スナチャ「ライブストーリー」、広告主の態度は冷ややか:閲覧者数は1年以上横ばい

閲覧者数が伸び悩んでいるため、メディアバイヤーはSnapchat(スナップチャット)の「ライブストーリー(Live Stories)」に消極的な態度を見せている。

「ライブストーリー」は「ディスカバー(Discover)」とともに、Snapchatアプリに搭載された2つのメディア主導型機能のひとつだ。「ストーリー(Stories)」ページの「ディスカバー」や「ライブストーリー」は、米バスケットボールNBAの大事な試合やイラクのモスルで続く戦闘など、ありとあらゆるイベントやトピックに関してまとめられたコンテンツを配信している。コンテンツには、ユーザーが撮影した写真や動画のほか、利用できる場合はイベント主催者が撮影したものも含まれる。

しかし、「ライブストーリー」の閲覧者数は、1年以上にわたって、良くて横ばいの状態が続いている。2015年6月には、Snapchatの幹部がリコード(Recode)のインタビューで、「ライブストーリー」の24時間あたりの閲覧者数が平均2000万人だと語った。2016年には、同社は広告主に「ライブストーリー」の1日あたりの閲覧者数が平均1000万~2000万人だと説明し、複数のバイヤーも、「ライブストーリー」の1日の閲覧者数がおおむね減少してきたことを確認している。

Snapchatが「ライブストーリー」と「ディスカバー」のコンテンツを「ストーリー」ページの下部へ移してからは、なおさらだという。同様に、「ディスカバー」の参加パブリッシャーの一部も、Snapchatが10月にこうした変更を行ってから、閲覧者数が減少している

ケーキの表面にある砂糖

こうしたなか、Snapchatの複数の広告主は、現在は「ライブストーリー」を優先していないと述べる。あるエージェンシーのバイヤーは匿名で、顧客がブランドごとに掲載している「ライブストーリー」広告は年間1~4本ではないかと語った。別のエージェンシーは、最近は「ライブストーリー」であまり買い入れていないという。

「機会があるときに使うくらいで、戦略の柱とはいえない――いわば、ケーキの表面にある砂糖だ。だが、ここでいうケーキはやはり、プラットフォーム全体におけるユーザーの『ストーリー』と動画のリーチだ」と世界有数の広告代理店グループWPPの傘下にあるエージェンシー、マインドシェア(Mindshare)のデジタル担当マネージングディレクターであるマイク・マクローリン氏は述べている。

実際、ユーザーの「ストーリー」や「スポンサードレンズ(Sponsored Lenses)」、ジオフィルターに出稿する広告の方が広告主には人気がある。以前報じたように、そうしたメニューは広告料金が高く、スポンサードレンズは75万ドル(約8800万円)超、ビッグイベントの1日に限り有効なスポンサードレンズの場合、400万ドル(約4億7000万円)もする場合がある。一方で、「ライブストーリー」の料金は、イベントやトピックによって異なるが、あるバイヤーは、最近は1回の「ライブストーリー」――3本の広告――獲得に25万ドル(約3000万円)かかると述べている。

Snapchat広告自体は好調

「人々と短時間で会話できるというのがSnapchatの主要な機能だ。ユーザーは、必ずしも娯楽を求めて利用しているとは限らない。将来的にも、娯楽がSnapchatを利用する主な理由になるとは思わない」と、動画制作会社メディア・ストーム(Media Storm)の最高デジタル責任者(CDO)を務めるチャーリー・フィオダリス氏は指摘する。

しかし、「ライブストーリー」への無関心は、Snapchatプラットフォーム全体には広がっておらず、視聴調査会社eマーケター(eMarketer)の予測によると、Snapchatプラットフォームの広告収入は、今年の3億6670万ドル(約430億円)から2017年には9億3550万ドル(約1100億円)に増加する見込みだという。

たとえば、メディア・ストームは、この半年間にSnapchatで展開した広告キャンペーン数がその前の半年間の2倍だった。メディアプランニング/バイイング企業ホライゾン・メディア(Horizon Media)は、「ライブストーリー」ではなく、ソーシャルメディア界のスターを起用したSnapchat向けコンテンツの制作により大きな重点を置いている。

「広告製品以外のSnapchatの利用方法に関して、デジタルプランナーと顧客から非常に多くの要求が寄せられている」とホライゾン・メディアのソーシャルストラテジーおよびインフルエンス担当責任者のセ・チョウ氏はいう。ターゲティングと広告主に対するレポートのデータ量が限られていることに対して、いささか不満があったと、同氏は認めている。

もはや実験段階とはいえない

Snapchatが予算のなかで「試験的な」位置にとどまり続けるという考えには、複数のメディアバイヤーが異を唱えている。

「Snapchatについては、新しいものは実験すべきという要素が常にある。だが、現実にはもはや、シンプルで輝かしいものではなく、その費用はテスト用の予算を超えてしまうこともある」と、マクローリン氏はいう。

だが、全員がそうした意見に賛成しているわけではない。あるエージェンシーの幹部は、自社の収支計算全体では、顧客がSnapchatで毎年ひとつかふたつの大がかりなキャンペーンに30万~50万ドル(約3500万〜5800万円)の出資を検討していると述べている。「安定したROI(投資収益率)に必ずつながる明らかな道筋がなく、十分な規模もなければ、実験の域を出ることはない。その両方、またはどちらか一方の条件が変わるまで、マネタイズはできない」と、幹部は語った。

本記事の詳細は、サヒール・パテルとブライアン・モリッシーの「DIGIDAYディープ・ダイブ(Digiday Deep Dive:上記ラジオプログラム)」に公開してある。

Sahil Patel(原文 / 訳:ガリレオ)