Snapchatの曖昧な広告ポリシーに困惑するパブリッシャー:ブランデッドコンテンツはどこまで許される?

Snapchat(スナップチャット)は、ブランデッドコンテンツに関してはまだ無法地帯で、パブリッシャーは試行錯誤しながらルールを見極めようとしている。

広告主とパブリッシャーによると、Snapchatにはブランデッドコンテンツの公式プログラムがなく、何が許されて何が許されないかという点について、気まぐれにルールを運用しているという。メディアコンテンツを扱う「ディスカバー(Discover)」セクションにおいても、宣伝過剰なコンテンツに目を光らせるSnapchatの検閲を、どういうコンテンツならパスできるのかをめぐって、ある程度の混乱が生じている。

一貫したガイドラインがない

困難な状況を経験したことがあるSnapchatのとある広告主は、次のように述べた。「『ディスカバー』に掲載できるコンテンツと掲載できないコンテンツに関する一貫したガイドラインがないようだ。ブランデッドコンテンツや記事コンテンツに対するSnapchatの考え方は、かなり主観的な印象を受ける」。

広告主は「ディスカバー」に参加しているパブリッシャーと、ブランドを大々的に扱う記事を投稿する交渉をしようとしてきたが、パブリッシャーはSnapchatによる不承認を恐れた。その一方で、「ディスカバー」に登場するコンテンツが、広告ではないものの、明らかに特定のビデオゲームや映画のトピックに偏っている印象を受けるという。

情報筋によると、一部の広告主やパブリッシャーは、パッとしないトピックにだけルールが適用され、Snapchatチームが好むトピックは見逃されているように感じているという。たとえば、ある広告主は、「スター・ウォーズ」関連のコンテンツはひっきりなしに無料で掲載されるように思えるが、ほかのトピックではおそらくそうはいかないことに不満を漏らしている。

「『スター・ウォーズ』ネタは、何よりも多く、エンターテインメント欄を占めている。ほかにも、たとえば女優ジェニファー・ローレンスの写真や本人インタビューがあるかどうか微妙なラインで、掲載するパブリッシャーもいれば、掲載を見送るパブリッシャーもいる」と情報筋は語った。

100億のビューをマネタイズ

多くのパブリッシャーが、似たような経験について述べている。ブランドに言及したコンテンツやスポンサー付きのコンテンツを投稿したいが、パブリッシャーによって検閲をパスしたりパスしなかったりするSnapchatの行き当たりばったりのルールにぶつかるという。

ブランドとパブリッシャーは、「ディスカバー」以外にも個人チャンネルを運営しているが、個人チャンネルでは建前として有料コンテンツが認められてすらいない。それでも、フェンディ(Fendi)のようなブランドを宣伝してきたモデルのケンダル・ジェンナーのような大物スターや、「Shonduras」というハンドルネームで知られるインフルエンサー、ショーン・マクブライド氏のようなもっとニッチな魅力を持つ人物が、Snapchatのフォロワーから利益を上げる妨げにはなっていない。

先日発表された調査会社eマーケター(eMarketer)のレポートによると、Snapchatは成長がもっとも速いソーシャルプラットフォームで、1億5000万人を超えるデイリーユーザーが1日100億を超えるビューを生み出しているという。

パブリッシャーとコンテンツ制作者は広告業界と協力して、ブランデッドコンテンツがいたるところに存在するYouTubeで行ってきたように、Snapchatユーザーの活動からマネタイズしようとしている。Facebookは最近、ブランデッドコンテンツに関する方針を改め、理屈の上では投稿するすべての動画からコンテンツ制作者が利益を得られるようにした。

「Snapchatはまだ汚れていない」

ファッションや商取引、ライフスタイルについて語るブログ「ギャル・ミーツ・グラム(Gal Meets Glam)」を運営するジュリア・エンゲル氏によると、商業化されていないので、Snapchatにはまだ汚れていない感じがあるという。これまでに複数の広告主がアプローチしてきたが、同氏はまだオファーに応じていない。

「Snapchatは、スポンサード・コンテンツであふれかえっていないので、人々が本当に信頼しているプラットフォームであるように感じられるし、我々はそういう状態のままにしておきたいと思っている」(エンゲル氏)

広告業界は、オーガニックコンテンツとスポンサードコンテンツの境界線を調べたがっている。Snapchatのインフルエンサーを雇い入れてブランドの宣伝に役立てようと取り組んでいるエージェンシーもある。たとえば、タコ・ベル(Taco Bell)はSnapchatのインフルエンサーを利用して、スーパーボウルの前後に新メニュー「ケサルーパ(quesalupa)」を宣伝している。

差し当たっての対応策

クリエイティブ エージェンシーであるAKQAのマネージングディレクターであるスコット・シモンズ氏は、次のように語る。「エージェンシーと広告主は、Snapchatのコンテンツをパブリッシャーと共同で制作し、Snapchatにおける力を強化するか、『画期的な』ブランデッドコンテンツを用意できるようにしている。すでに関心を集めている有名製品の場合は、それでうまくいく。特に、そうした有名ブランドの製品ローンチの場合は」。

Snapchatはまだ黎明期にあるが、コンプレックス・メディア(Complex Media)のようなパブリッシャーは、個人アカウントを利用した正式なSnapchatキャンペーンを広告主に提供できないと述べている。

「ブランデッドコンテンツを取り込む最良の方法をまだ検討中で、広告主が興味を抱いていれば、もっと大規模なキャンペーンの補完になる。差し当たっては、価値を付加することができた」と、コンプレックス・メディアのブランデッドコンテンツ担当ディレクターであるジュリア・ロダック氏は語った。

Garett Sloane(原文 / 訳:ガリレオ)