こんなPR・広報担当はイヤだ! 記者が嫌う10のPR戦術

記者たちは1年間に約3万8000通の電子メールを受信するというが、そのうちの3分の2以上は企業からのプレスリリースだ。驚くなかれ、米国労働統計局(BLS)によると、2015年時点で、全米の広報担当者の数は、記者および特派員よりも5.3倍もいるという。

これらの数字は、両者の緊張関係をうまく説明している。そもそも両者は、仕事上、利害が衝突する存在なのだ。

テクノロジーの発展でこれまで以上にコミュニケーションが簡単に行えるようになったいま、広報担当者たちは自分の話を聞いてもらうために、あらゆる手段で積極的にメディアにリーチしようとしている。ところが実際は、多くの場合において、記者たちの注意を引くことはできず、反対に彼らの負担となっているようだ。そこで今回は、ジャーナリストが嫌うPR対応をまとめた。なお、本記事の後編として、PR担当から記者・編集者への苦情も公開している。あわせてご覧いただきたい。

怠惰な売り込み

「いまや、Googleで調べられないことはほとんどないのに、一部の広報担当者は、自分たちの売り込み先であるジャーナリストについて、事前に調べることさえしない。私が所属するメディアやわたしの出版物について何も知らない広報担当が、わたしに連絡をしてくることがある。そんなときは、私は彼らに怒りをぶつけるしかない」――ビジネス編集者

安っぽい口説き文句

「デジタル時代において、いちばん嫌なPR戦術といえば、私の最近のツイートに乗っ掛かって来ることだ。下調べをしたことを示したいのは分かるが、充分というには程遠い。私がリサーチしているトピックスにどれだけ精通しているかによって、広報担当者の情熱は伝わってくるものだが、私のツイートを見ただけの安っぽい口説き文句はごめんだ」――テクノロジー記者

「事実誤認」との主張

「公開後に広報担当者から、論調を整えるための記事修正を頼まれることがある。たとえば、軽率なことをやらかした企業について、否定的な記事を数カ月に1度は書いているが、その企業の広報担当から、私の記事に『事実誤認』したいことがあるので一緒に確認をしたいという電話がくる。その後、要求されたた事実誤認というのは、彼ら自身の常用文を巡る、極めて曖昧な解釈の調整を要求するものであることが多い。会社の幹部が公に発言した明白な嘘があったにもかかわらず、そうした嘘を厳密には虚偽ではないようにしてほしいという。たとえば、『水は実際には毒物に汚染されていないとはいえないが、飲むことができる。つまり、清浄でない水でも飲めるということから、汚染された液体は物理的には飲むことができる』という発言があった。結局私は、その広報担当の便宜を図って文章を変更することを拒んだ。彼は狼狽していたようだ」――テクノロジー記者

「事後確認」のメール

「私が明らかに関心を示していない情報についての事後確認や、コミュニケーションを絶たないためのフォローアップメールを何通も送ってくるのはうんざりだ」――ビジネス記者

ロボットのような売り込み

「相手がロボットのように業界用語を多用し、説明過剰で形式的な振る舞いを感じるときほど、その広報担当と仕事をする気が失せてしまう。最初の売り込みがよそよそしい場合は特にそうだ。形式張ることなく、だからといって高圧的な印象を与えることもなく、私の仕事に関してよくリサーチしている広報担当者であれば、反応もぐんとよくなるものだ」――コラムニスト

「私は君のボーイフレンドではない」

「突然、1000文字ものDMが届くことがある。おかげで、DMを開けるのも嫌になった。テクノロジー業界ではよくあることのようだ。また、私が電子メールや電話に応答していないのが明らかなのが分かると、テキストメッセージが送られてくることがある。私は君のボーイフレンドではない。テキストメッセージをするのは止めてほしい」――テクノロジー記者

偽善

「メディア企業の広報担当者は仕事相手として最悪だ。彼らはとても神経質で、『ノーコメント』と回答する傾向があまりに強い。それでいて、自身がやったことに対する理由を説明しようとはしない。これでは、報道機関へのうまい対応をしているとはいえない。しかし、このような対応がますます増えているのは明らかだ。幹部職員で現場に近い人間ほど、そのようなコメントのある報道が、どれほど真実を隠そうとしているかを知っているはずだ。業界全体でそのような報道は改善するべきだ」――メディア記者

攻撃的な振る舞い

「権力ある機関と同じように、テクノロジー企業は気に入らない物事に対して批判的な反応をとったり、否定的な話に対抗するため情報を選別して流したりする傾向がある。気に入らない記事を書いたレポーターを追放したり、引用承認のようなものを要求したりする。これは、こっそり情報を教えるから、どの部分を使いたいか言え、というやりとりのことだ。これでは、ホワイトハウスやハリウッドとなんら変わりないだろう。しかし、インターネットにはそのような対応を批判できる力がある。彼らも無傷で逃げ切れることはないはずだ」――テクノロジーコラムニスト

タイミングの悪さ

たとえば、こんな具合だ。「『こんにちは。あなたの超大作であるXの巨大トレンドに関する記事は実によかったです。うちのクライアントであれば、そのトレンドについてもっと話ができると思います。なぜなら、我々のクライアントはそのテーマにわずかばかり関係しているし、きっと追跡記事で取り上げる価値があるでしょう』という売り込みほどタイミングが悪いものはない」――ビジネス記者

見せかけの友情

「会ったこともない広報担当者が個人的な電子メールを多くってきて、上っ面だけの賛辞を盛り込んだ売り込みを送ってくるのにはうんざりだ。私のTwitterを5分ほど見てまわったからといって、我々は兄弟になったわけではない」――ライフスタイル記者

Lucia Moses (原文 / 訳:ガリレオ)