「動画シェアには、Facebookアルゴリズムは関係ない」:ディスカバリーの動画コンテンツ育成術

Facebookに動画投稿を行っているパブリッシャーは、ユーザーの目に留まる動画製作の公式をすでに確立している。尺は短く、消音、そしてテキスト重視で、視覚に訴えるビジュアルにするということだ。だが、Facebookで視聴数を伸ばす方法は、それだけではない。

一例として、ディスカバリー・デジタル・ネットワークス(Discovery Digital Networks)が、YouTubeチャンネル「ニュークリア・ファミリー(Nuclear Family)」用に最近製作した、寸劇コメディ「はじめてヘロインをやった人たち」という動画がある。Youtube上での動画の長さは4分で、2016年1月6日の配信以来、72万回以上の視聴があった。だが、この同じビデオがFacebookでは1700万回以上の視聴を獲得したのだ

今回のバズによって、前月比でFacebookにおける動画の視聴数が「激増」したディスカバリー・デジタル・ネットワークス。同社のFacebookページ全体では、月平均で6000万回の視聴があるというが、やはりYouTubeチャンネル上での月平均2億の視聴には、なお及ばない。

YouTubeとFacebookの違い

ディスカバリー・デジタル・ネットワークス LAの責任者であるジェレミー・アゼベド氏は、「YouTube上では、ニュースやコメディの動画が、ほんの少しでも物議を醸したり、意見が分かれるものだったら、視聴者に低く評価されたり、フラグを立てられる。それがアルゴリズムに影響し、コントロールできなくなり、当該のビデオは観られなくなっていくことが多い。対してFacebookでは、好意や悪意を問わずユーザーはシェアしたがる。ユーザーが面白いと判断するか、嫌悪感を抱き、低く評価するかは、シェアされるうえでFacebookのアルゴリズムには関係ないのだ」。

寸劇コメディチャンネル「ニュークリア・ファミリー」の「はじめてヘロインをやった人たち」

現在、アゼベド氏はディスカバリー・デジタル・ネットワークスの6つのニュースとコメディ映像チャンネルを監督している。YouTubeのスター、フィル・ディフランコ氏や、YouTubeチャンネルの「ソースフェド(SourceFed)」「ソースフェド・ナード(SourceFed Nerd)」「ニュークリア・ファミリー(Nuclear Family)」「スーパー・パニック・フレンジー(Super Panic Frenzy)」「ピーポー・ビー・ライク(People Be Like)」などが対象だ。

ディスカバリー・デジタル・ネットワークスのポートフォリオは拡大中で、ストリーミングネットワークの「アニマリスト(Animalist)」「Dニュース(DNews)」「シーカー(Seeker)」「テストチューブ(TestTube)」が含まれる。同氏のオフィスには、30人のスタッフがすべてのソーシャルプラットフォーム向けにコンテンツを大量製作している。

唯一といえる正しい方法はない

「Facebookのプラットフォーム上のプログラムを攻略するうえで、唯一といえる正しい方法はないのが現状だ。そのように想定するのは少しばかり短絡的だし、オーディエンスを死ぬほど退屈させるだろう。ほかのみんなも、同じことをするだろうから」と、アゼベド氏。

同氏は、ディスカバリー・デジタル・ネットワークスが、Facebook上で幅広いニュースやコメディの配信に成功していると話す。Facebookに配信した「ソースフェド(SourceFed)」のとあるビデオクリップ(ティーンエイジャーの女の子が車を持ち上げて、下敷きになった父親を助け出したことを報じたニュース)は、2016年1月12日の配信後に600万の視聴を獲得。こういったストーリーは、Facebookのオーディエンスに好まれる、励まされるニュースだったからだろう。

実験の余地があるFacebook

また、ディスカバリー・デジタル・ネットワークスはFacebook専用のビデオも製作している。最近の例としては、メキシコ当局が麻薬王のエル・チャポ(El Chapo)を捕らえた「ソースフェド」のテキスト重視のクリップや、オレゴン州の政府施設を占拠したミリシア(正規軍人ではない民間の武装組織)の男性たちを動画で説明したアニメーションなどがあげられる。

YouTubeは、ディスカバリー・デジタル・ネットワークスにとって最大の主戦場のままだが、アゼベド氏はより多くのリソースを1年前よりもFacebookに注いでいることを認める。

「Facebookは初期のYouTubeを感じさせる。多くの実験の余地があるからだ」とアゼベド氏。「現在、Facebookはオーディエンスの成長を促進させるプラットフォームとして活用している。Facebookのマネタイズとオーディエンスの成長次第で、YouTubeの競争相手になり得るかもしれない」。

Sahil Patel(原文 / 訳:南如水)
Image via YouTube”Nuclear Family”