CMOをはじめて採用した、ブリーチャー・レポートの狙い:コンデナスト出身のベテランを獲得

コンデナスト(Condé Nast)のベテラン出版人ハワード・ミットマン氏が、ブリーチャー・リポート(Bleacher Report)の最高売上責任者に就任した。ミットマン氏はまた、ブリーチャー・レポート初の最高マーケティング責任者も兼任している。ソーシャルメディアにおいてブリーチャー・レポートは躍進している。彼らの高品質なコンテンツを、ソーシャルメディアで全面的にプロモーションすることで、大幅に拡大しようとする狙いだ。

44歳のミットマン氏は数週間前に12年間勤めたコンデナストを辞めた。GQやゴルフ・ダイジェスト(Golf Digest)、そしてワイヤード・メディア・グループ(Wired Media Group)といったメディアを統括する最高ビジネス責任者が直近の役職だった。

ブリーチャー・レポートでふたつの役職を兼任するのは、彼がはじめてである。前の最高売上責任者であったリッチ・カラッチ氏が辞めたのはこの四月のことだ。ミットマン氏は8月14日から勤務を開始し、直属の上司はファウンダーであり最高経営責任者であるデイブ・フィノッチオ氏となる。

ミットマン氏のミッション

ブリーチャー・レポートの起源は、ユーザー発信の寄稿ベースだったが、今回のミットマン氏の採用で、そこからシフトすることを示唆している。若い男性のスポーツファンというオーディエンスにおけるロイヤリティを構築し、より高品質なオリジナル動画や記事に投資していく狙いだ。

ハワード・ミットマン氏

ハワード・ミットマン氏

ターナー社(Turner)が所有しているブリーチャー・レポート。若いオーディエンスがテレビや雑誌をそれほど消費しなくなっていることを、彼らはオーディエンス拡大のチャンスと捉えている。大手スポーツパブリッシャーたちが変遷期を迎えていることも追い風となった。

ESPNは定期購読者の数を減らしており、FOXスポーツはビデオへとフォーカスを移すなかで、ライターたちを解雇している。スポーツイラストレイテッド(Sports Illustrated)は、親会社タイム社(Time Inc)の継続的なコスト削減の一環として5人のスタッフを解雇した。

「スポーツ業界が変化の時を迎え、これまで以上にオープンになるなか、大きな資金を持つデジタルオンリーのメディアを運営し、形作るという機会は私にとって興味深い」と、ミットマン氏は語る。

ミレニアル世代攻略の糸口

若いオーディエンスがスポーツ関連のコンテンツを消費するスピードは非常に早い。それに対応する形でブリーチャー・レポートはカルチャー要素も交えたスポーツコンテンツをソーシャルメディア上で素早く提供し、巨大なオーディエンスを獲得してきた。

6月のFacebook、インスタグラム、Twitter上のインタラクション数は9740万だった。これは前年比200%であり、パブリッシャー業界ではナショナルジオグラフィック(National Geographic)に次いで二番手となっている。ほかのスポーツパブリッシャーを抜いて先頭に立っている形だ。数字はブリーチャー・レポートが引用しているクラウドタングル(CrowdTangle)のものだ。

ブリーチャー・レポートは2年前にインスタグラムのアカウント「ハウス・オブ・ハイライツ(House of Highlights)」を買収している。このアカウントはスポーツ/カルチャー関連の投稿で多くのシェアを稼いでいる。これを活用することも、ミットマン氏のゴールのひとつとなっている。インスタグラム上ではハウス・オブ・ハイライツは650万人のフォロワーを抱えており、ブリーチャー・レポートの500万人よりも多い。

「ブリーチャー・レポートはテレビを見なくなったオーディエンスの行動を変えようとはしていない。これは多くのメディアと違う点だ」と、ミットマン氏は語る。「我々にとっての課題はオーディエンスとつながれる糸口を見つけること、ミレニアル世代に長く響くポイントを見つけることだ。ミレニアル世代はそれより上の世代よりも、ブランドに対する考えが固定的では無く、ロイヤルだ」

Lucia Moses(原文 / 訳:塚本 紺)