「広告ベースのデジタルメディアは、収益に上限がある」:元BuzzFeedのジョン・スタインバーグ氏

ビジネスニュースの動画を提供する企業チェダー(Cheddar)は昨年、BuzzFeedの元エグゼクティブであるジョン・スタインバーグ氏によってローンチされた。そのとき彼は、広告には興味は無いと発言していた。GoogleやFacebookが、マーケットを根こそぎさらって行く様子を見た彼は、代わりにチェダーを介して、スリング(Sling)やプルート(Pluto)といった新しいデジタルビデオアグリゲーターからの配信手数料を集めることにフォーカスした。

しかし、それは上手く行かなかったと、米DIGIDAYのポッドキャストで、スタインバーグ氏は語った。

「新しい会社で学んだのは、我々のコンテンツが良いとFacebookを使って証明したけれど、(配信プラットフォームたちは)彼らのもつ小さなバンドルにコンテンツを入れたがった。しかも彼らは、それを広告主に売ることができるコンテンツだとは理解してなかった。そうなると、私は売ることができるプロダクトなんだと証明しなくてはいけなかった。私たちには若いオーディエンスがいて、彼らはこういったプロダクトに興味をもっていると。我々は在庫を売るだろう。手数料と引き換えに在庫のいくつかを提供する、ということが起きる」。

Facebookに警戒

チェダーは配信にFacebookを利用しているが、Facebookは大きなフォーカスではないとスタインバーグ氏は言う。むしろチェダーをTwitterのトップページに表示するという取引のおかげで、Twitterのほうが大きなオーディエンス源になっているという。

「私は地域性というのを信じている。我々のコンテンツが何か建物が爆発したり水着を来た人々と並んでFacebookに表示されても、そこで勝つことはできない。私たちが提供しているのは真面目なビジネスニュースだからだ。けれどブルームバーグやCNNに並べば、そこで勝つことはできるだろう。スーパーで野菜をお菓子コーナーに置くようなものだ。上手くいくわけがない」。

彼はさらに付け加えた。「Facebookでは苦戦している。大胆かつ予測できないアルゴリズムを相手にしないといけない。執着してしまわないように気をつけているんだ。リアルではないと理解している。ほかのよりリアルで良識があるプラットフォームに乗り換えようとしている。Facebook上で物事が激しく動いているとき、それはタトゥーを入れている女性だったり、何かが爆発していたり、人々が投票しているカウンターだったりする。私たちが行ったボブ・ケイシー上院議員とのライブインタビューは、そういった無茶苦茶な現象と競争することはできない。それに悔しがっても仕方がない」。

広告ベースのデジタルメディアには上限がある

多くの人々がメディアが広告だけによって支えられていることを嫌っている。GoogleとFacebookによって支配されているマーケットでは特にだ。たとえばニューヨーク・タイムズの最高収益責任者であるメレディス・レヴィーン氏は、すべてのパブリッシャーはニッチな広告プレイヤーに成り下がっていると言った。

スタインバーグ氏は「汗水たらして努力して、死にものぐるいで顧客のためにプロダクトを提供すれば、1億ドル(約100億円)レベルで利益を生むビジネスに到達することはできる。広告収入で10億ドル(約1000億円)に達することができるか? それはちょっと分からない。人の手が関わったプログラムを通して1億ドルレベルに到達すること、そしてそれまでには、コンテンツを人々に売るということができている、というのが希望だ」という。

プログラマティックは好きではない

スタインバーグ氏は、プログラマティック広告を積極的に批判しているひとりだ。前回米DIGIDAYのポッドキャストに登場してくれた際に彼は、プログラマティックを「ちゃんと取り組むのが不可能な広告」であると言った。それはいまでも変わっていない。

「最近でも、オモチャの大きな会社の最高マーケティング責任者としてマーケティング予算を検証していて、Google、Facebook、それからダイレクトなパブリッシャーサイトのいくつかでしか広告を出していない。プログラマティック広告は一切買わない」。

「GoogleとFacebookでスケールをカバーして、パブリッシャーのサイトでカスタマイズなことをする。パブリッシャーのサイトでやったことを拡張する形でGoogleとFacebookを扱う」。

チェダーはビジネスニュースから離れ過ぎてしまった

もはや最近では、誰でも食べ物やセレブリティに関するパブリッシャーになれるように思える。チェダーは最初はビジネスニュースにフォーカスしてはじまった。しかし、食べ物やほかの分野もチェダーライフで開拓した。それはステインバーグ氏によると間違いだったという。

「自分たちのレーンから大きく外れ過ぎた。我々のど真ん中をライフスタイルに寄せすぎたんだ。成果も良くなかった。とにかく上手く行かなかった。テクノロジー、メディア、イノベーション、ロケット、といったコンテンツに戻ればパフォーマンスが良くなった。だからライフスタイルは中止した。ブランドというのは伸び縮みするものだ。私は常にどれくらいの幅をもたせるべきかテストしている。間違ったことをすれば、引き戻ればいい」。

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Brian Morrissey (原文 / 訳:塚本 紺)