ネイティブ広告、その現状を示す 5つのグラフ:スポンサードの落とし穴に注意

パブリッシャーは、マネタイズの柱のひとつであるスポンサードコンテンツが、自社のもっとも大切な資産価値を逆に損ねる可能性があることを、あらためて心に留めておくべきだろう。

ディスプレイ広告の地位が落ち続け、わずかばかりの価値もGoogleとFacebookに吸い上げられる状況で、まともな収益を得るためにネイティブ広告やスポンサードコンテンツに頼るパブリッシャーが増えている。たとえば、ニューヨークタイムズ(The New York Times)は、デジタル売上の20%近くを傘下のTブランドスタジオ(T Brand Studio:NYTの広告専門チーム)が生み出している。

唯一の問題は、スポンサードコンテンツが、考え方としては数十年前から存在するにもかかわらず、いまだに読者を混乱させている点だ。スポンサードコンテンツを読んでいながら、なかなかそれに気づかないことが多い人は、通常の編集記事と同じ場所に、広告が混在していることに複雑な思いを抱く。オーディエンスは、パブリッシャーにもっと高い規範をもってほしいと望んでいる。

スポンサードコンテンツがパブリッシャーにもたらすリスクの高まりと、それに対するパブリッシャーの取り組みがわかるグラフを5つ紹介する。

信頼性の問題

媒体にふさわしくない広告は、読者からの評価を損なう可能性がある。だが、こうしたリスクはネイティブ広告やスポンサードコンテンツだと、とりわけ大きくなる。

コンテンツマーケティングプラットフォームのコンテントリー(Contently)、ニューヨーク市立大学の起業家ジャーナリズム・トゥーナイト・センター(Tow-Knight Center for Entrepreneurial Journalism)、ラディアス・グローバル・マーケット・リサーチ(Radius Global Market Research)の3者が協力した調査では、回答者の半数近くが、読者が信頼していないブランドのスポンサードコンテンツは、結果、そのパブリッシャーに対する読者の評価を損なう可能性があると答えた。

老舗誌『アトランティック(The Atlantic)』のWebサイトが数年前、サイエントロジー教会のスポンサードコンテンツを掲載して、ひどく非難されている。だが、もちろんこれはほんの一例にすぎない。

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Source: Contently/Tow-Knight/Radius

分けるべき?

ネイティブ広告のとりわけ大きな優位性は、その掲載場所だ。パブリッシャーのWebサイトであれ、サードパーティーのプラットフォームであれ、コンテンツがフィード内でますます消費されるなか、広告主はフィードの流れにメッセージを組み込める機会を享受している。

パブリッシャーにとっては残念ながら、その是非について、大衆の意見が分かれている。そうした意見が、先述のコンテントリー、ニューヨーク市立大学、ラディアスが実施した調査で明らかになった。

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Source: Contently/Tow-Knight/Radius

警告表示

懸念は厳密には何がスポンサードコンテンツなのか、たくさんの読者が混乱を感じていることからきている。ロイター(Reuters)が実施した調査によると、調査を受けた人の過半数は、スポンサードコンテンツであることが明確に表示されているとは考えていない。米国以外ではこの問題がさらに深刻になる。

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Source: Reuters Institute for the Study of Journalism

混乱が怒りを生む

その混乱が先述の問題と相まって、ネイティブ広告に対する読者たちの不満をかなりの高い割合で生み出す。国際ニュースメディア協会(INMA)とネイティブ広告協会(Native Advertising Institute)が10月下旬に公開した調査では、対象となったニュースメディアパブリッシャーのちょうど5分の1が、ネイティブ広告に関する苦情を読者から受けたという。

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Source: INMA/Native Ads Institute

大急ぎの対策

パブリッシャーは読者がどれほど敏感になり得るかを考慮して、自社サイトでスポンサードとそうでないコンテンツの見分けやすさを改善することに、大急ぎで取り組むべきだ。多くのパブリッシャーにとって、これまでに改善の余地はあったはずである。

デジタル広告のセールス情報プラットフォームであるメディアレーダー(MediaRadar)が今年の春に発表した分析は、スポンサードコンテンツを実施しているパブリッシャーのうち4分の3近くが、米連邦取引委員会(以下FTC)の規則に準拠していない方法で行っていたことを示した。

メディアレーダーの追跡調査によると、わずか半年でこの数字は劇的に変化した。今回は、スポンサードコンテンツを実施しているパブリッシャーの過半数となる61%が、FTCに準拠した方法で実施していた。

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Max Willens (原文 / 訳:ガリレオ)