フードポルノ、次の流行は「カクテルポルノ」?:専門メディアが続々ローンチ

レインボーベーグル(ソーシャルでよく出回っている虹色のベーグルのこと)よ、その座を明け渡すときが来た。インターネット上では、簡単レシピ動画やハードコアなフードポルノが溢れている。しかし、新たにデジタルパブリッシャーを追い立てようと、カクテル動画が急速に伸びてきているのだ。

デジタルメディアのスリリスト・メディア・グループ(Thrillist Media Group)は先ごろ、Facebookに最適化されたアルコール飲料専門サイトの「スーパーコール(Supercall)」をローンチした。大手酒造メーカーのディアジオ(Diageo)がスポンサーとなり、若い男性読者向けのアルコールレシピが中心のサイトだ。

「スーパーコール」はソーシャル動画(分散型)パブリッシャーの「ナウディス(NowThis)」が立ち上げた新しいFacebookページ、「ナウディスブーズ(Now This Booze)」の流れを汲む。「ナウディスブーズ」はウォッカのショットを注ぐロボットやフローズンダイキリの作り方を紹介するアルコールをテーマにしたページだ。

今年のはじめ、Buzzfeedは人気Facebookページ「テイスティ(Tasty)」のスピンオフとなるPinterest(ピンタレスト)ページ「テイスティハッピーアワー(Tasty Happy Hour)」を立ち上げた。9万5000人以上のフォロワーを抱えた同ページは、ピーチアイスティーウイスキーやチェリーモスコミュールなどのカラフルなアルコール混合飲料満載だ。コンテンツを見れば、飲みたくならないはずがない。

目に楽しい化学反応

スリリスト・メディア・グループのラボ、CoLab(コラボ)のクリエイティブディレクター、ハイデン・リンチ氏によると、消費者のアルコール飲料への関心や興味は一般的に「高い」ということに気付いた。しかし、現代のパブリッシャーはコンテンツそのものと同じくらい、そのコンテンツをいかに配信していくかということに注意を払っている。

具体的にいうと、パブリッシャーはオーディエンスにリーチするためにはFacebook、特にFacebook動画への最適化が欠かせない。つまり、食べ物と同様に、カクテルもFacebookがユーザーのニュースフィードに差し込む、30秒間の無音動画にぴったりということだ。

スリリストにとって、「スーパーコール」は同社の動画参入を大きく後押しするのに大切な役割を果たしている。リンチ氏はカクテル動画の魅力は「創造的な側面」があることだという。「リキュールのさまざまな色がひとつに混ざったとき、観ている人は同じように本能的な反応を抱く」ことを期待しているという。

現時点で、スリリストが理想とする動画は楽しく、人の目を引き、ノスタルジックなもの。大手ジュースメーカーのカプリサン(Capri Sun)が大人向けに製作し、3600万ビューを獲得した動画(下記)のようなものだ。

 

似て非なるタイプのアプローチ

「ナウディス」のプレジデント、エイサン・ステファノプーロス氏は数カ月前にFacebookページ、「ナウディスブーズ」をローンチした際、同社は食品を一切取り扱うことなく、まっすぐアルコール飲料一筋できたと話した。現在同ページのフォロワー数は15万人以上だ。

「我々が状況を見たところ、食品関連は参入企業がひしめき合っていた。すでに多くの注目を集めているところに飛び込んでいくのは理にかなったことではなかった。もっと若いオーディエンスが愛するものがほかにもあると我々は考えた。我々のオーディエンスの心をつかむため、似て非なるタイプのアプローチをするチャンスだったのだ」と、ステファノプーロス氏は話した。

このアイデアはまた、マーケティング担当者の心をつかむコンテンツでもあった。「ナウディス」はすでにアルコール関連の広告主と2本の動画を作成し、バカルディ(Bacardi)テキーラカサドレズ(Tequila Cazadores)がスポンサーとなった。

誰にも真似できないことをやる

フード系でもそうだったように、カクテル動画もすぐに常に飽和状態に達し、Facebookユーザーの関心を失ってしまうリスクがある。パブリッシャーは、Facebookがアルゴリズムの変更を行うたび、異なるコンテンツやフォーマット向けに、繰り返し編集戦略を見直してきてはいる。

ひとつのアプローチとしては、ほかの誰にも真似できないような動画にすることだ。「ナウディス」が実践していることは、カクテルに大統領候補者の名前を付けることだ。たとえばこちらのドナルド・トランプ氏のアマレットサワー(「アマレットを再び偉大に」)だ。

「スーパーコール」は、まずは動画の大部分を30秒間のFacebook特化型ではじめるという。ただ、リンチ氏はFacebookのニーズに乗り遅れないために、長めのライブ動画やサーチなど、ほかのトラフィックソースといった30秒動画にとどまらないコンテンツの多様化の必要性についても考慮していると話した。

「ナウディス」のステファノプーロス氏は、「いま、Facebookは30秒動画や60秒動画を多く作ってほしいといっている。それに、Facebookだけでも360度動画やライブ動画を使用すれば、さまざまな方法で動画を扱うことができる。あるいは、60分間アルコール飲料についてやるなら、どんなコンテンツなら面白いかを見つけるのが我々の責務だ。30秒動画に未来はないと考えている」と、慎重に先を見据えている。

Lucia Moses (原文 / 訳:Conyac
Images courtesy of Thrillist Media Group.