米大統領選で花開く、ライブストリーミングの時代:党大会のFBライブ動画が1000万ビュー突破

Facebookは2016年米大統領選挙の党大会で、ライブ中継を行うという新しいチャレンジに挑戦した。党大会の全期間を通じてライブ配信を行った、FacebookのオフィシャルパートナーであるABCニュースに関していえば、この試みは成功したようだ。

クリーブランドでの共和党大会が開催された週、ABCニュースは二大政党の全国大会実況中継で、Facebookと独占的なパートナーシップを結ぶ旨を発表。4日間に渡るドナルド・トランプ候補指名受諾の一部始終をカバーしたライブ配信で、合計1150万ビューを達成した。

共和党全国大会の会期中、ABCニュースは合計で50回以上のライブ中継を行い、35時間以上に渡るライブコンテンツがクリーブランドから配信された。

テレビと異なるアプローチ

ABCニュースによると、ピーク時には、ABCニュースのFacebookライブ動画配信は2万件以上のビューを記録したという。ライブ視聴者数を見ると、ABCニュースの数値はほかのデジタルパブリッシャーに比べ高くなっているが、これは党大会の注目度による部分が大きいだろう(もちろん、この数字はプライムタイムのテレビほど大きくはない。テレビ放送では、すべてのネットワークで合計2000万の視聴者を得ており、ABCは毎晩10時の放送で200万の視聴者数を記録している)。

ABCニュースによるFacebookライブ動画の配信アプローチは、毎晩のニュースで1時間にわたり1日のトップニュースとハイライトを振り返る、テレビ版の配信アプローチとは異なっている。Facebookライブ動画では、登壇者のスピーチなど、クリーブランドでの詳細な実況レポートに焦点を置き、ABCニューススタッフのコメントや党大会周辺の状況なども混じえて報道した。

「ABCの強みは優れたインフラがあることであり、大きなニュースはすべてカバーできる」と、ABCニュースで全世界のソーシャルメディアを統括するダン・リンデン氏。「このインフラは、Facebookのライブ動画はじめ、ライブ動画全般において大きな役割を果たしている。従来型報道の補完的な仕事はもちろん、ソーシャルにしかできないこともやってみたい」。

ライブの醍醐味は舞台裏

たとえば、共和党全国大会最終日の夜に配信された、最初のABCニュースのFacebookライブ動画を見てみよう。ABCワールドニュースのアンカーであるデビッド・ミュアが、党大会会場のクイックン・ローンズ・アリーナを歩きながら、現場の雰囲気をレポートしている。ABCニュースのライブ動画ホスト用に設置された観覧席に向かいながら、出席者にインタビューしたり、ABCニュースの臨時特設スタジオに立ち寄る様子も映し出されている。

「ライブストリーミングでは、小さい単位の番組ブロックを気にしなくていいため、よりクリエイティブにいける」と、ABCニュースデジタルのエグゼクティブ・プロデューサーであるダン・シルバー氏は述べている。

大きなイベントの舞台裏も、Facebookライブ動画では不可欠な材料のひとつであり、特に大統領選挙戦党大会の現場を取材するニュースメディアにとって、なくてはならない要素になっている。Facebookは独自のライブ動画ラウンジを共和党大会会場に設置。次の民主党大会でも同様に、BuzzFeedからCNNまでメディアが立ち寄り、ライブ中継ができるラウンジを設けたという。

ライブストリーミングの時代

ABCニュースでは、Facebookと自社プラットフォームの両方でライブ動画の優先度が高くなっており、同社のサイトとアプリは同時に8件のライブ配信を提供している。いまや記者たちはABCニューススタジオへ直接ライブフィードを送信できるアプリを携帯しており、スタジオがストリームをどこで配信するか決められるようになっている。

「いまはライブストリーミングの時代だ。特に今年の選挙では、Facebookは重要な配信プラットフォームとなっている」と、ABCニュースデジタルのコルビー・スミスVPは述べた。

Sahil Patel (原文:訳 / 片岡直子)
Image from PBS NewsHour