(Meredith)やビジネスニュースサイトのビジネスインサイダー(Business Insider)、デジタルメディア企業のIBTメディア(IBT Media)など、ほかのパブリッシャーも同様の戦略を採用してきた。ターナーは、アドサーバーのラインアイテムを微調整し、もっとも忠実な最大手の広告主の利益になるようにしたので、1インプレッションにつき10ドルで入札しているPMP取引の広告主が優先されれば、1インプレッションにつき12ドルで入札するオープンエクスチェンジの広告主に勝てる可能性もあった。

「収益がすべてではない」と、とジョンソン氏は語る。「収益だけをひたすら追求するなら、PMPは有利とはいえない。しかし我々は、長期的な関係を軸に長期的な事業を構築しようとしている」。

調査会社のeマーケター(eMarketer)によると、ターナーには現在100以上の有効なPMPがあるが、PMPの成長はより広範な業界の動向を反映するものであり、プログラマティックダイレクトは全プログラマティック広告の56%を占めるまでに成長しているという。広告主は、過激派のコンテンツの隣に自社広告が表示されることを以前よりも気にするようになっているので、オープンエクスチェンジからPMPに出稿先を移す傾向がある。PMPなら、広告主は自社広告が表示されるサイトのコントロールをより適切に行えるからだ。パブリッシャーの幹部2人が匿名を条件に語ったところでは、彼らの会社も2017年にはPMPの売上高が倍増する見込みだという。しかし、だからといって、ターナーのPMPの成長率が一般的というわけではないと、幹部2人は述べた。

「PMPに焦点を絞っているパブリッシャーは、売上を伸ばしているが、誰もがそうというわけではない」と、幹部の1人は指摘する。「売上が伸びるのは、インベントリーと製品に魅力がある場合に限る。その魅力とは、広告主にとって、オープンなマーケットプレイスの先を行く方法を見つける必要があると感じるようなものだ」。

専門家の採用で成長を加速

ターナーのPMP事業が軌道に乗ったのは約1年半前。当時、営業チームを再編して、各チームにプログラマティックの専門家を入れた。これは、営業チームが自社のプログラマティックサービスをより大手の顧客に売り込むのに役立ったと、ジョンソン氏は振り返る。

たとえば、一般消費財を扱う広告主がターナーのサービスで大口購入したいと思っても、直販のインベントリーのCPMが高すぎる場合、営業チームは売り込みを行って、自動化された保証型取引に誘導することができる。こうした保証型取引では、双方がプログラマティック取引の設定価格とインベントリー量について合意する。広告主がそうした取引を好むのは、オープンエクスチェンジよりも有利な価格を交渉できるからだ。一方のターナーにとっても、広告主から一定額を確保できるという利点がある。

CNN、ブリーチャー・レポート(Bleacher Report)、TNTといった多数のブランドを保有していることも、ターナーがPMPを成長させるのに役立った。複数のサイトにまたがってPMPをパッケージ化できるからだ。たとえば、広告主はブリーチャー・レポートだけとPMP取引を行う代わりに、ターナーの複数のデジタルメディアからインベントリーを引き出して、スポーツが中心のPMP取引を実行できる。ネット調査企業コムスコア(comScore)によると、ターナーのデジタルメディア全体で、5月のユニークビジター数は1億2500万人にのぼったという。

Ross Benes(原文 / 訳:ガリレオ)