テイストメイド、インスタ「ストーリー」で月2000万ビュー:ただしそこでの収益はゼロ

レシピ動画の分散型メディア「テイストメイド(Tastemade)」は昨年、インスタグラムで人気を得た。だが、その後、同メディアのユーザーは「インスタグラムストーリーズ」へと移行しているという。

テイストメイドは10月、インスタグラムメインチャンネルにおいて、ストーリーズコンテンツが2000万ビューを獲得したと、同社プログラミング部門を率いるオレン・カッツェフ氏は語る。毎週3から4回のストーリーズ投稿を行う同アカウントは、1回ごとに100万ビュー以上をコンスタントに獲得しているという。

その数字には、世界6地域で展開している、インターナショナルアカウントのビューワー数は含まれていない。6エリアのアカウントでもストーリーズ投稿は行っており、世界全体としてテイストメイドは、週に12から15回のストーリーズ投稿を行っている。

これが良いニュース。そして、悪いニュースもある。テイストメイドは、これらのビューで1セントも獲得できていない。インスタグラムストーリーズでは、パブリッシャーは広告を流す機会を与えられておらず、テイストメイドはいまのところ、ブランドインテグレーションに取り掛かってはいないという。

ネイティブアドを協議中

しかし、インスタグラムの通常アカウント上では、すでに食品や飲料関係の広告主にプロダクトインテグレーション枠(ネイティブアド)を販売することで、マネタイズを行っている。現在はインスタグラムストーリー上でカスタム動画やプロダクトインテグレーションを制作すべく広告主と協議中だが、まだ販売には至っていない。インスタグラムのストーリーズ内で外部リンク設置可能といった新機能が役立つだろうと、カッツェフ氏はいった。

「今後、インスタグラムストーリーズがどうなっていくか、まだ不明だが、現在の限られたデータから、このコンテンツにはオーディエンスがいる、ということはわかる」と、カッツェフ氏はいう。「まだ初期段階だが、最終的な見返りはあるはずだ」。

テイストメイドは、インスタグラムがストーリーズ機能をローンチして、すぐ活用に乗り出した。ストーリーはSnapchatを模したもので、ユーザがタテ型動画や画像を投稿でき、それが24時間以内には消失するものだ。8月のローンチ以降、ストーリーズは1億人のデイリーユーザーを抱えるほどに成長。これは世界中にいるSnapchatのデイリーユーザー数の3分の2に相当する。テイストメイドはSnapchatの「ディスカバー」でパブリッシングパートナーとなっているが、1日当たりのオーディエンス数はSnapchatの方が多いという。

フォロワー数は310万人

テイストメイドのインスタグラムメインアカウントのフォロワー数は、4月時点で85万人。インスタグラムが動画投稿をプラットフォーム上で優先しており、またテイストメイドのインスタグラム編集コンテンツのほとんどすべては動画であることから、現在メインアカウントのフォロワー数は310万人を超える。

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テイストメイドのインスタグラムストーリーズに登場した最近のレシピ動画。

「オーディエンス数を増やすためには、オーディエンスがいるところにコンテンツを配信しなければならない」と、カッツェフ氏。「インスタグラムでの成長を見れば、それは我々がすでにやってきたことであることは、疑う余地がない」。

インスタグラムストーリーズにおいて、テイストメイドはアカウント全体でひとつのコンテンツあたり、だいたい5から8回の投稿を行う。コンテンツの90%は動画で、そのフォーマットはマルチ投稿のレシピ動画、テイストメイドの人気フード動画のトップ画像、アニメのまとめコンテンツ、さらにはスタジオ撮影の舞台裏動画クリップ集といったものまで幅広い。

コンテンツはテイストメイドジャパンからの最新レシピ動画といった、インスタグラムストーリーズ向けに制作されたオリジナル動画や画像集、また複数のプラットフォームで配信されることが前提のコンテンツばかりだ。

いつ、どこに、配信するのか?

アメリカのインスタグラムストーリーズのコンテンツは、テイストメイド社内コンテンツチーム13名によって制作されている。そのうちの1人がテイストメイドのインスタグラムでのプレゼンスを担当するリードプログラマーで、どの編集動画やストーリーズといったコンテンツを、いつアップするのかを判断する。

「コンテンツを制作するとき、我々はすべてのプラットフォームを考慮している。撮影するときは、コンテンツがインスタグラム向けなのか、Snapchat向けなのか、Facebook向けなのか、YouTube向けなのかは、すでに決まっている」。

メディア調査会社のチューブラーラボによると、インスタグラムストーリーズ抜きにしても、テイストメイドのインスタグラムメインアカウントの動画は、月間5920万ビューを得ているという。また、ここ3カ月ほどのインスタグラムストーリーズでの成長は著しく、当然今後も活用していくだろう。

しかし投資家らは実利を求める

毎日3億人ものユーザーを集めるインスタグラム。テイストメイドと同様に、インサイダーウェザーチャンネルといった、ほかのパブリッシャーもストーリーズにリソースをつぎ込んでいる。事実、いまのデジタルパブリッシングの状況は、プラットフォームが新機能を導入すれば、即座に飛びつき(Facebookライブ動画もそうだ)、その先のどこかに収益があるようにと願う流れだ。

「これらの企業は皆、大規模な資金調達をしており、投資家もいつまでも黙ってはいない。彼らは実のある取引を見たがっている」と話すのは、メディアコンサルティング会社クリエイティブメディアの共同創始者、ピーター・キャシー氏。「何らかの実験を行なうのであれば、同時進行的に信ぴょう性のあるマネタイズ手段を考える必要がある」。

Sahil Patel(原文 / 訳:Conyac)