サブスクリプション動画の現状を示す 5つのチャート

不安定な分野であるにもかかわらず、パブリッシャーとメディア企業による有料動画サービスへの展開が続いている。11月7日には、フランスのメディア大手ビベンディ(Vivendi)が、欧州とメキシコで500万人を超える加入者を集めるモバイル専門のサブスクリプション動画アプリ、スタジオプラス(Studio+)を米国で公開すると発表した。

一部のメディア観測者は、ベッセル(Vessel)のサービス停止や、コムキャスト(Comcast)によるウォッチャブル(Watchable)やベライゾン(Verizon)によるゴー90(Go90)といったサービスの苦戦といった、否定的な要素に注目しているものの、OOTの有料動画の見通しには楽観的な声が多い。たとえば、CBSの会長、レスリー・ムーンブス氏は、投資アナリストらとの最近の電話会議で、有料サブスクリプション製品のほうが広告モデルよりも財務状況がよいと語った。

これを念頭に、有料動画サービスの現状を示すチャートを5件、紹介する。

特に若年層ではデジタル動画が主力に

有料デジタル動画サービスは、市場シェアでは従来のケーブルテレビのバンドルにかなわないものの、動画エンターテインメントの主力になりつつある。アルトマン・ビランドリー(Altman Vilandrie & Co)が実施した調査では、18~24歳では4分の3以上が、何を見るか決まっていない場合にはテレビよりも有料デジタル動画サービスを開くことがわかった。これは、2015年に行われた最初の調査における57%から大幅に増加している。

この間、テレビ上の有料動画サービスを選ぶ人のシェアが各年齢群で減少するなか、テレビよりもストリーミングサービスを選ぶ人の割合が、どの年齢群でも大幅に増加している。

「何を見るか決まっていないときに、どの動画形式をつけることが多いですか?」 テレビではなくオンラインの動画をつけるとした回答の割合(年齢群別)

「何を見るか決まっていないときに、どの動画形式をつけることが多いですか?」 という質問に対して、テレビではなくオンラインの動画をつけるとした回答の割合(年齢群別)

OTTサービスはすでに膨大な数に

OTTの有料サービスは新しいとされているが、すでにたくさんあり、膨大な数のOTTサービスのあいだで競争が繰り広げられている。米国でもっとも人気があるスタンドアロンの動画ストリーミングデバイスであるロク(ROKU)は、利用できるチャンネル数が過去3年間で倍以上に増え、5000チャンネルを突破した。広告ベースのチャンネルとサブスクリプションベースのチャンネルの割合については、ロクは明らかにしていない。

ロクで利用できるチャンネルの数(年別)

ロクで利用できるチャンネルの数(年別)

加入者数は、ゆっくりと着実に増加するとの予測

デジタルメディアの行動変化は猛スピードで進むのが特徴的だが、人々が動画サービスにお金を出すようになる変化は、ゆっくりと着実に進むと見られている。Hulu(フールー)のような有名サービスでも、加入者数の前年比での増加率は今後5年間にわたって1桁の範囲で推移すると、調査会社eマーケター(eMarketer)は予測している。

米国のOTT加入者数の予測

米国のOTT加入者数の予測

全員にとって「なくてはならない」チャンネルはほとんどない

クランチロール(Crunchyroll)やモーター・トレンド・オンデマンド(Motor Trend OnDemand)など、ニッチを狙った動画サブスクリプションサービスが成長している。このことから、動画サブスクリプションにお金を出すのは極めて熱意のある人ばかりであることがはっきりしている。

逆に、人々に幅広くアピールすることを狙ったチャンネルや動画ブランドは、ほとんどが、消費者の過半数から重要ではないと見られている。調査会社のモフェットナサンソン(MoffettNathanson)とアルトマン・ビランドリーが実施した2016年の調査では、150チャンネルあるケーブルテレビ・バンドルのうち、読者の過半数が必須だと考えるチャンネルは3つしかなかった。また、同じ150チャンネルのうち、回答者の3分の1以上が「絶対にほしい」と考えるチャンネルは16しかなかった。

ケーブルテレビ・バンドルの「絶対にほしい」チャンネル

ケーブルテレビ・バンドルの「絶対にほしい」チャンネル

オリジナルコンテンツへの投資が増大

コンテンツが加入者獲得競争の中心になり、オリジナルコンテンツへの投資が急増中だ。Netflix(ネットフリックス)とAmazonは、HBOなどの従来の企業を、すでに投資額で圧倒している。

オリジナルコンテンツへの投資額(2017年)

オリジナルコンテンツへの投資額(2017年)

 

Max Willens (原文 / 訳:ガリレオ)