ハーストで「メディアコラボ」を推進する担当編集者の1日:「デジタルのフィードバックの早さが好き」

この3年間、コラボレーションはハースト(Hearst)のマントラのごとく唱えられてきた。デジタルメディアの規模拡大の必要に応えるべく、ハーストが所有するコスモポリタン(Cosmopolitan)やエスクァイア(Esquire)といった、お互いにライバル誌だと見なされてきた雑誌ブランド間でもコンテンツをシェアさせる必要が出てきたのである。

このミッションを担当しているひとりが、ホイットニー・ジョイナー氏だ。ハーストのデジタルメディアのシニアフィーチャーエディターとして彼女の仕事は、ハーストの17サイトにデジタルの特集記事を割り当てることだ。

そのため、ジョイナー氏はそれぞれのストーリーをどのサイトで配信するのが適切かを考える時間がたくさん必要となる。最終的には記事を掲載するかどうかは、各サイトの判断に委ねられる。サイトはタイトルや画像を調整するかもしれないが、記事内容はたいてい変えられることはない。特集記事はたいていの場合、3つから5つのサイトで掲載される。記事本文で彼女は里親制度に関する記事について語っている。大学生というトピックと感情を揺さぶる内容は、コスモ(Cosmo)とセブンティーン(Seventeen)にはピッタリだし、家族をテーマにした内容は、レッドブック(Redbook)にも適している。

ハーストの女性を中心に据えたメディアポートフォリオには、コラボレーションの機会がたくさんあるが、例外も存在する。「フィリピンの交通事情についての記事をポピュラー・メカニックス(Popular Mechanics)でパブリッシュしたが、あれはハーストのほかのどのブランドにも適さないだろう」と、ジョイナー氏は言う。以下は彼女の1日の流れだ。読みやすさのため若干の編集を加えている。

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06:15 am 目覚ましアラームのスヌーズ機能を押したあと、ようやく起きる。メールとニュース(もっぱらニュースレター経由)をチェックして10分から30分間瞑想をする。私はチベット仏教を15年間実践してきたけれど、私の先生は一貫性を強調する人だ。たとえば、(瞑想が)5分なのか1時間なのかは、毎日行うことよりは重要ではない。

07:00 am 友人のデヴと4月にパリマラソンを走ることになっているので、週に数回と週末に一緒にトレーニングをしてる。彼は仕事でアリゾナにいるので、今朝はハリウッドの歴史を教えてくれるポッドキャスト「ユーマストリメンバー(You Must Remember)」を聞きながらトレーニングをした。マラソンを自分がまさか走るなんて思ってもなかった。私はヨガ、ハイキングタイプの人間だから。

09:30 am MTA(NYの地下鉄)がどれだけ全部の駅でWiFiが使えると言おうが、通勤中にeメールを送るには、まだまだ十分じゃない。なので、この時間はいつもは本を読んだり、アプリ「ポケット(Pocket)」を使って、記事を読んだりする(私はポケットに貯めた特集記事を少なくとも3つは読もうとしている)。

10:15 am 2月1日に私はコスモポリタンでサラ・エリザベス・リチャーズによる大きめの特集記事をパブリッシュした。これは経済困難レポーティングプロジェクト(Economic Hardship Reporting Project)のサポートによるもので、里親制度によって兄弟姉妹と離れ離れにされてしまう子どもたちについての記事。セブンティーンやレッドブックといった、ほかのいくつかのブランドも、Cosmopolitan.comで最初に掲載されたあとに、その記事をシェアした。なので仕事場に着くと、記事の全社的なパフォーマンスについてチェックをする。デジタルで即フィードバックが得られるのはすごく好き。どんな瞬間でも、記事がどんなパフォーマンスを見せているか確認できるから。

11:00 am エイダ・カルホーンのエッセイは素晴らしいと思う。今日はそんな面白くて思慮深いエイダの子供時代についてのエッセイをElle.comでパブリッシュするので、すごくワクワクしている。今回のエッセイでは彼女が子供時代に抱いていた、ニューヨーク北部のポコノス(リゾート地)のロマンチックなホテルに対する憧れについて綴ってくれている。そして大人になってから夫とはじめて訪れたときに何が起きたかについても。トップのアートは超70年代な夫婦の写真、ホテルのハートの形をしたバスタブでキスをしているもの。あまりにおかしくって見るたびに笑ってしまう。

