フォーブス、Snapchatで期間限定コンテンツを公開:「30アンダー30」の一部を配信

米フォーブス(Forbes)が、Snapchat(スナップチャット)を利用して、影響力のある起業家600人を紹介する「30アンダー30(30歳未満、有望な若者たち)」の一部を公開している。フォーブスが主要なコンテンツを自社のホームページよりも先にソーシャルネットワークで公開するのは、今回がはじめてだ。

フォーブスは1月2日(米国時間)、Snapchatの「ディスカバー(Discover)」セクションに設けたポップアップチャンネルで、600人(20分野から各30人)のうち約15人の名前を発表。オーストラリア出身の女優マーゴット・ロビーや体操女子金メダリストのシモーネ・バイルズ選手、米プロフットボールリーグ(NFL)のフォン・ミラー選手などが挙がっている。

このポップアップチャンネルは48時間表示される予定で、リスト全体は3日にForbes.comで公開された。クリスマスの時点で、フォーブスはSnapchatに働きかけて同チャンネルへの広告販売を行おうとしていたが、まだ取引を正式に認めていなかった。

新年の取り組みの一環

今回のポップアップチャンネルは、自社のモバイルサイトにSnapchat的な要素を取り込もうと考えているフォーブスの取り組みの一環だ。フォーブスの最高製品責任者(CPO)であるルイス・ドボルキン氏によると、人々が多様な場で情報を入手し、フォーブスのチャンネルに直接アクセスするとは限らない現状を認識しているという。

そのうえで、自社サイトでの活動を減らさずに、ソーシャルプラットフォームへ直接配信するコンテンツを増やそうとする、2017年の取り組みの一環でもあるようだ。フォーブスはすでに、ポッドキャストやFacebookのライブ動画、メールマガジンだけでなく、Amazonのアレクサ(Alexa)やGoogleアシスタント(Google Assistant)のような音声プラットフォームにもコンテンツを公開している。

「300本以上のセールスコールを受けて、エージェンシーや顧客は、Forbes.comでのオーディエンスへのリーチを求めているが、ほかのプラットフォームでのオーディエンスへのリーチも同じくらい欲していることがはっきりわかった。また、彼らは、フォーブスによって信頼性が増すことも気に入っている」とドボルキン氏は言う。

 フォーブスがSnapchatのポップアップチャンネルで公開した「30アンダー30」の記事のスクリーンショット


フォーブスがSnapchatのポップアップチャンネルで公開した「30アンダー30」の記事のスクリーンショット

経験を得ることが目的

プラットフォームに直接公開するのは、パブリッシャーにとって両刃の剣となる。パブリッシャーは、オーディエンスのいる場を求めているが、そういったプラットフォームでは、コンテンツから利益を上げる能力が十分に発揮できないからだ。ドボルキン氏によると、マネタイゼーションはフォーブスにとって重要だが、ほかの基準も関係しているという。

Snapchatのポップアップについて合理的だと判断した理由を、ドボルキン氏は次のように説明した。「Snapchatのポップアップは、若いオーディエンスに結びついている。また、『アンダー30』コミュニティにとって、自分たちと考え方の似た層にコミュニティを紹介してもらえるのはすばらしいことだ。それに、フォーブスの動画担当チームとソーシャル担当チームが、こうしたポップアップを編集すれば良い経験になる。さらに、新しいモバイル体験の一部にしたい新たなフォーマットについて学べる。ただ、すべてが利益につながりはじめているわけではない」

フォーブスは、プラットフォーム外で配信するすべてのコンテンツをマネタイズする計画はないものの、そうしたコンテンツの制作費を削減する方法を積極的に探している。

あくまでコストは最低限で

Snapchatは、パブリッシャーにカスタムメイドのコンテンツの制作を要求することで悪名高い。カスタムメイドのコンテンツは、費用と人手がかなりかかる場合があり、「ディスカバー」チャンネルを開設しているパブリッシャーは、メンバーが10人以上のチームを抱えているところが多い。「ディスカバー」で公開した後に自社サイトで公開できるコンテンツを1回だけ制作することで、そうした費用の発生を避けるというのが、フォーブスのアイデアだ(フォーブスは、既存の人材を利用してポップアップチャンネルを制作した)。Snapchatのポップアップチャンネルの例では、縦長動画について学んだことを生かして、自社のモバイルサイト向けにそうした動画を制作する計画だ。すでに、モバイルサイトにSnapchat風の「カード形式」記事を導入している

フォーブスはさらに幅を広げ、新しいCMS(コンテンツ管理システム)を開発して、自社サイトに新しいフォーマットを取り入れようとしている。

「ほとんどのサイトは、ひとつのフォーマットしか提供していない。我々は、多様なフォーマットからなるモバイル体験を作ろうと取り組んでいるが、そのために14人も新たに人を雇っていちいち作り直す必要はない。これまでSnapchat担当チームを作ってきたパブリッシャーを見てみるといい――自社サイトでは公開できないSnapchat用動画を制作するために5人とか6人、あるいは10人、15人のスタッフを擁している。我々は、その逆のことをやっている」と、ドボルキン氏は語る。

Lucia Moses(原文 / 訳:ガリレオ)