英総合格闘技、FB「ライブ動画」で試合中継を11月に開始

若者男性の読者層を多く抱えるパブリッシャー「ユニラッド(Unilad)」は、11月からスポーツ放送に参入する。

イギリス総合格闘技協会(British Association Mixed Martial Arts)と試験的な契約を結び、同国の総合格闘技リーグ第3部の試合をFacebook上でストリーミング配信するという。ユニラッドは、Facebook上で1900万もの「いいね!」を集めるページを有しており、この幅広いリーチを活用することが狙いだ。同社の若い男性オーディエンスに好まれるニッチなスポーツと組み合わせることで、スポーツ放送業界に参入しようとしている。

1900万「いいね!」がもたらすもの

「予選の試合ひとつにつき、我々は35万ビューは保証できる。いまのところ、彼らの予選試合は2万ビューしか獲得できておらず、大きな決勝戦をテレビで放送しても50万ビューくらいだ。彼らが(今回の契約に)喜んでいるのは当然な話だろう」と、ユニラッドのCEOであるリアム・ハリントン氏は語る(※Facebookのビュー数をテレビの視聴者数と比べるのには危険が伴う。欧米におけるテレビの指数は60秒間試聴した人の平均数を示すのに対して、Facebookは3秒以上再生された回数の合計をカウントしたものだからだ)。

いまのところユニラッドと協会のあいだではコマーシャルに関する合意は結ばれておらず、今回の権利契約は1年後に更新されるかが検討されるという。ユニラッドはスポンサーを見つけることができるのか探っており、将来的にはレベニューシェアも視野に入れている(決勝戦とテレビ放送の権利主は依然チャンネル5のままである)。

ユニラッドは多数の視聴者を提供できると、ハリントン氏は確信している。スポーツの生中継をニュースフィード上で観戦することに対しては、かなりの需要があるという。この夏、マンチェスター・ユナイテッドのウェイン・ルーニー選手が記念試合をFacebookライブで放送した。勝敗がチームの進退に結びつかない記念試合は通常はテレビでは放送されない。しかし、Facebookライブでのストリーミングはなんと450万ビューを集めた。「記念試合でそんな数字を叩き出すのは本当に珍しいことだ」と、ハリントン氏。

チームはたった1年で5倍の成長

ユニラッドは7月にも、ホームレスサッカー世界大会をストリーミング放送した。参加する全選手がホームレスであるチャリティー試合である。2015年、このトーナメントは6000ビューしか集めなかったが、ユニラッドがこのトーナメントをストリーミングしたところ、それぞれ15分ほどの4つのビデオは約50万ほどのビュー数を獲得した。この数字をもってすれば、来年はスポンサーシップを得るのも楽だろう。

チューブラーラボ(Tubular Lab)によると、ユニラッドが8月に得たFacebookビデオのビュー数は、29億にも上るという。メディアのなかでは視聴回数トップ3に頻繁に登場している。Facebookでは毎週28万もの新しいフォロワー数を獲得。ユニラッドが配信するビデオの80%は、ほかのクリエイターやメディア会社からライセンスを得て流すものだ。2月の段階ではオリジナルとライセンス物の割合はほぼ半分ずつであった。オリジナルのビデオをさらにプロデュースすることが目標ではあるものの、ライセンスチームが予想以上の成長を見せたという。

ライセンスチームはたった1年で5倍の成長を見せ、あと1年経つと当初の10倍にまで成長するとハリントン氏は予想している。このなかにはペイドコンテンツも含まれている。しかし、ほとんどの場合はただコンテンツを見て欲しいとコンテンツ提供者は思っているとハリントン氏は語った。Facebookがビデオをマネタイズする方法を今後さらに導入した場合、これは変わってくるだろう。

どうやってマネタイズするか

「ソーシャルメディア上で試合の生放送を視聴する時代はそう遠くない。課題はどうやってそれをマネタイズするかだ」と語るのは、スポンサーシップ・エージェンシーであるシナジー(Synergy)のデジタルマネジャー、クリスチャン・ベイカー氏だ。プレミアリーグといった大人気のスポーツリーグで、こういった事態が起きるにはまだ時間がかかるだろう、しかし総合格闘技といった、オンラインのオーディエンスをすでに抱えている、ニッチでまだ若いスポーツの場合、いろいろと試すことが可能なようだ。

Lucinda Southern(原文 / 訳:塚本 紺)
Image: Courtesy of Unilad, via Facebook.