ニューヨーク・タイムズ、「生活情報」分野へさらに注力:テレビ&健康情報サイトの拡充を発表

ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)は、より「価値のある不可欠な存在」になるために、エンターテインメントサイトの新設とヘルスケア情報サイト「ウェル(Well)」の拡充を計画している。開発するのは「NYTナウ(NYT Now)」アプリやレシピサービスの「クッキング(Cooking)」を手がけた社内のNYTベータ(NYT Beta)チームだ。

ニューヨーク・タイムズは3月10日(米国時間)、ストリーミングサービスやケーブルテレビで大量に公開される動画コンテンツの選択に役立つ専門サイト「ウォッチング(Watching)」を新設すると発表した。発表によると、「ウォッチング」では「もっともふさわしいストリーミングコンテンツへユーザーを迅速に案内するツール」を取り揃え、短いレビューを洗練された方法で提供するという。

NYTブランドを有効活用

「ウォッチング」は、2016年晩夏のローンチに先立ち、ニュースレターとしてコンテンツの提供を予定。同紙のテレビ欄担当者ギルバート・クルス氏が編集を担当する。加えて、雑誌『ニューヨーク』のWebサイト「ヴァルチャー(Vulture)」からマーガレット・ライアンズ氏をすでにライターとして迎え入れているという。

ニューヨーク・タイムズはまた、ヘルスケア情報サイト「ウェル(Well)」の刷新にともない、ニュースレターを発行するほか、健康的なライフスタイルの紹介やシェアを狙ったコンテンツ製作を強化する。「ウェル」の編集は、引き続きタラ・パーカー=ポープ氏が担当する。

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「Well」のサイトの外観

新しくはじめた「クッキング」が成功し、いまでは月間800万人のビジターを集めていることが、他分野展開のキッカケとなった。NYTベータのバイスプレジデントを務めるベン・フレンチ氏は、米DIGIDAYに対して、「『クッキング』から得た最大の教訓は、ニューヨーク・タイムズの権威と、人々がこのブランドに寄せている信頼は、有効に活用できるということだった」と、語る。

有用性というレイヤーをサービスに

「クッキング」に集められたレシピのデータベースは、ディナーや週末のメニューといった、よくある生活者の悩みを解消するために活用されているのではないかと、同紙では考察。「ウォッチング」では視聴すべき番組に、「ウェル」ではマラソンの走り方に、同じロジックが当てはまることをフレンチ氏は期待している。

さらに同氏は「ウォッチング」について、「誰もがどの番組を見たらいいのか、というフラストレーションを共通して感じており、たくさんの山のようなサービスが、この問題を悪化させている」とコメント。「ウォッチング」は、「ほかと同じようなエンターテインメント情報のサイトになるのではなく、ほかの人が見ているものと個人の好みに基づいて、その判断を手伝うことを目指している」という。

「ウェル」のリニューアルについては「考えるまでもなかった」とフレンチ氏。「ウェル」は活動が認知されていないため、NYTベータは機能を増やすことで「ジャーナリズムに加えて有用性というレイヤーをサービスに重ねよう」としている。

「ウェル」はフィリップス(Philips)が独占スポンサーになり、同紙の広告制作チームであるTブランドスタジオ(T-Brand Studios)が製作する、老化や睡眠といったヘルスケアに関する記事のスポンサーとなる。「ウォッチング」のスポンサーは、公開日が近づいたら発表される予定だという。

Jordan Valinsky (原文 / 訳:ガリレオ)
Image via New York Times, Well