プログラマティックネイティブ襲来、パブリッシャーは警戒:ブランデッドコンテンツは崩壊?

2017年にはプログラマティックネイティブ広告に、大量のマーケティング予算が流れ込むことになりそうだ。デジタル広告を活用する多くのパブリッシャーたちが、これを心待ちにしている。「多く」というのは、プレミアムパブリッシャーを除く、全員のことだ。

プログラマティックネイティブ広告とは、マーケター(ブランド)のメッセージと資産を、通常の広告が掲載されるサイトの余白部分ではなく、パブリッシャーやプラットフォームのフィードそのものに挿入するための手法だ。利用できるようになってまだ数カ月しか経っていないが、今年の春に新しく公表されたプロトコル「OpenRTB」のおかげもあり、すでにたくさんのバイヤーが参入している。

急速拡大しつつあるフォーマット

9月27日(米国時間)にニューヨークで開催されたアドバタイジングウィーク(Advertising Week)でも、プログラマティックネイティブ広告は注目の話題だった。メディアマス(Mediamath)の創設者グレッグ・ウィリアムズ氏は、このフォーマットは2017年、ほかのフォーマットに現在支出されている資金だけでなく、新たな財源からの資金も集まるだろうと発言。投資額は少なくとも倍増すると見込んでいるという。

その一方、同イベントでOpenRTBコンソーシアムを創設したソフトウェア企業データシュー(DataXu)の共同創業者ウィリアム・シモンズ氏も、プログラマティックネイティブについて言及。利用できるようになってわずか数カ月なのにもかかわらず「急速に」拡大しつつあるとの見方を示した。

ダブルクリック(Doubleclick)などのDSP(デマンドサイドプラットフォーム)大手が、すでにプログラマティックネイティブの機能を取り入れたという事実が、プログラマティックネイティブ広告の増大を後押ししている。また、ホライズン・メディア(Horizon Media)のプログラマティック製品ディレクター、トレバー・メンジェル氏によると、アドエクスチェンジ「Facebook Exchange」(FBX)の閉鎖も、プログラマティックネイティブにプラスに働いているという。閉鎖を受けたくさんのブランドが、FBX向けに作ったクリエイティブ資産を使う場所を探しはじめたというわけだ。

プレミアム媒体は慎重な対応

しかし、問題もある。ネイティブ広告の掲載場所をいくつも設けた多くのプレミアムパブリッシャーが、急成長するこのフォーマットに、かなり慎重なアプローチをとっているのだ。

タイム社(Time Inc.)、コンデナスト(Condé Nast)、ポップシュガー(PopSugar)など、ほとんどのパブリッシャーがネイティブ広告に手を出している一方、プログラマティックネイティブは、自分たちが多大な時間とリソースを投資したブランデッドコンテンツの脅威になり得ると見ている。時間も費用もエネルギーもブランデッドコンテンツの数分の1で、パブリッシャーの記事のあいだに入り込めたら、ブランドが活用しない理由はない。

コンデナストでプログラマティックの責任者を務めるエバン・アドルマン氏は、プログラマティックネイティブについて、「極めて制御された形」での実験を、今年はじめたばかりだと話している。また、「タイム」のスポンサードコンテンツ部門であるザ・ファウンドリー(The Foundry)のトップ、クリス・ハーチク氏は、ブランドパートナーのために作ったスポンサードコンテンツのキャンペーンについては、喜んでビューに対する「保証」するが、プログラマティックネイティブ動画に関しては、いかなるビューも保証しないと話す。

プラットフォームは活用に乗り気

プログラマティックネイティブの対象はパブリッシャーばかりではない。Pinterest(ピンタレスト)やTwitterのようなプラットフォームもプログラマティックネイティブのインベントリー(在庫)を受け入れている。

しかし、パブリッシャーはより価値の高い広告掲載場所を提供できる。プログラマティックネイティブのスポットが、広告主にとって魅力的なコンテキストで表示されるようパブリッシャーが乗り気にならなければ、本当の拡大には繋がらないだろう。

ポップシュガーの最高売上責任者ジェフ・シラー氏は、「二の足を踏んでいるクライアントがまだたくさんいる。彼らはブランドの影響力を譲り渡すことを警戒しているのだ」と語った。

Max Willens and Yuyu Chen (原文 / 訳:ガリレオ)
Photo by Patchi Cards-8(CreativeCommons)