データ活用で取引85%増、ポップシュガーのコンテンツ戦略:「RFPを待たずに自ら売り込める」

いま、コンテンツスタジオを採算ベースに乗せるという困難に直面しているパブリッシャーが多い。そんななか、ポップシュガー(PopSugar)は今年、これまでのところ、ブランデッドコンテンツの取引が前年同期比で85%増加している。

女性向けのファッションとライフスタイルのパブリッシャーであるポップシュガーは、自社のコンテンツスタジオ、「ザ・ベーカリー(The Bakery)」を活性化する技術スタックを増強した。自社サイトとショッピングプラットフォームの「ショップスタイル(ShopStyle)」のオーディエンスとインテントデータを分析するツールを構築したことで、ザ・ベーカリーはRFP(提案依頼書)が来るのをじっと待つ必要がなくなり、自ら先回りしてブランドを売り込めるようになった。これがザ・ベーカリーの売上増加に貢献していると、ポップシュガーでプロダクトマーケティングのSVPを務めるクリス・ジョージ氏は語った。

同氏によると、ザ・ベーカリーは総勢40人で(うち7人がデータと技術の業務に従事)、ポップシュガーの広告売上の60%を占めているという。この割合は昨年より増加しており、2016年は総勢25人(うち3人がデータ担当)で、ポップシュガーの広告売上に占める割合は40%だった。さらに2015年はわずかに20%だった。なお、ポップシュガーは、広告売上の生の数字を明かしてはくれていない。

独自のコンテンツ戦略

ブランデッドコンテンツのプロジェクトを開始する際、ポップシュガーはまず、そのブランドが属するカテゴリー全体のエンゲージメントのデータに目を向ける。ポップシュガーの独自ツール「トレンドランク(TrendRank)」は、数百に渡るパブリッシャーのソーシャルでのシェアをモニターして、コンテンツがバイラルで広がりそうな話題を探し出すというもので、これにより、ポップシュガーは自社傘下のサイトに限らずエンゲージメントを把握できる。

次に、ポップシュガーはオーディエンスデータをブランドに適したセグメントに分類し、そのデータをブランドのデータと組み合わせる。また適用できる場合は、ショップスタイルと記事フォーマット「ポップシュガー・ショップ(PopSugar Shop)」のショッピングコンテンツから入手したインテントデータを結合する。

今年に入ってこれまでのところ、ザ・ベーカリーは取り組んでいるキャンペーン全体で40%のブランドリフト効果を実現していると、ジョージ氏は語った。

「レシピだけ」だと厳しい

ポップシュガーはさらに、ブランドと協力して、ほかのコンテンツスタジオがまだ制作していないコンテンツを考案する。たとえば、ある食品ブランドは、子供が新学期を迎える母親たちをターゲットにしていた。ポップシュガーのデータからは、このオーディエンスセグメントが、自分の子どもたちと関係があるアクティビティに関する記事を多く読んでいることがわかった。ザ・ベーカリーはこれを受けて、親子が食べ物でジオラマを作る動画を制作した。

「ブランドによる(ブランデッドコンテンツへの)投資が進み、その結果、混乱した環境が生まれてきている。食品分野の広告主で、レシピコンテンツしか制作していないところは、途方に暮れることになる可能性が高い」と、ジョージ氏は言う。

ポップシュガーは、ブランドにトレンドランクをライセンス供与することにも目を向けている。また、どういった製品(例:ある特定ブランドの口紅や靴)がコンテンツのシェアを促してくれるかを探る、同様のツールの開発も進めているが、詳細がまだ固まっていない。

Ross Benes (原文 / 訳:ガリレオ)