BuzzFeed コマース収益に本腰、いまや専門ライターは19人

BuzzFeedは、コマースによる収益の増加に取り組んでいる。そしてその結果、通常のパブリッシャーが行っているような手法で、コマース収益を追求することを開始した。それは検索を使ったアプローチだ。

ユーザーたちのアイデンティティごとに特化した、コマース目的のリスティクル(リスト記事)を2年ほど試したあと、現時点でBuzzFeedは19人編成のチームがコマース関連のポストをフルタイムで行っている。コマース目的のリスティクルとは、たとえば「汚い言葉を使うのが大好きな人へ贈るのにクソ最適な39のプレゼント」や「数学や科学のオタクだけが理解してくれる27のプレゼント」といったものだ。このチームはBuzzFeedのエディトリアルオペレーションの一部となっている。

アイデンティティごとに狙いを定めた記事は、BuzzFeedのメインアイテムのひとつとなっているが、このチームは検索を中心に据えたコンテンツを試しはじめた。BuzzFeedのサイト上だけでなく、GoogleやAmazonといったプラットフォーム上で人々が何を検索しているか、ということに反応するように記事を構成しているのだ。これに加えてスキムリンクス(Skimlinks)が集めた売上データも活用している。

検索とSEOにフォーカスを据えた戦略はホリデーシーズンに大きな役割を担うだろう。BuzzFeedはパブリッシャーとしてだけではなく、販売者としての信頼も勝ち取ろうとしているからだ。

検索へのフォーカス

「我々の今年最大の変更は、検索へフォーカスを増したことだ。何が欲しいかちゃんと分かっていて、パーフェクトなプロダクトを見つけようとしている人々にリーチしようとしている」と、BuzzFeedマーケット(Market)のディレクターであるジェシカ・プロバス氏は言う。

デジタルネイティブなパブリッシャーのなかでも、ギズモード(Gizmodo)やビジネスインサイダー(Business Insider)のコマースコンテンツチームと比べるとBuzzFeedのコマースライターのチームは格段に大きい。これらのライターが作ったコンテンツはすべて、BuzzFeedショッピング(Shopping)というBuzzFeedの1セクションに載せられる。しかし、BuzzFeedのほかのコンテンツと同様に、テイスティ(Tasty)やニフティ(Nifty)といった同社のバーティカルサイトや、コマースにフォーカスをあてたBuzzFeedバイミーザット(BuzzFeed Buy Me That)といったFacebookページなどに配信される。バイミーザットは53万のファンがついている。

数名のスタッフと協力してプロバス氏が設定するエディトリアルカレンダーは、約1カ月先までとなっている。しかし、トレンドの変化やプロダクトの在庫などに対応して直前で変更することもある。

コマースチームの歩み

BuzzFeedのコマース中心のコンテンツは2015年にはじまった。最初はアイデンティティごとに特化した、プレゼントガイドであった。主にプロダクトをリストアップし、アフィリエイトリンクを埋め込んだものだ。しかし、規模が大きくなるにつれてコマースチームは、動きの早い検索とリテールの流行に合わせたポストに、よりリソースを割くようになった。

時間が経っても人々に読まれるというようなコンテンツがないなかで、ほかのアイデンティティごとに特化したコンテンツのパフォーマンス情報をBuzzFeedは活用した。また、どのリテーラーの売上コンバージョンが良いかという情報も活用して、初期のコマース向けのコンテンツは形作られた。

ショッピングのチームが成長するにつれて、アイデンティティコンテンツのアーカイブも大きくなった。具体的な数字は避けたものの、ギフトガイドは数百ものコンテンツが作られたとプロバス氏は言う。そして、チームはオーディエンスの検索ワードに直接対応するようなコンテンツへと取り組みはじめた。

とても自然な成り行き

2017年のホリデーシーズンに向けてローンチされたギフトガイドのページも、検索データを参考にしてデザインされた。これまでのアーカイブを18の異なるカテゴリーに分けたのだ。それは「25ドル以下」といった値段によるものや、「永遠の親友」といったギフトの受取人に応じたものだ。

検索を中心に据えた戦略へのシフトは、ほかのコマースに取り組むパブリッシャーの方向とも重なっている。アフィリエイトの手数料による収益を稼ぐことを真剣に考えているパブリッシャーにとっては自然な成り行きだ。

ソーシャルからのトラフィックと検索というふたつの流れについて、コロンビアビジネススクールの准教授であり、コンサルティング企業クアンタムメディア(Quantum Media)のプリンシパルであるエイヴァ・シーヴ氏は言う。「どちらかにしか取り組まない、と決めてしまうのは合理的ではない。売るのに十分なものを持っているのであれば、両方を活用する方が理に適っている」。

検索中心のポストを加えることでリーダーたちが何を買いたいと思っているのか、についてのシグナルが新しく入ってくることになる。BuzzFeedプロダクトラボ(BuzzFeed Product Labs)では、プロダクト開発にこの情報が活用されている。プロダクトラボが最近開発したふたつのプロダクト、クッキング器具「テイスティワントップ(Tasty One Top)」とカードゲーム「ソーシャルサボタージュ(Social Sabotage)」はそうやって開発された。「フィードバックのループを作ろうとしている」とプロバス氏は語った。

Max Willens(原文 / 訳:塚本 紺)