ベゾス率いる「ワシントンポスト」、ビジター数で「NYタイムズ」を抜く

2015年10月、「ワシントン・ポスト」のWebサイトへの訪問者数が、はじめて「ニューヨーク・タイムズ」を上回った。老舗紙同士のオンライン上の支配権をめぐる争いにおいて、重要な節目となる。

ネット調査企業コムスコア(comScore)の集計によると、「ワシントン・ポスト」は先月、自社サイトと各プラットフォームを合算したユニークビジター数で6690万人をかき集め、「ニューヨーク・タイムズ」の6580万人を僅差で上回った。この数字は「ワシントン・ポスト」にとって最高記録となる。前年同月比で少なくとも59%伸ばした。

一方の「ニューヨーク・タイムズ」は、2015年9月から微減し、ビジター数は6580万人。過去2年で、トラフィックは全般的に停滞傾向にあるが、同紙にとっては2番目に多い記録だった。映画監督のミランダ・ジュライ氏によるモデルのリアーナ氏へのインタビュー記事が拡散されたのと、長編特集「ジョージ・ベルの孤独な死」などが、その好数字を支えた。

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ベソス氏に後押しされた結果か

2015年8月に配信された新興ニュースサイト「ポリティコ」の記事によると、「ニューヨーク・タイムズ」は「ワシントン・ポスト」のデジタルにおける勢いを危惧していたという。「ワシントン・ポスト」はWebサイトのロード時間を迅速化し、SNS拡散に力を注いだブログが成長を後押ししていた。

これらの施策はAmazon最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏が「ワシントン・ポスト」を2億5000万ドル(約300億円)で買収した、2013年から加速したといわれる。ベゾス体制下では、デジタルニュース部門の部長ポストに38歳のコリー・ハイク氏を起用するだけでなく、グローバル展開、ブランデッド・コンテンツの拡大、イベントの拡充も重視してきた。

この勢いは、いつまで続く?

「ニューヨーク・タイムズ」は、その対策として、いくつかのコンテンツでソーシャル拡散を意図的に計画。2015年10月には、「エクスプレス」と呼ばれる、紙媒体のコンテンツをデジタル用にリライトする専門チームを編成し、さらなる成長をはかっている。

先述の「ポリティコ」の記事では、3カ月前に「ワシントン・ポスト」に対して「『ニューヨーク・タイムズ』をユニークビジター数で、来年(2016年)には追い抜くか?」と質問。その答えはイエスだった(しかも、こんなにも早く!)。追い抜いたいまとなっては、質問はこう変わる。「このリードは、今後も保たれるか?」。

Jordan Valinsky(原文 / 訳:南如水)
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