「質の高いニュースが読みたい、でもお金を払うのはイヤ」:ロイター読者アンケート結果

この4月、国際ニュース通信社のロイター(Reuters)では、将来的な戦略の参考にすべく1230人の読者にアンケートを行った。その結果、読者は質の高いニュースに価値を認めている一方で、「質が高いニュースだろうとお金を払うのはイヤ」と、考えていることが明らかになった。

回答者の81%は、ニュースのブランドはコンテンツの信憑性と同義であると回答しており、10人のうち9人が特定のニュースブランドでニュース速報を確認しているという。しかし、3分の2の回答者は、ニュースの質に関わらず、オンラインコンテンツにお金を出す意思はないとしている。

「ロイターには、報道機関として165年の輝かしい歴史がある。しかし、これからの読者がニュースに何を望むのか考えていかなければ、この先165年に渡って時流に乗り続けることはできないだろう」と、ロイターのEMEA地域担当コマーシャルディレクターであるジェフ・パーキンス氏は、米DIGIDAYに語った。

以下、パーキンス氏の談話を要約して紹介する。

信頼できるニュースソースを求めるミレニアル世代

「ミレニアル世代も含め、裏付けの取れた信頼性の高いニュースが人々に求められているという事実は励みになる。ニュースソースとなる大量の情報がどこにでも見つかるいま、ソーシャルメディアのニュースと、我々の立ち位置について、よくクライアントに尋ねられる」と、パーキンス氏。「現在、実に多くのプラットフォームに情報が溢れているが、情報が信頼できる筋で確認された真実であると、どうやったらわかるのか? 信頼性の高いニュースを提供できるニュース通信社が、ソーシャルメディアスペースで果たす役割は大きいと感じている」。

大きな関心を集めるVR

将来的なニュースの消費に最も影響するテクノロジーは何か、と尋ねられたロイター読者の回答は、バーチャルリアリティ(VR)が58%、ウェラブル機器が60%、人工知能(AI)とロボティクスが67%。80%が、IoTがニュースの入手方法に影響すると感じており、89%はモバイルアプリ開発一般と答えている。VRとAIの回答は、もちろんミレニアル世代回答者が数字に貢献している。

「ロイターではニュースのイノベーションを重視している」と、パーキンス氏。「当然ながら、VRやAIといった将来的な技術には関心を抱いている」。

あらゆる新テクノロジーと同様、VRの商業的な可能性はまだ証明されていない。しかしパーキンス氏は、VRのマネタイズは可能だと確信している。「VRを活用したコンテンツ開発とマネタイズについて、すでにVRスペースの大口クライアントと話が進んでいる。目に見えて結果が現れるのはいつ頃か? 今年の終わりには最初の兆候が見え始めるだろう」。

ホームページは終わっていない

ロイターでは、いまでも「ホームページのパワー」を信じている。回答者の大多数(85%)は、特定媒体社のWebサイトやアプリでニュースを読んでおり、ニュースソースとしてソーシャルメディアを利用しているという回答者は32%だった。

「我々は、ホームページを諦めてはいない。ホームページは死んだ、あるいは絶滅の危機に瀕していると一般的に言われているが、我々はそうは思っていない」と、パーキンス氏。

ニュースソーシャルメディアのマネタイズ

回答者のうち、ミレニアル世代は主にソーシャルメディアでニュースを得ていると答えているが、これは想定内だろう。主なソースとしては、Facebookが過半数を占め、圧倒的な強さを見せている。Snapchat(スナップチャット)はロイター読者の間では遅れを取っており、ニュース目的でのSnapchat利用は2%にとどまっている。LinkedIn(リンクトイン)は2番目に人気のあるプラットフォームとなっており、Twitterは33%で3位につけている。

ロイターでは、すでにインスタント記事を通じてFacebookに直接コンテンツを掲載しており、Appleの「News」にも名前を連ねている。しかし、ロイターはどのプラットフォームにも大きな賭けはしていない。プラットフォームの利点と、媒体社がプラットフォームでのコンテンツ展開から得られる収益に関しては、パーキンス氏はどちらかといえば懐疑的だ。

「今回のアンケート結果を事業に反映させ、製品チームや編集チームと協議して、ロイターのロードマップにどう反映していくか、戦略を変えていくべきかを決めていくのが今後の課題だ」と、パーキンス氏は述べている。

Jessica Davies (原文 / 訳:片岡直子)
Image via Rian Castillo