11:15 am 下まで降りてハーストのカフェテリアにいく。そこでクリスティン・コックとミーティング。彼女はSeventeen.comの新しいサイト・ディレクター。セブンティーンのエディターを私も経験したことがあるので、あのオーディエンスにはいつも懐かしい気持ちがある。クリスティンがやりたいと思っている大きな特集記事で、私が手伝えそうなものについて話したり、彼女にとって、どのようなトピックがパフォーマンスを伸ばすかについて話す。

11:45 am ミーティングの合間に、私は最近のストーリーの請求書を送り、新しい契約書をアップロードする。以前はフリーランスのライターだったこともあって、いまでもすぐに請求書を送ることに関しては厳しくしてる。また週末に考えたストーリーについての長いeメールを上司のブルック・シーゲル(HMDMエディトリアル戦略のエグゼクティブディレクター)に送る。そのアイデアについてメールのやり取りをする。

00:30 pm ニック・ニューベック(HMDMのクリエイティブディレクター)とミーティング。今後数カ月にパブリッシュされるストーリーと、それぞれのアートについて議論する。いまのところだいたい18くらいを割り当てた。Esquire.com、MarieClaire.comからTownandCountrymag.comまで色々だ。ストラクチャーも狙いもそれぞれ違っている。調査的なストーリーだったり、歴史を口述してもらうものだったり、個人的なエッセイだったり、流行だったりといろいろなので、アートも大きく違ってくる。

01:15 pm HMDMのエンターテイメントディレクターであるノージャン・アミノシャレイとハーストのカフェテリアでランチ。ノージャンもまた私同様、HMDMのブランド全体と関わっている。一緒に取り組んでいる特集を確認するためのミーティングだ。MarieClaire.com、Elle.com、HarpersBazaar.comのセレブ紹介特集。

02:00 pm いつも午後は、建物の3階にあるラウンジで編集をする。スマホで1時間か90分のタイマーをセットして、アンビエント音楽の集中するのに良いSpotifyのプレイリストを再生する(今日聞いてるのはちょっとダサいかもしれないけど、「勉強のバイブ」と呼ばれるプレイリスト)。今日編集してるのはElle.comの特集記事だ。レニー・レター(オンライン・ニュースレター)とコラボレーションしている、あまり語られてこなかった文学の歴史の一側面についての記事になっている。

04:00 pm HarpersBazaar.comのサイトディレクターであるジョイアン・キングと、特集エディターのオリビア・フレミングと一緒にミーティング。議題は長い時間をかけて制作する特集だ。これから数週間にかけて彼らに担当してもらうふたつのストーリーが私の方であるのと、オリビアは彼女のアイデアに良さそうなライターが誰か、ブレインストーミングをしたいようだ。自分の特集記事を編集するときは編集のあと、各ブランドとコラボレーションとなる。その次にこういったブレインストーミングをするのが仕事のなかでも好きな部分だ。誰に何を書くよう頼めるか。アイデアがちゃんとコンテンツになるかどうか。そして、どうやったらベストな完成品となるのか。

04:45 – 06:45 pm 編集が停滞してしまう。アビゲイル・ペスタによる、談話をもとに人物の体験について書かれたインスピレーションの湧くコンテンツの編集中にこのブロックが来てしまう。アビゲイル・ペスタは一人称のコンテンツが天才的に上手い。そんななか、尊敬している友人のライターがeメールをしてくる。Elle.comに載ったエイダのエッセイを読んで、アイデアがあるという話だ。

06:45-09:45 pm ポットラック・パーティに向かう。ハーストの仕事に戻ってくる前、私はテキサスのメキシコ国境近くにある小さい街マーファに何年も過ごした。私の友だちのサンドラとハムは私たちのようになぜかニューヨークにたどり着いてしまった人を集めて、離散者(ディアスポラ)のパーティをしている。

10:30 pm ブルックリンに戻って、西海岸にいる友人のアンディに電話する。彼からキューバで何をすべきかおすすめを聞く。今週末に親友でもありエディターとしても関わったことのあるライターの友人、ジェン・ドールと一緒にキューバに行くのだ。とにかく知り合い皆からレコメンデーションを集めている。現時点で私たちのキューバに関するGoogle.docは、情報でぎゅうぎゅうになっている。

Lucia Moses(原文 / 訳:塚本 紺)