ワシントン・ポスト、デジタイズされた新オフィスへ移転 〜ベゾス買収金から費用を捻出

2015年12月第3週ワシントン・ポストは、1950年から使用してきた古いオフィスを離れ、3ブロック離れたK通りのフランクリンスクエアにある12階建てのビルディングへと移った。その1階から6階を専有し、およそ1400人の社員たちがここに勤務することになる。

隅々までモダンな雰囲気が漂う、この新しいオフィス。だが、ワシントン・ポストが継承してきた138年の歴史に対する敬意も表れている。

たとえば、同社の歴史を彩る見出しがデコレーションされた各会議室。それぞれの名前の由来として、過去の指導者であるベン・ブラッドリー氏の名前や、同紙にとって重要な場所(事件)「ウォータゲート(Watergate)」(有名なウォーターゲート事件は、1972年に同紙がスクープした政治スキャンダル)などが用いられている。

この移転の資金は、2013年のAmazonジェフ・ベゾスCEOによる同社買収で得た、2億5000万ドル(約300億円)から拠出されたという。

開放性とコラボレーション

「古いオフィスは、1970年代や80年代のニュース組織にとって、最高の場所であるように設計されていた」と、オフィスデザインを監督した編集長代理、トレイシー・グラント氏はコメントする。「そのビルディングには、職能別に報道室や編成室、暗室などが用意され、まさに1973年(ウォーターゲート事件の頃)の芸術品のようだった」。

一転、新たなオフィスは、デジタル時代のメディアやパブリッシングのためにデザインされている。重視されたのは、開放性とコラボレーションだ。

2つのフロアを占めるニュース編集室は、編集者、デザイナー、エンジニア、カメラマン、動画製作者などスタッフ全員が、顔を向き合わせて仕事できるようにデスクが配置されている。アイデアの共有を簡単に行えるように考えてあるのだ。

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「前のオフィスでは、社員たちは常に寡黙だった。アイデアを共有したくなかったのではなく、それぞれの役割の場所に追いやられていたのだ。無料メッセージツール『スラック(Slack)』のようなコミュニケーションツールは全員使用しているが、隣に座り、向き合うことこそが最適なコミュニケーションだ」と、グラント氏は語る。

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デジタル化されたオフィス

また、ワシントン・ポストは、現代に即した考え方で、ニュース編成室を構成している。24時間稼働し続ける、その空間の中心に据えられたのは、生放送中のニュースを映し出す21台のモニターと、サイト分析をリアルタイムで表示するディスプレイだ。さらに、「ガイドポスト(GuidePost)」というアプリを制作し、会議室の予約や、オフィス情報の閲覧、社員間のアイデア共有を、簡単に実施できるようにした。

リポーターがライブ配信を実施しやすいように動画資材も用意。音声レコーディングブースや動画編集室も設置された。さらに、多くのデスクは、立ちながら使用もできる機能が付いているという。なおカンファレンスルームなどは、現在も建設途中だ。

グラント氏は、「前のオフィスには歴史があり、離れるのは辛かった。70年代から90年代にかけて、私たちにとてもよく尽くしてくれた」と述懐する。しかし、「この新しいオフィスは現代の仕事環境にとてもマッチしていて、次世代のプラットフォームをよく表している。私たちは最適なワークスペースを手に入れたと思う」と、締めくくった。

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Ricardo Bilton(原文 / 訳:BIG ROMAN)
Image from DIGIDAY