力強いROIを生む、「ファーザーリー」のバイラル動画戦略:2.5億視聴でメルマガ登録にも貢献

ミレニアル世代の父親に焦点を合わせたWebサイト「ファーザーリー(Fatherly)」が、Facebookを利用しはじめてからようやく1年あまりが過ぎた。しかし、すでに同サイトは非常に成熟した方法で、Facebookを活用している。

現在では、Facebook動画において、累計2億5000万回以上の視聴回数を獲得。「ファーザーリー」はバイラル動画を活用して、Facebookにおけるプレゼンスだけでなく、メーリングリストの登録者ベースも拡大した。多くのパブリッシャーが、自分たちはFacebookに時間とエネルギーを費やし過ぎているのではないかとの懸念を抱くなか、そこにおける急速な成長が、力強いROI(投資利益率)をもたらしている。同サイトが抱える25万人のメーリングリスト登録者のうち、4万人以上がFacebook動画経由のオーディエンスだ。

「ファーザーリー」の共同創設者であるマイケル・ロスマン氏は、次のように語る。「外部からのアクセスを促すためにFacebookを利用するパブリッシャーにとって、いまは冬の時代だ。オーディエンスの媒体離れが進むこの環境で勝ちたいなら、パブリッシャーはオーディエンスと1対1のプレゼンスを築く努力をすべきだ」。

力強いROIを生む動画戦略

「ファーザーリー」の動画が早々と成功を収めた秘訣は、いたって明白といえる。父親と一緒にスゴイこと(あるいはビックリするほど楽しいこと)をしている子どもの映像を見つけて使用許可を受け、その内容にぴったりのキャプションをつけて、視聴回数が跳ね上がるのを見ていればいい。スポーツに抜きん出た子どもたちを取り上げた、オリンピックをテーマとするこちらの投稿のように、その映像をニュースサイクルの何かに結びつけることができれば、なお良い。この動画は2週間弱で5800万回の視聴回数を獲得した。

 

「ファーザーリー」の動画は、ほとんどが「ストーリーフル(Storyful)」などのサイトからライセンスを受けたアマチュア映像や、ユーザー投稿、企業のWebサイトからのプロダクト映像のミックスだ。こうした戦略は費用効率もよく、Facebookページを開設して15カ月になる「ファーザーリー」が、100万人近いFacebookファンにアプローチするのを助けてきた。

こうしたバイラルヒットには、「ファーザーリー」のマーケティングファネルの入り口に人々を誘い込む効果も大きい。「ファーザーリー」の戦略が機能する仕組みはこうだ。人気の高い動画クリップのコメント欄に、その動画に関するテキストベースのストーリーへのリンクを挿入する。そして、デジタルマーケター向けの行動オートメーションツールを開発しているバウンスエクスチェンジ(Bounce Exchange)のサービスを利用して、これらのリンクを通じて訪問する読者をニュースレター登録のオファーで迎える(ちなみに米DIGIDAYもマーケティング目的でバウンスエクスチェンジのサービスを利用している)。

準備を万全にするため、「ファーザーリー」は同様のキャンペーンも展開して、その動画の噂を聞いたことがあるかもしれない人々、あるいはまたいつかその動画の親サイトを訪問したいと思っている人々をつかまえている(たとえば、上の動画に対する「ファーザーリーオリンピックキッズ」など)。

名刺代わりとしての動画

子どもや育児に関する検索の急増も、SEOにおいて「ファーザーリー」の力になっており、場合によっては、いつまでも新鮮さを失わない「エバーグリーン」なトピックで同サイトのコンテンツがライバルとの競争で優位に立つのを助けている。

訪問者に登録してもらうコンバージョンは、「ファーザーリー」のようなサイトにとって重要だ。ロスマン氏によると、「ファーザーリー」のメーリングリスト登録者は通常のサイト訪問者と比べて3.5倍の頻度で同サイトのコンテンツを共有するという。だが何にも増して、読者に直接呼びかけられるということは、どんなパブリッシャーにとっても極めて重要だ。とりわけ、読者がコンテンツを読むために特定のWebサイトに移動したり、特定のアプリを開いたりしなくなっている傾向がますます強まっている現在においては。「『ファーザーリー』のリンクベースの投稿に対する全体的なリーチは減少しつつあると、我々は認識している」とロスマンは氏は語る。

だが、それ以上に、訪問者から登録者へのコンバージョンによって、読者は即座に「ファーザーリー」と強い絆を形成できる。その絆は、うまくいけば、のちにもっと多くの人々を引き寄せてくれるだろう。ロスマン氏は「いまでは、これらの動画が我々にとっての素晴らしい名刺代わりになっている」と述べている。

Max Willens (原文 / 訳:ガリレオ)