ディスプレイ広告を再活性化させた、USAトゥデイの試み:独自フォーマット開発でカスタム化

新しいカスタム広告フォーマットを導入することでディスプレイ広告を再活性化させようとする試みがパブリッシャーたちのあいだで見られている。USAトゥデイ・ネットワークはそんなパブリッシャーのひとつだ。

彼らが構築した新しい広告フォーマットは、パラマウント(Paramount)という名前を与えられている。このフォーマットには、USAトゥデイに加え、109のローカル新聞サイト上で運営される何千もの広告のデータが利用されている。この形式の広告で今年、現時点で自動車広告キャンペーンが2500件、ヘルス/医療関連のキャンペーンは3500件も実施されてきた。

USAトゥデイ・ネットワークで広告イノベーションバイスプレジデントを務めるジェフ・バーケット氏は、「ディスプレイ広告の改良版だ。自分たちが所有しているフォーマットであり、広告のパフォーマンスを良くし、読者も気に入るだろうと信じている。この方法で構築された広告は今後増えるだろう」と語った。

パラマウント開発の背景

新しい広告フォーマットを開発するプロセスは、バーケット氏がワシントン・ポスト(Washington Post)におけるセールス/プロダクト関係の役職からUSAトゥデイ・ネットワークに転職してきた1年前に開始。同氏は長いあいだ、アドブロックの台頭に細かい注目を払っていたという。そのあいだ、広告主にとってパフォーマンスが良く、かつ読者の邪魔にならない新しい広告フォーマットを作りたいと考えたのがはじまりだ。

USAトゥデイ・ネットワークは大手新聞ネットワークからの牽引力という強みをもっている。自社で構築された新しいデータプラットフォーム「グランドスタンド(Grandstand)」を用い、データサイエンティストたちがさまざまな測定方法で広告のパフォーマンスを測った。測定方法にはインタラクション率、アテンションの質、そしてホバー時間などが含まれる。これにより有意義な事実が多く判明した。そのうちのひとつが、広告の明確さはパフォーマンスに大きく影響を与える一方で、フォントはそれほど影響がないことだ。

この広告フォーマットには、5つのフォーマットが含まれる。そのうち3つは動画広告、1つはカルーセル形式、そしてもう1つは静的なものだ。これらはすべて、デスクトップとモバイルデバイス向けになっている(サムスン[Samsung]と映画『ジェイソン・ボーン』の広告を例として下にあげる)。

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「プレミアム」なディスプレイ

広告主たちはブランデッドコンテンツやプログラマティックへ予算を移動させつつある。バケット氏によると、広告は今後、ブランデッドコンテンツも作成されつつ、最終的にはプログラマティックでも展開される形になるという。プログラマティックは広告を購入する低コストな手法だと認識されているが、今回の新しい広告形式はスタンダードなディスプレイ広告に比べて、若干の「プレミアム感」を期待してもらえると、バーケット氏は予想している。「こういった種類の広告をプラグラマティックに提供することに対する需要は非常に高いと言われている。平均よりも高いCPMを予想している」と、彼は語った。

デル、プリンシパル・ファイナンシャル・グループ、チェイス銀行によるユナイテッドマイレージプラスエクスプローラカード、そしてGoogleの「デイドリーム」VRヘッドセットといった15以上の広告主が、2017年の初頭から、この新しい広告を利用してきた。USAトゥデイ・ネットワークによると、モート(Moat)が計測したデータでは、平均的なキャンペーンよりも新広告形式は、インタラクション率が7倍、ビューアビリティ率は31%高いという。

プラットフォーム「グランドスタンド」は、USAトゥデイ・ネットワークの広告デザイナーたちも見られるようになっている。これにより彼らは広告のパフォーマンスをはじめて見れるようになった。こういったデータを参考に今後の広告が、改善されていくだろう。

アジャイルな時代に対応

カスタム広告を購入するように広告主たちを説得するのは簡単ではない。今回の新形式は、広告主が広告の構成要素を提供し、パブリッシャーがそれを組み込むプロセスになっている。そのプロセスをUSAトゥデイ・ネットワーク側がコントロールすることで、広告の読み込み時間の管理がしやすくなっているのだ。パラマウント形式は、まだ在庫全体で見れば少数だが、年末までにはそれも増加する予測をバーケット氏は述べた。

「カスタムなものは、何であれ売るのが難しいのが常だ。しかし広告主が新しくユニークなアイデアを常に探していることは確かだ。より早く構築でき、変更できるようにすることで、役に立てるよう願っている」。

Lucia Moses(原文 / 訳:塚本 紺)