EC強化の新フォーマットで、CTRが87%向上した情報サイト:「ポップシュガー」の飽くなき挑戦

パブリッシャー各社がこぞってコマースに向かうなか、ポップシュガー(PopSugar)はすでに本格的な取り組みを進めている。

ファッション中心のパブリッシャーであるポップシュガーは先日、新しい記事フォーマット「ポップシュガーショップ(PopSugar Shop)」を展開した。ポップシュガーショップフォーマットの投稿(たとえば2017年の最重要デザイナーシューズという記事)に行くと、ブラウザウィンドウの左下隅に円形の窓がポップアップし、「似たアイテム」や「同じブランドの製品」の詳細、新製品の検索などに誘導する。ここから1800万点もの製品にアクセスできるという。ポップシュガーの創業者でCEOのブライアン・シュガー氏は、この新しい投稿を「コンテンツとコマースの完全な新発想」だとした。

同社のコンテンツクリエーター100名全員がこのコマース投稿のためのツールにアクセスできる。さらに、この新フォーマットを使った投稿のために4名の専任チームも編成している。

きちんと使えるEC機能

ポップシュガーによると、新フォーマットがはじまったことによって、テストが行われた最初の週、小売業者サイトへのクリック数は、それまでのコマース中心の記事と比べて87%増加した(ポップシュガーはコンバージョンについてコメントしなかった)。ポップシュガーで製品マーケティングとセールス戦略のSVPを務めるクリス・ジョージ氏は、何がもっとも効果的かを同社が把握することで、この数字は投稿数とともに上昇すると見ている。新フォーマットの狙いは、記事の閲覧とショッピングという、小売業者とパブリッシャーがもっと近づけようと苦労してきたふたつの活動のギャップの橋渡しにある。

ポップシュガーショップによる記事は現在、美容、ファッション、ホームの分野を中心に、1日の公開コンテンツの約5%を占めている。ジョージ氏は、何がうまくいくかを把握していくなかで、新フォーマットのシェアが増大し、また、旅行やセレブといったポップシュガーのほかの記事カテゴリーにも拡大していくと語った。ほかに、コマース記事の2万件のアーカイブが新フォーマットに変換されており、これもジョージ氏率いるチームによる、さらなる最適化を促進していく。

「探しているものを見つけられるコマース機能が必要だ」と、ジョージ氏は述べる。記事コンテンツがその後の購買を刺激することは少なくないが、セッション中に見つかった商品は多くの場合、乱雑に開かれたブラウザのタブに取り残されてしまい、2度と訪問されることはないという。「実らない体験がたくさんある」と同氏。そうしたショッピング体験を自身の資産上で作り直すことができれば、小売業者へのクリック数を、ひいてはコンバージョンをさらに増大させられるとポップシュガーは見ているのだ。

PopSugar Shop投稿のショッピングモードのスクリーンショット

PopSugar Shop投稿のショッピングモードのスクリーンショット

なぜ実装できたのか?

ポップシュガーは以前から、編集にコマースを組み込んできた。2006年には、現在広く採用されているアフィリエイトリンク戦略をいち早く採用し、ショッピングが可能な投稿を開始した。2012年には、デジタルパブリッシャーとしていち早くサブスクリプションボックスのシリーズを立ち上げた。また、Snapchat(スナップチャット)をハックしたコマースに真っ先に取り組んだほか、ソーシャル動画を一種のスポンサードコンテンツのチャネルにすることによるマネタイズも初期のうちに開始した。

非公開企業だということで、ポップシュガーは、コマースベースのコンテンツによる収益額を明かさなかった。

ポップシュガーショップを現在の規模で運用可能にしている要素は、ポップシュガーがかつて所有していたショッピングベースの検索エンジン「ショップスタイル(ShopStyle)」だ(2月に楽天傘下のイーベイツ[Ebates]に売却されており、売却額は非公開)。ポップシュガーでは、スタッフがCMS(コンテンツ管理システム)からショップスタイル上で直接、商品を検索でき、読者にオススメしたい商品の取引や小売業者を見つける必要がない。ヴァンズ(Vans)のスニーカーのような、いくつもの小売業者から入手可能な商品の場合、ショップスタイルが自動的に小売業者を選択する。その際、ショップスタイルはコンバージョンにつながる可能性がもっとも高い業者を選ぼうとするという。

Max Willens (原文 / 訳:ガリレオ)