動画の自動再生、「台頭」と「没落」を示す5つのグラフ

Web閲覧をしていて、自動再生ビデオに出くわさない日はない。ネット上のすみずみにまで浸透し、多くのユーザーから嫌われた結果、人気ブラウザたちが対応することになった。

AppleのブラウザSafariは音声付きで自動再生されるビデオをブロックするアップデートが行われる。Googleの人気ブラウザChromeも同様の取り組みを来年に導入予定だ。ユーザーが嫌がる広告フォーマットをフィルタリングするという。

自動再生ビデオの台頭と没落を示す、5つのチャートを紹介する。

Facebookの役割

自動再生ビデオが爆発的に普及したきっかけはFacebookに辿ることができる。Facebookは2013年9月にニュースフィードにおける自動再生ビデオを開始した。この形式のビデオをFacebookは重点的にフォーカスしてきている。この施策以降、Facebookでのビデオ再生回数は爆発的に増加した。2015年11月の段階で日間ビデオ再生回数は800万回にまで達した。同年の4月では400万回であった(Facebookは3秒以上の再生をビュー数としてカウントしている)。2015年11月の数字が最後に公開されたデータとなっている。

Source: Facebook

Source: Facebook

JWプレイヤー(JW Player)によると、Chromeではビデオ広告の61%が自動再生されている。Safariでは66%だ。

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Source: JW Player

自動再生の蓄積

YouTube、Snapchat、Twitterに加えてFacebookが自動再生を利用しはじめたことで、パブリッシャーたちもその流れに加わることになる。メディアレーダー(MediaRadar)はビデオが存在するサイトを分析した結果、1/3ほどのサイトが75%以上のビデオ広告を自動再生させていることが分かった。ほかの1/3におけるビデオ自動再生は50%から75%、残り1/3は50%以下となっていた。

自動再生を促進しているのは広告収益だ。これは全体に対して言えることだ。リファイナリー29(Refinery29)からウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)に至るまで幅広いサイトが自動再生を導入している。パブリッシャーの大小は関係無い、とメディアレーダーのCEOであるトッド・クライゼルマン氏は語った。「これは驚きの結果であった。ビデオがあらゆる規模のパブリッシャーにとって収益源として大きいことが分かった」。

メディアレーダーが発見したことは、ほかにもある。消費者向けのサイトは、ビジネス向けのものと比べて、自動再生を行う傾向がほぼ2倍にもなっていた(69%と37%)。特に顕著だったのはビジネス、ファイナンス、テクノロジー分野のサイトであったという。

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Source: MediaRadar

広告ブロック

自動再生はユーザーによるアドブロック利用率の上昇の原因にもなっている。ページフェア(PageFair)による2017年アドブロック報告書によると米国では現在インターネットユーザーの18%が、グローバルでは11%がアドブロックを利用しているという。ページフェアはパブリッシャーたちの広告がブロックされることを回避するサポート企業だ。彼らによると邪魔な広告はウイルスやマルウェアに続いて2番目に大きなブロック導入の理由となっている。ウイルスやマルウェアを理由に挙げたのが30%、邪魔な広告は29%だという。邪魔にならない広告フォーマットは全体的に受け入れられている一方で、スキップできない動画広告といったユーザーのアクションの邪魔になる広告がもっとも嫌われている。

「モバイルだと(自動再生ビデオが)データを使われてしまうのでフェアでない、という意見も聞こえてくる。しかし私はむしろ、静かな環境に急に音が飛び込んでくることの方が大きいと考えている」。

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Source: PageFair

ネガティブな反応

ブランドウォッチ(Brandwatch)も、自動再生がいかに嫌われているかを裏付ける証拠を見つけている。今年1月以降のデータを見ると、自動再生という言葉はTwitter、Facebook、インスタグラム、そしてレディット(Reddit)上で2万5000回言及されている。その回数は5月にピンタレスト(Pinterest)が自動再生ビデオ広告を導入してからの二日間にピークを迎えている。またChromeが自動再生ビデオに対策を取るというニュースでも言及数が跳ね上がった。ブランドウォッチによると、この期間の自動再生ビデオに対する言及の74%はネガティブなものであったという。

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「自動再生」の言及数、1月1日から10月16日まで。 Source: Brandwatch

Lucia Moses(原文 / 訳:塚本 紺)