テイストメイド、ライブイベント事業へと本格進出:スモーガスバーグとの提携で

創業以来、SNSを中心に食をテーマにした動画を提供してきたテイストメイド(Tastemade)が、屋外型フードマーケットのスモーガスバーグ(Smorgasburg)と提携し、インターネットの世界を飛び出したイベントへと本格進出している。

テイストメイドは今後、ニューヨークやロサンゼルスでスモーガスバーグが開催するコンサートやフードフェスティバルといったイベントのスポンサー権を販売していく。さらにテイストメイドは、サービスに対するスポンサー権の販売も行う予定で、そこでは広告主は、スモーガスバーグによって現地で参加者に提供されるWi-Fiから無料のろ過水に至るまで、すべてのサービスのスポンサーとなることができる。

テイストメイドの共同設立者であるラリー・フィッツギボン氏は、同社がすでに数多くの広告主とスモーガスバーグ関連の取引について話を進めていると話す。両社があらゆる取引で得た収益は、双方に分配されることになっている。

収入源の多様化が目的

設立から5年のテイストメイドは、スモーガスバーグと手を組むことで、定期的にライブイベントを行う機会を得られる。これは、フード系番組制作費用捻出のため、デジタル広告やプラットフォーム以外でも収入源を多様化したいと模索する同社が熱い視線を送る分野だ。ニューヨーク・タイムズがかつて「食のウッドストック」と呼称したスモーガスバーグは、年間100万人から150万人もの集客力を誇り、それがテイストメイド自身やその広告主のオーディエンスとなり得ると、フィッツギボン氏はいう。

「ブランド各社と話していると、彼らは常にこのようなタイプのサービス展開に興味を抱いている」と、フィッツギボン氏はいう。「ただ、我々は、ただポッと現れて、すぐに消えてしまうようなことはしたくない。もっと一貫性のあることをして、長期間に渡って展開可能なプログラムを作っていきたい。それに、まったく新規の事業をはじめるよりも、既存のものを統合する方が手間もかからなくて済む」。

テイストメイドのサービスでもっともよく知られるのは、Facebookやインスタグラム、そしてYouTubeでのレシピ動画やフード関連動画だ。同社のプログラミング責任者によると、同プラットフォームを通じて得られる月間ビュー数は20億以上だという。イベントを制作、支援することでテイストメイドは現実世界でより多くの人の目に触れることができる。さらに、この取り組みによって元来、先行き不透明なSNSプラットフォームでの広告収入というものに対して、わずかながら保険を手にすることができる。

フィッツギボン氏によると、テイストメイドはすでに100件を超えるライブイベントをこなしており、広告主には民泊マッチングサイトのAirbnb(エアビーアンドビー)やナイキ(Nike)といった企業が並ぶ。Airbnbがロサンゼルスに登場した際には、サンタモニカにあるテイストメイドのスタジオが小型フードマーケットと化し、街中から30ものベンダーが集まった。さらに最近、テイストメイドはナイキの意向を受ける形でディナーを催し、そこにはナイキの幹部や選手、そしてSNSのインフルエンサーらが訪れた。テイストメイドは自身が開いたイベントの半分以上で、ブランドから報酬を受け取っているという。

クライアントの目論み

今回のパートナーシップには、スモーガスバーグや参加するフードベンダー、シェフ、出席者を対象とした動画制作の活発化も含まれている。両社は共同で、企業やシェフ、食のトレンドにスポットライトを当てた、スモーガスバーグ発の動画制作を行っている。ここに登場するフードベンダーは、レストランを開く前にスモーガスバーグでフードビジネスをはじめたことで知られ、あのラーメンバーガーもこのコミュニティから世に出たものだ。

スモーガスバーグがはじめてロサンゼルスで開催したフードマーケットを映したSNS動画は、Facebookやインスタグラムを通じて200万回以上視聴されており、このタイプのコンテンツへの関心度が高いことがわかる。

スモーガスバーグの共同設立者であるエリック・デンビー氏は、「我々はほとんどの場合、実世界で存在している。オンラインにもいるし、SNSのフォロワーも多いが、デジタルやコンテンツの世界というのは、我々の中核を成すものではない」と話した。「しかし、我々はSNSでフードポルノ(飯テロ)が大流行しているのを目撃した。そして、テイストメイドが抱える大勢のオーディエンスや素晴らしいコンテンツ制作能力をもってすれば、これを収益につなげることができる」。

Sahil Patel(原文 / 訳:Conyac