ネイティブアドを後押しする「インスタント記事」の可能性:誘導枠設置、データ提供など

Facebookの「インスタント記事」を導入してきた各パブリッシャーの意見によると、特にネイティブアドにおいてマネタイズが難しいというのが共通する不満のようだ。

だが、近いうちに「インスタント記事」内でネイティブアドを使ったマネタイズの可能性が広がるという。アドテク企業のポーラー(Polar)が、自社プラットフォームのサポート対象を「インスタント記事」にまで広げようとしているのだ。これが実現すれば、「ワシントン・ポスト(The Washington Post)」「ハフィントン・ポスト(The Huffington Post)」「スレート(Slate)」をはじめとする同社の顧客は、ディスプレイ広告と同じようにネイティブアドの誘導枠を「インスタント記事」へ掲載できるようになる。

ポーラーの動きは、パブリッシャーに対して新たなマネタイゼーションの流れをもたらしてくれるだろう。なにしろ、多くのパブリッシャーが、ネイティブアドへの依存度を高めつつある。従来型のディスプレイ広告よりも高いレートを設定できるし、編集された本物のコンテンツとほぼ変わらないので、読者にアピールできる可能性が高まるからだ。しかし、その高い制作費を正当化できるほど、多量の記事流入を確保しているわけではない。だから、パブリッシャーたちは利用できるすべての拡充手段を実行したいと思っている。

ディスプレイ広告と同じ運用

ポーラーの創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるクナル・グプタ氏によると、ポーラーは今後サポートを拡大して、Facebookがすべてのパブリッシャーに「インスタント記事」を開放するときに備えようとしている。Facebookは、4月12日(米国時間)の「F8」カンファレンスで、そのことを発表する予定だ。

「『インスタント記事』に関するパブリッシャーからのフィードバックを見ると、ユーザーエンゲージメントとコンテンツに関しては好意的なものだった。だが、『インスタント記事』における広告スペースが少ないので、マネタイゼーション方法については多くの疑問がもたれている。ブランデッドコンテンツは一般に、パブリッシャーにとって、もっとも利益率の高いフォーマットだ。そのため、我々のプラットフォームでは、その価値がもっとも高いフォーマットに対応しようとしている」と、グプタ氏は言う。同氏はこの件について、LinkedInの記事にもっと詳しく記している。

読者がこうしたネイティブアドの誘導枠をクリックすれば、パブリッシャーのモバイルサイトへ遷移する。誘導枠は、ディスプレイ広告と同じように、パブリッシャーのアドサーバーを通じて提供されるものだ。従って、入稿作業の流れは、ディスプレイ広告と同様になる。そのため、誘導枠のパフォーマンスに関して、ディスプレイ広告で入手できるデータと同じものを入手できるという。

歓迎すべきニュースだが

ネイティブアドは、広告であることが明確に表示されず、読者の混乱を招きかねない、と批判されてきた。グプタ氏によれば、「インスタント記事」に掲載されるポーラーの広告枠に、どのように広告表記するのかを決めるのはパブリッシャーになるという。そうした広告は、まだ「インスタント記事」に掲載されていないが、「ワシントン・ポスト」に掲載された米コンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトン(Booz Allen Hamilton)の広告(下の画像)を見ればわかるように、パブリッシャーのモバイルサイトと同じような外観になるだろう。

Washington-Post-Mobile-Article

こうした動きは、特にネイティブアドと動画広告の分野で、「インスタント記事」のマネタイズ方法を増やしたくてたまらないパブリッシャーにとって、歓迎すべきニュースかもしれない。スレートの副会長であるダン・チェック氏は先ごろ、「ネイティブアドのサポートがあるのは素晴らしいことだ」と述べている

だが、依然として難点がある。パブリッシャーはまだ、実際の「インスタント記事」の形でネイティブアドを掲載できない。いまのところ、パブリッシャーは、「インスタント記事」の最後に表示される3本の関連記事の1本として、ネイティブアドへの誘導枠を掲載できるが、「インスタント記事」自体にネイティブアドはめったに表示されない。パブリッシャーが抱いてきた不満は、サポートが受けられない点と、関連記事としてネイティブアドを掲載しても、広告主を満足させるのに必要なパフォーマンスに関するデータを得られない点だった。

Lucia Moses(原文 / 訳:ガリレオ)