Facebookのミッドロール広告、一体どれだけ儲かるか?:「成功とも失敗ともいい切れない」

Facebookがパブリッシャーの動画に広告を挿入しはじめてから3カ月、利用者たちは、規模が大きければ、そこに収益が生まれると見ている。

Facebookのミッドロール広告ベータテストに参加している動画パブリッシャー4社は、このプロダクトがいくらか収益を上げているといい、そのうち3社は、すでにFacebookのおすすめ動画プロダクトから上げている収益に匹敵、またはそれを上回っているという(おすすめ動画は、推奨動画と動画のあいだに広告を挿入することによって、動画所有者が同プラットフォーム上で収益を上げることをサポートするためにFacebookが行った最初の試みのひとつだ)。

「おすすめ動画と同程度であり、突出して収益を上げているとはいえない。Facebookがこの理由を十分に認識しているとは思えないが、失敗ともいい切れない。それは機能はしているが、効果が表れるのはゆっくりだ」と、そのうちの1社のパブリッシャーの情報筋は述べた。

量を必要とするFacebook

別のパブリッシャーの情報筋は、もっと詳しい内容を提供してくれた。このパブリッシャーの動画うちひとつが、Facebookで2400万(3秒間)の動画再生回数を記録し、これまでに1万1000ドル(約120万円)の収益がもたらされている。これはFacebookの取り分45%を差し引いたあとの数字だ。YouTubeのプレロール広告で同じ金額を得るには、パブリッシャーはYouTube動画で150万から200万の動画再生回数を達成するだけで済むと、その情報筋はいう。ただし、YouTubeよりもFacebookでのほうが再生回数を拡大するのは、はるかに簡単だということは知っておくべきだろう。

「Facebookに欠けているのはCPMのネット値に関してであり、量に関して彼らは細工をしている」と、このパブリッシャーのエグゼクティブは述べている。

別のパブリッシャーのエグゼクティブは、この意見に賛同している。Facebookのミッドロール広告からの収益化はまだ大きく成功していないが、オーディエンスとアウトプットの両方で十分な規模があれば、収益もそこそこ生まれてくる。これは、パブリッシャーたちがオンデマンド動画のミッドロール広告へ主に重点を置いている理由にもなっている。というのも、ライブ動画よりも規模の面で有利だからだ。

Facebookはこの点に関してコメントを差し控えている。

UXを重視するパブリッシャー

そうはいっても、ベータプログラムに参加しているパブリッシャーたちが、すべての動画に広告を挿入しているわけではない。ベータテストを行っているパブリッシャー4社は、彼らのFacebook動画の10%から25%しか収益化できていない。これは、広告が挿入されるまで、オンデマンド動画は少なくとも90秒間、ライブ動画は少なくとも6分間、継続して視聴することを求める、ミッドロール広告のFacebook側の条件とも多少関係がある。

しかし、Facebookで成功しているパブリッシャーのほとんどが、60秒より短い動画の制作で、同プラットフォームで規模を拡大してきた。また、これらのパブリッシャーらは、視聴者たちに飽きられないためにも、ミッドロール広告のために、自分たちの動画に過度な負担をかけたくないと強調している。

「無理はしたくない。45秒のビデオを撮って、そこに広告を入れるために90秒の長さに仕上げることはしたくない」と、パブリッシャーのエグゼクティブのひとりはいう。

「私たちはまだFacebookのオーディエンスを構築する努力を続けており、彼らが目にするかもしれないすべての動画でミッドロール広告を挿入しようとは望んでいない」と、別の情報筋が語った。

ミッドロール広告の欠点

ベータ版には欠点がある。Facebookは自社でいまだに、ミッドロール広告販売を全面的に手掛けているのだ。つまり、クリエイティブとプレースメントの品質に関係なく、至る所に広告が分散されていることを意味していると、複数の情報筋はいう。ハイエンドブランドが、そのパブリッシャーとオーディエンスに関連するときもあれば、まったく関連をもたないこともあるようだ。

ときには、動画開始から20秒後に表示される広告まで実際に視聴しているオーディエンスの半分がマッチングしないこともあると、そのうちの1社のパブリッシャーの情報筋は述べた。

パブリッシャーたちは、視聴者の目を動画にくぎ付けにするためのコンテンツフォーマットや、その他の秘策を常に実験している。たとえば、同じテキストを広告の前後に差し込むことで視聴者を保持することに効果があることを発見した。

今後に残された課題

Facebookはミッドロール広告を扱うパートナーたちに対してトレーニングセッションを開催しており、ベストプラクティスについて説明していると、情報筋らは述べた。いつ広告を差し挟むべきかということから、離脱を防ぐ方法に至る話題が取り上げられることを、彼らは期待している。

おすすめ動画の場合と同様に、パブリッシャーたちはFacebookのミッドロール広告の見通しについて慎重な楽観主義を表明している。しかし、このプロダクトがさらに多くのパブリッシングパートナーに拡大すれば、事態は変わる可能性があると、早々に認めている。

「Facebookはある時点でそれを公にローンチするだろう。それが普及するにつれ、CPMは下がるだろう。Facebookほど規模が大きければ、間口が広くなるほど、レートが下がる、もしくは、より多くのインベントリーでフィルレートが下がるということだ」と、パブリッシャーのエグゼクティブのひとりは述べた。

Sahil Patel(原文 / 訳:Conyac