FBミッドロール広告、動画制作上で新たな課題:ユーザーの反発をどう避ける?

Facebookは、長らく待ち望まれていた動きを見せた。パブリッシャーがFacebookに投稿した動画の合間に広告を表示し、売上の55%をパブリッシャーに支払うとしたのだ。売上の55%というのは、YouTubeにおけるパブリッシャーの取り分と同じだ。

パブリッシャーは、Facebook動画をついに収益源にするチャンスだとして期待している。しかし、クリエイティブにおける課題も待ち受けている。

広告挿入のタイミング

バイラルサイト「リトル・シングス(LittleThings)」の創設者ジョー・スペイサー氏のようなパブリッシャーはすでに、長めのFacebook動画への投資拡大を検討している。Facebookは、90秒以上の動画に限り、20秒を過ぎてから広告が表示されると述べているが、同サイトのFacebook動画の平均的な長さは、60秒前後だからだ。

だが、動画の長さは問題の一部に過ぎない。動画制作者は、合間に広告が挟まれることを念頭に置いて、動画の編集について検討しなければならなくなる。下手をするとエンゲージメントの低下につながりかねない。

「ストーリー構成上でかなり重要な問題だ。何より避けたいのは、間違った場所に広告を入れて、バイラル性を台無しにすることだ」と、スペイサー氏は語る。

やりすぎると反発される

パブリッシャーは、Facebook動画の制作に多くの時間と資金を費やしてきた。しかしこれまでのところ、もっぱら視聴回数やシェアという形でしか報われず、マネタイゼーション不足がパブリッシャーにとって大きな不満の種になっている。Facebookは、動画への広告表示を制限付きで認めてきたが、ミッドロール広告は影響が非常に大きくなる可能性がある。動画に重点を置いたニュースフィードに表示されるからだ。

動画配信サービスを提供するブライトコーブ(BrightCove)の最高経営責任者(CEO)、デビッド・メンデルス氏は、パブリッシャーは動画で利益を上げようと苦心しているので、ミッドロール広告が導入されるのはうれしいという。だが、ほとんどのオンライン動画は、広告を挟んで視聴を続けてもらうには不十分な出来だと、同氏は語る。4分間の動画でも、視聴の途中離脱率は高い。

「やりすぎると、消費者の反発を食らう」とメンデルス氏は述べる。

テレビ放送は、視聴を続けさせる広告テクニックを十分に確立しているかもしれないが、そうしたテクニックはオンライン動画では一般的でない。

「『チャンネルはそのままで。CMの後に本編が始まります』といった類いの技術が動画に復活するのは確実だろう」。米新聞社ボストングローブ(The Boston Globe)のオーディエンス・エンゲージメント担当ディレクターを務めるマット・カロリアン氏はこう予測する。

エンゲージメント維持のために

広告を挟んで視聴を続けさせる手法があるのは確かだが、オンライン動画を提供するパブリッシャーのなかには、そうした手法を用いるのをためらうところもある。たとえば、バイラルメディアのアップワージー(Upworthy)は、広告を見てもらえる可能性を高めるために、視聴完了率が高い長めのフォーマットを優先する計画だ。ただし、視聴者が期待するようなミッション重視のコンテンツから乖離しないように気を配っている。

「(広告表示後も見てもらえるような)社会実験や暴露などを試すことができるだろう。だが、記事に役立つのでなければ、そうしたフォーマットで勝負するつもりはない。エンゲージメントが低下するなら、価値はない」とアップワージーのコンテンツ・コラボレーション担当バイスプレジデントであるニコール・キャリコ氏は言う。

オンライン動画は、最適な長さや、広告の表示頻度の最良事例も確立されていないので、パブリッシャーはA/Bテストを数多く行うことで、「広告を挟んでエンゲージメントを維持するのに何が役立つか」を把握する必要があると、ブライトコーブのメンデルス氏は指摘する。さらに、エンゲージメントの低下と収益の増加を天秤に掛けなくてはならない、と同氏は付け加えた。「パブリッシャーにもっと利益を上げさせる必要がある」。

Lucia Moses(原文 / 訳:ガリレオ)
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