BuzzFeedは いかにデータドリブンな組織を作ったか?

データドリブンで仕事をしているというパブリッシャーは、たくさん存在する。しかし、BuzzFeedではスタッフなら誰でも、コンテンツ配信に利用しているさまざまなプラットフォームやシンジケーションパートナーから集めた膨大な量のデータを検索でき、社員の約半数は毎月何かしらのデータを取り出している。

BuzzFeedの社員たちがデータサイエンスチームに頼らなくてもデータにアクセスできるのは、およそ1年に渡るツール開発プロセスの結果だ。BuzzFeedの上級データサイエンティスト、ライル・スミス氏は「多くの組織は、データチームがデータを管理するという考えで動いている。だが、このツールによって我々はデータの利用を民主化できた」と語る。

小規模なデータサイエンスチームがコンテンツや広告のパフォーマンスについての情報を集め、インサイトを求めるさまざまな部署からのリクエストに対応するというやり方をとるパブリッシャーが増えている。そうして得られたインサイトは、人気クイズを動画シリーズに仕立てたり、新たなブランデッドコンテンツを公開したりと、何にでも活用が可能だ。なので、そうした情報へのリクエストは、編集者はもちろん、顧客サービスマネージャーや製品チームのリーダーまで、あらゆるところから寄せられる。この状況は、デジタルパブリッシャーのあいだでデータチームの強化が進んでいる大きな理由にもなっている。

フィードバックループが重要

だが、BuzzFeedの場合は少し違う。「ルッカー(Looker)」というデータ管理プラットフォーム(DMP)のおかげで、種類の異なるデータソースを検索する際に必要になるSQLのようなプログラミング言語に精通していなくても、社内にいる誰もがコンテンツパフォーマンスに関するデータを集められる。ユーザーが複数のプラットフォームからのデータを一度に見られるようにしたインターフェースもある。

ルッカーへ移行してからというもの、リクエストに対応して処理を行う責任を負っていたスミス氏のチームは、たとえば投稿記事のサムネイル画像を最適化する機械学習ツールや、BuzzFeedの海外担当部署にいる編集者に他国でトレンドになっているコンテンツを通知するSlackのボットなど、編集作業のほかの部分を手助けするツールの開発により多くの時間と労力をつぎ込めるようになった。さらに、編集者はたくさんの検索を頻繁に行うようになり、そのおかげで、チーズを引き裂く動画に追いかける価値があることがわかった。

BuzzFeedは、分散型メディア戦略をいち早く採用することで大きな足跡を残してきた。データ活用に対する同社のコミットメントは、動画戦略やヘッドラインから同社がブランデッドコンテンツとして広告業者に提供するコンテンツのフォーマットまで、BuzzFeedの業務のあらゆる領域に行き渡っている。「この会社でクリエイティブな作業に関わる人たちがやることはすべて、フィードバックループに基づいている」とスミス氏は言う。

ツール内製化のメリット

BuzzFeedが最近特に時間をかけているのは、全社員にとってデータのさらなる活用を容易に、いっそう価値あるものにする方法を考えることだ。同社のデータサイエンス部門責任者に新たに就任したギラッド・ロタン氏によると、BuzzFeedはこれまでに20以上の社内向けツールを作り、さまざまな部署の人間がこれらを使って同社の集めたデータを検索できるようにしているという。これらのツールは、コンテンツのパフォーマンス解析だけでなく、商取引のような分野でも利用されている。ここは同社が一層真剣に参入しようとしている分野だ。

「データが入手できなかったわけではない。参入するのに技術的障壁があったということだ」とスミス氏は説明する。

Max Willens(原文 / 訳:ガリレオ)