コンテンツ配信収益は、全体の14%にすぎないことが判明:パブリッシャーの収益構成

パブリッシャーのプレミアム業界団体デジタル・コンテンツ・ネクスト(Digital Content Next)の最近のレポートによると、パブリッシャーたちが第三者プラットフォームへのコンテンツ配信で得られる収益は、全体の14%に過ぎないことが分かった。

「配信コンテンツによる収益のベンチマークに関する報告書(The Distributed Content Revenue Benchmark Report)」と名付けられたレポートでは、2016年前半の収益について検証されており、サンプル数は最大21タイトルと限定的だ(項目によっては、データ提供を拒否した企業もある)。しかし、パブリッシャーたちがソーシャルへの配信で、どれだけ収益を得ているのかを知る、貴重な指標を示している。パブリッシャーたちの配信収益の大部分はYouTubeから来ている一方で、新参のプラットフォームにおける収益は、重要性が低いことが分かった(最初の表を参照)。

マネタイズに関して、それぞれのプラットフォームは異なる課題を抱えている。以下に大きな課題をまとめてみた。

Facebook

Facebookは、パブリッシャーに収益方法を多く提供している。インスタント記事からオーディエンスエクステンションなど、さまざまだ。調査対象となったパブリッシャーのなかで、もっともマネタイズのために広く使われているのもFacebookだった。特にテキストベースのパブリッシャーのあいだでは、顕著な傾向だ。

Facebookでコンテンツ配信を行っている19社のうち、マネタイズを自社で行っているのが16社、Facebookを通じたマネタイズを行っているのが7社だった(両方を行うパブリッシャーもある)。しかし「マネタイズに対するFacebookのコミットメントには良い面も悪い面も感じており、深く相反する感想が混じった状態」であるようだ。

機能一つひとつには長所と短所が存在する。インスタント記事によってパブリッシャーたちは読み込み時間を短縮し、広告提供と測定サービスを組み込み、収益のすべてをキープすることができる。しかし、自身のサイトほどは、収益性が良くないという。Facebookはインスタント記事によって、コンテンツ消費量が25%増加しているというが、それに見合った結果を体験しているパブリッシャーはほとんどいない。また提供されるデータも限定的だ。

結果として、パブリッシャーのなかにはインスタント記事から撤退する企業も出ている。Facebookでのブランデッドコンテンツにおける成功の方が目覚ましい。こちらでは広告のプレースメントに関してパブリッシャーがより大きなコントロールを握れており、CPMも高く、データのレポートも良い。しかし、ターゲティングとレポートの性能に関してだけでなく、Facebookが求める表記ポリシーに対しても不満があるようだ。

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YouTubeは最大の収益源。次にFacebook、Twitter、Snapchatが続く。Source: DCN

Facebookオーディエンスエクステンションもパブリッシャーに人気のツールだ。広告主からの収益をすべて保持できる。Facebookが所有するインスタグラムに関しては単独のデータは出されていない。しかしファッション、ビューティ分野におけるブランデッドコンテンツやスポンサーシップにとって大きなチャンスであると見なされている。

Facebookライブやサジェステッドビデオはそれほど良い成果を見せていない。ライブビデオを利用する17のパブリッシャーのうち、ライブビデオの分数リクエストを満たすことに対する支払いは、ローンチパートナーであった2社だけがFacebookから受け取っている。自分たちでライブビデオを通して広告を販売することができているのは、ほかに6社しかいない。

Snapchat

若いオーディエンスの間で急速に成長しているSnapchatは、パブリッシャーにとって非常に魅力的だ。しかし、また取り組むのが一番難しいプラットフォームとなっている。

Snapchatの「ディズカバー(Discover)」セクションは招待制、パブリッシャーに求められる条件は厳しく、広告トラッキングにも制限がある。 「ディスカバー」の広告収入は定額のライセンス料形式になったことで、パブリッシャーたちのメリットは減り、そしてパブリッシャーからの要求への反応は薄い。「パブリッシャーにとって第三者プラットフォームは、パートナーとしては難しい存在であることを示す特徴をSnapchatは見事に体現している」と、レポートは報告している。

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各ソーシャルプラットフォームの収益性は、パブリッシャーによって大きく異なる Source: DCN

Twitter

Facebookと同様、ほとんどのパブリッシャー(19社のうち18社)がTwitterをアクティブに活用している。しかしTwitterが提示している好条件にも関わらず、収益をレポートしているのは、たった10社だけだ。

パブリッシャーはスポンサーシップ、ブランデッドコンテンツ売上といった収益は、すべてキープすることができる。しかし、ライブストリームと動画広告プロダクト「アンプリファイ(Amplify)」をスケールできていない。そのためパブリッシャーにとってのメリットは、限定的となっている。

Google AMP

Googleによる高速で読み込まれるモバイル記事機能は、Facebookのインスタント記事よりは、パブリッシャーに好意的だと見られている。検索業界の巨人Googleは、パブリッシャーの要求に対して、より反応を見せている(AMPはオープンソースコードでもある、そのためインスタント記事とは根本的に異なっている)。

AMPでのマネタイズは自分たちのサイト上と同格だとレポートしており、検索トラフィックも増加していると多くのパブリッシャーが報告している。その一方でAMPページをマネタイズしていないパブリッシャーも存在する。これは自社サイトに収益チャンスを集中させるためだ。

YouTube

パブリッシャーにとって、もっとも確立された収益源プラットフォームはYouTubeだ。16社がYouTubeでの配信を行っており、14社はマネタイズもしている。

しかし、その成果は均等ではない。TV会社、ケーブル会社がもっともマネタイズに成功している。これは彼らが擁するビデオコンテンツを考えると妥当だろう。YouTubeはパートナーとして、さまざまなマネタイズ法を提供しているが、広告売上環境はYouTubeがコントロールを握っており、条件はほかのプラットフォームと比べると良くはない。

YouTubeの有料月額サービス、YouTube Redはまったく別問題である。9のパブリッシャーが利用しているなか、意味のある収益をそこで上げられている企業は、ひとつも無いようだ。

Lucia Moses(原文 / 訳:塚本 紺)
Image from Thinkstock / Getty Images