「BuzzFeed U.K.」のソーシャルニュース編集者の1日:数十万視聴を稼ぐライブ動画の作り方

オーディエンス数が合計約150万のBuzzFeed U.K.。主力である米国のBuzzFeedと比べると、ソーシャルリーチの開きがかなりある。そんなBuzzFeed U.K.のオーディエンスとのエンゲージメントを、特にFacebookとTwitterで促進するのが、BuzzFeed U.K.のソーシャルニュース編集者であるアンディ・デンジャーフィールド氏の仕事だ。

いまは動画、とりわけライブが大きな注目を集めている。Facebookはニュースフィードでライブスストリーミング動画にもっとも力を入れており、パブリッシャーに試してもらうための奨励策を実施。不十分な場合には、一部のパブリッシャーに対してお金も払っているほどだ。

本記事では、デンジャーフィールド氏の協力を得て、彼が最近の金曜日をどのように過ごしたのか、詳細を語ってもらった。

06:00am 飼っているフレンチブルドッグから、「おはよう」代わりの熱烈な顔なめをされて目を覚ます。いつも、しばらくお腹をくすぐってやってから、iPhoneを手に取り、夜間のニュース速報をチェックする。

大きなニュースがあれば、BuzzFeed U.K.のTwitterとFacebookで記事をシェアする。

次に、昨夜スケジュールした投稿の、リーチ、コメント、シェアの状況を確かめる。一番良かったのは、テッド・クルーズ氏の人となりと、同氏に注目すべき理由を英国人向けに面白おかしく説明した記事だった。この記事は午前中にもう一度シェアしよう。

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「テッドの夜明け」と題されたBuzzFeedによる英国人向けの紹介記事

06:30am BBCラジオ4の「Today」で最新ニュースをチェックしながらシャワー。

07:45am コーヒーを淹れて飲み、シャツをアイロンがけし、犬にエサをやってから駅まで歩く。地下鉄に乗り、Wi-Fiを使ってスマホで話題となっている最新の記事を把握。さらに、競合他社が何を取り上げているかを確認する。

08:15am オックスフォード・サーカスにあるオフィスに到着。社内のメッセージングシステム「Slack(スラック)」で、記者がシェアした記事のアイデアをノートPCで読み、加えてこれから1時間ほどのあいだに流すツイートとFacebook投稿をスケジュールする。

09:00am 毎日のニュース会議の時間だ。前日に良かった記事について情報を共有し、新しいアイデアを提案する。僕がBuzzFeed U.K.に入ったのは数カ月前だが、まず驚かされたのはこの会社の強力なニュースチームだった。どの記者も毎日の朝の会議で専門知識と独創的なアイデアを披露し、そのどれもが感心するものばかりなのだ。

夜に大々的なFacebook Liveの予定があることをチームに伝える。うちのLGBT編集者のパトリックがロンドンのウェンブリー・アリーナで、ゲイであることを明らかにしているバンド「イヤーズ&イヤーズ」のフロントマン、オリー・アレクサンダー氏にインタビューするのだ。折しも今朝、イヤーズ&イヤーズは、この時代のもっとも重要なポップアーティストだとするNMEの記事が公開された。これはグッドタイミング!

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イヤーズ&イヤーズのインタビューに備えるLGBT記者のパトリック氏

10:30am 金曜日はオフィスでベーグルが無料で配布されるから、これが朝食になる。1時間ほど投稿をスケジュールしてから、今夜のFacebook Liveのために招集した4人チームで集まる。パトリックは質問で聞くかもしれない話題(政治とセクシャリティとメンタルヘルス、そしてバンドの成功)をひと通り説明。マットとローラは音声と照明の計画について語る。僕はソーシャル戦略を簡単に説明する(たとえば、今日は一日中、Facebook以外のソーシャルメディアでこのライブストリーミングを宣伝する。バンドにも宣伝してもらう。エンゲージメントが目的なのでファンに働き掛ける)。

11:00am 同僚のソーシャルメディア編集者であるマギー(ファン・エイジク)と僕は、編集長のジャニーヌ(ギブソン)と会議。Facebook Liveへのこれまでの進出状況を点検する。最初のライブストリーミングをやってからまだ1カ月たらずだが、それ以降、1日に1~2本のペースで試してきた。ルパート・マードック氏の結婚式を式場の外から報じたり、うちの「Budget Live」やライブ番組「Music Breaks」を放送したりと、あらゆることを試してきた。

これまでにいくつもの大成功があった。テレビ記者がキッチンでスフレを焼くのに挑戦したライブは、約50万人が見てくれた。襲撃翌日のブリュッセルからの放送は、約28万人が生で視聴した。大半のテレビチャンネルが、その時間帯に集めている視聴者数を上回っている。

 

一方で、通常のFacebook動画ではないライブを実験することで、初期段階にはつきものの問題も経験した。4Gの電波が原因でダウンしたり、素晴らしいと思えたコンセプトが実際にはうまくいかなかったり。しかし、事実上まったく新しいこのプラットフォームでは、どんなことがうまくいくのかを、ひとつひとつの放送から学ぶことができている。

00:30pm 来週のFacebook Live記事について、一緒に取り組んでいる記者たちとSlackでチャット。物語のコンセプト、必要になるかもしれない小道具、ストリーミングするページ、ランディングページのコンテンツの候補などを検討。面白いものがたくさん進行している!

14:00pm U.S.チームが目を覚ますので、自分の机で昼食をとりつつGoogleチャット。LGBTのFacebookページを担当している編集者や音楽のFacebookページを担当している編集者と、今日のライブの計画について各ページでシェアしてもらえないか話をする。どちらもOK。上出来だ!

ライブ番組を宣伝するFacebookとTwitterの投稿を準備。ほかの記事の今日の残りの投稿をスケジュールする。

03:15pm ロンドン地下鉄でウェンブリーに向かう途中、もうすぐ始まるライブストリーミングについてイヤーズ&イヤーズがツイートしているのを見つける。@BuzzFeedでこれをリツイートする。

04:00pm ウェンブリーに到着。朝の6時から外で待ち続けている人もいる熱心なファンの行列を通過し、バンドのマネージャーに連れられてバックステージを通りインタビューを行う部屋へ。たっぷり時間があるのでBuzzFeedの装飾とイヤーズ&イヤーズのポスターで飾り付ける。スマートフォン、照明、音声の装置を設置して、Wi-Fiと無線マイクをテスト。順調だ。もうすぐライブストリーミングがはじまることをツイートする。

04:55pm 本日の主役であるオリーが加わる。元気いっぱいの様子で、帽子をあっさりとBuzzFeedの帽子にかぶりなおしてくれた。質問は幸先のいいスタートを切ったが、最後の最後でマイクのひとつがおかしくなった。幸いにもマットとローラは3分以内でこれを直す。

 

オリーはいちばん注目の男性や好きな食べ物といった話題から、身体の問題やHIVの予防薬といった真面目な問題まで、すべての質問に回答してくれた。

ライブストリーミングはFacebookのファンに受け入れられている。Facebookではファンたちが好意的なコメントをたくさん書き、質問している。それを大きなホワイトボードに殴り書きし、パトリックが読み上げてオリーに伝える。視聴者数は約10万で、満足できる数字だ。これをきっかけに「パトリックとソファーで語る」Facebook Liveをたくさんやりたい!

07:00pm ロンドン中心部に帰ってくる。仕事を離れてパブで今日の一杯だ!

Lucinda Southern(原文 / 訳:ガリレオ)