「デジタル展開するならプログラマティックを知るべき」:FT新担当ディレクターの考え方

プログラマティック広告の販売は、すべてのパブリッシャーにとって最優先事項であり、サブスクリプション(定額制)モデルを採用するパブリッシャーも例外ではない。そこで、フィナンシャル・タイムズ(FT)は、プログラマティック広告販売を統括するグローバルディレクターのポストを新しく設け、アドテク企業・セルトラ(Celtra)の元幹部のエリ・パパダキ氏を就任させた。

パパダキ氏は今後、英国と米国でFTの広告販売部門およびデータ部門と協力し、同社のプログラマティック広告戦略を推し進め、市場拡大をはかる。したがって、FTのプログラマティック広告商品がいかにクライアントに役立つかを、平易な言葉で説明するのも彼女の仕事だ。

パパダキ氏は米DIGIDAYのインタビューに対し、業界用語をかみくだいて計画を説明し、この市場の先行きは明るいと話した。一部編集・要約したインタビューをお届けする。

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FTにおけるプログラマティック広告販売のグローバルディレクター、エリ・パパダキ氏

あなたの目標は何ですか?

FTは、いまあるテクノロジーに注目し、プログラマティックが何をもたらしてくれるのかをブランドとして伝える、グローバルな役割の必要性を認識しました。私は前職でクライアントと向き合ってきたので、FTが私に期待しているのは、この分野でやっていることを系統立てて説明し、難解な専門用語を排して、プログラマティックの利点についてもっと知りたいと考えているCMO(最高マーケティング責任者)たちに話をすることです。

現在のプログラマティック市場をどう見ていますか?

不安は薄れ、データの効率性だけでなく、クリエイティブなメッセージについて議論がなされるようになっています。アドブロックに関していろいろ言われていますが、ユーザー体験を邪魔しない優れたメッセージは、とりわけモバイルにおいて重要です。プログラマティックが飽和状態に達したということは決してなく、よりスマートになったのです。

ラグジュアリーブランドはこれまでプログラマティックに関心が薄かったわけですが、そうしたブランドのクライアントと関わってきたあなたの経歴は、FTで役に立ちますか?

もちろんです。一般的にいって、ラグジュアリーブランドは伝統を重んじるところがあり、価格よりもブランドイメージを守れるかどうかを重視します。けれども、ブランドが全面的なデジタル展開を行うにあたっては、RTB(リアルタイム入札)、オープンオークション、在庫予約型固定単価取引など、さまざまな種類のプログラマティック取引を知っておくべきです。

汎用型と言えるものはありませんし、パブリッシャーが利用するシステムはひとつではありません。2、3年前は、コスト効率と、正しいターゲットに正しいタイミングでアプローチするためのデータ利用がすべてでしたが、その方法がすべてのパブリッシャーに最適というわけではありません。価格についての議論ばかりをしていてはダメなのです。

プログラマティックについて、どのような誤解がありますか?

プログラマティックは実行形式のひとつにすぎないということが忘れられがちです。データへの注目が高まっていますが、必要なのはターゲティングを精緻化すること、つまりユーザーのなかからターゲットをより賢く選別することです。

アドブロックの背景には、ユーザー体験の低下だけでなく、私たちが日常的に広告の集中砲火を浴びているという現状があります。オーディエンスに寄り添い、ユーザー体験を考慮するというのは、どちらかと言えば倫理の問題です。

「ガーディアン(The Guardian)」紙は、プログラマティック販売に関して、ビューアビリティーを100%保証しています。いずれはこれが業界の標準になるのでしょうか?

市場関係者がこういった保証を求めるのはもっともです。けれども、それを大規模に実現できるかというのは、まったく別問題です。パブリッシャーの間に差がつくのはこういった点でしょう。私たちが販売しているデスクトップでのビューアビリティーモデルは非常に好調で、広告在庫の70%以上がビューアブルです。

Jessica Davies (原文 / 訳:ガリレオ)
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