早くも「ヘッダー入札」の時代は終わるのか?:パブリッシャーの見解を聞いた

プログラマティック広告は、急速に、「次のホットなもの」へと移動しようとしている。パブリッシャーの多くがウォーターフォールからヘッダー入札へと移行した。

そしていま、そのヘッダー入札も近いうちに終わりを迎えるのではないかという憶測が流れている。パブリッシャーたちが入札オークションを、パブリッシャーのページでなく、サーバー相互で行う「サーバー・トゥー・サーバー・ソリューション」にシフトしているからだ。

ヘッダー入札では、パブリッシャーはインベントリー(在庫)を複数のアドエクスチェンジに提供してから、広告サーバーにコールする。入札はパブリッシャーのサイトで行われるので、ロード時間が遅くなり、読み込みの遅いブラウザを見るより、コンテンツを視聴したいと思っているユーザーにはイライラの種になる。

サーバー・トゥー・サーバー・ソリューションなら、入札行為がサーバーへ移されるので、ページの読み込みはより速くなる。たとえば、テクノロジー系サイトのネットワーク「パーチ(Purch)」の場合、サーバー・トゥー・サーバーに切り替えたあとでは少なくとも遅延(レイテンシー)が0.5秒減ったという。

12月7日(米国時間)にニューヨークで開催された米DIGIDAYの「WTFプログラマティック」イベントで、メレディス・デジタル(Meredith Digital)のプログラマティック広告およびオーディエンス担当バイスプレジデントを務めるチップ・シェンク氏は、「サーバー・トゥー・サーバーへ移行するパブリッシャーが増えるにつれ、ヘッダー入札は今後18カ月で姿を消すだろう」と述べた。シェンク氏は後に、ヘッダー入札の基本的メカニズムは残るだろうが、これからの18カ月で、「それが実行される方法は、何か違うものに変化する」と説明した。

ヘッダー入札の終わりは近いのか、パブリッシャーたちの見解を聞いてみた。

 

ロデール
ブログラマティック・パートナーシップ・マネージャー
ディーン・シャペロ氏

それは必ずしもヘッダー入札の終わりではない。業界がやり方を変えつつあり、レイテンシー回避を目的にサーバーへ移動している。我々(パブリッシャー)にとって、(サーバー・トゥー・サーバーへ移行する)唯一の理由はレイテンシーだ。ラッパー(Wrapper)タグを使う場合に、レイテンシーを気にすることが少なくなる。

サーバー・トゥー・サーバーは次の論理的ステップだと思う。だが、(ヘッダー入札にサーバー・トゥー・サーバーが取って代わるかについては、)ヘッダー入札がウォーターフォールを吹き飛ばしたのとは、様子が違う。サーバー・トゥー・サーバーは、ヘッダー入札がもたらした改良ほど劇的なものではない。だから皆が大挙して、そちらに駆け込むことはないだろう。

 

ワシントン・ポスト
プログラマティック広告担当マネージャー
クレイグ・ロス氏

ヘッダー入札が完全に消えてなくなるとは思わない。それは二番手になるか、刷新される必要があるだろう。だがサーバー・トゥー・サーバーは、バイヤーにもパブリッシャーにも、第一の選択肢になりうる。……ただ、何かをまったく使わなくなることは難しい。人々は、プログラマティック広告は広告ネットワークやアドエクスチェンジの終焉をもたらすと言ったが、それらはまだ、何らかの理由があって残っている。それが必要だと思う人は、常に存在する。

 

ハースト
プログラマティック販売および戦略担当バイスプレジデント
ジュリー・クラーク氏

サーバー・トゥー・サーバー時代の幕開けがそこまで来ており、今後12~18カ月のあいだで、その重要性は増すと思う。ヘッダー入札も完全にはなくならないだろうが、テクノロジーの視点から見れば、サーバー・トゥー・サーバーに一足飛びに統合されていくかもしれない。

 

ソート・カタログ
チーフ・リスク・オフィサー(CRO)
アレックス・マグニン氏

完全な世界であれば、サーバー・トゥー・サーバーへ移行するだろう。だが、サーバー・トゥー・サーバー・サービスを提供する企業が、トラブル対策としてまともなマージンを取り続ける限り、その競合相手はヘッダー入札に力を入れようとするだろう。パブリッシャーにとって、サーバー・トゥー・サーバーをセットアップすることは大きなチャレンジだ。ヘッダー入札は、何らかの形で、存在を続けると思う。

 

Ross Benes (原文 / 訳:ガリレオ)
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