プログラマティック広告、世界の現状を示す5つのグラフ

プログラマティック広告は、バズワードのように業界へ深く浸透し、多くの予算を集めている。しかし、この分野が成長・拡大するにつれ、マーケターたちは不正行為、透明性および可視性の問題について、懸念するようになった。

今夏、マグナ・グローバル(Magna Global)が公開したある報告書によると、世界のプログラマティック市場は、2015年の142億ドル(約1兆440億円)から、2019年には368億ドル(約3兆730億円)に拡大するという。ニールセンマーケティングクラウド(Nielsen Marketing Cloud)のエグゼクティブバイスプレジデント、マーク・ザゴースキー氏は、自動取引のチャネルにこれほどの支出がなされてはいるが、我々はまだプログラマティックの「ほんのはじまり」を目にしているに過ぎないことをマーケターたちは自覚するべきだと、9月末に行われたアドバタイジング・ウイークのパネルディスカッションで語った。

いくつかの調査会社はここ数カ月のあいだにプログラマティックにおけるトレンドをまとめた報告を発表している。それら報告書の概要がわかる、5つのチャートを紹介する。

米において支出は増加する

米国におけるプログラマティック広告の支出は予測を超え続ける。4月、イー・マーケター(eMarketer)は米国でのプログラマティック・デジタルディスプレイ広告への支出が、今年221億ドル(約2兆240億円)に達するだろうと予測した。しかし、9月末に発表された最新のイー・マーケターによる報告では、いまや米国のプログラマティック広告は、年内に252億ドル(約2兆550億円)に向かう勢いだという。同社は、米国のプログラマティックへの支出は、2018年までに379億ドル(約3兆840億円)に達するだろうと予測した。

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海外でも軒並み支出が増加

プログラマティックの成長は米国市場に留まらない。マグナ・グローバルの報告書によると、プログラマティックは世界的に成長するという。同報告書は、多くの国々で2015年から2019年のあいだに、プログラマティックへの支出が2倍以上に成長するとしている。そして、プログラマティックへの支出が2015年の2億3900万ドル(約244億円)から8億9700万ドル(約917億円)への増加が予測されるブラジルのように、いくつかの国ではその数字は3倍に増加すると予想した。

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PCからモバイルに、バナーから動画へ

主にモバイルで成長が期待されている。マグナ・グローバルは、2019年までにモバイル向けにプログラマティック支出の半分が費やされ、2015年の28%から増えると予測している。そのけん引役になるのは、モバイル動画であり、広告支出がバナーから動画にシフトするに従い、2019年までにプログラマティック支出の28%を占めるようになるだろうと、マグナは予測する。

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不正への懸念が増加

プログラマティックバイイングが急増するにつれ、不正への懸念も増大している。9月末のアドバタイジング・ウイークのパネルディスカッションのなかで、リンクトイン(LinkedIn)のグローバルエージェンシーおよびパートナーシップ担当のマイク・ロモフ氏は、プログラマティックには依然として多くの問題があることを強調。「ボタンを押すだけで、簡単に操作できてしまう期待があったとは思うが、いまだに多くの技術的な問題を解決する必要がある」と、彼は言った。

ほかのパネリストは、スパムや不正を淘汰するために、独立した機関による測定の必要性を強調した。不正と戦うために広告主は「狐に鶏小屋の番をさせない」ようにしなければならないと、ザゴースキー氏は述べた。

今年はじめ、全米広告主協会とフォレスター(Forrester)による調査で、プログラマティックをめぐる問題のいくつかについて、マーケターたちはさらに心配を増していることが明らかにされている。ほぼ4分の3にあたる、69%の回答者が、「プログラマティックバイイングにおけるボット不正」が、自動取引による広告枠購入に対して重大な課題になると考えた。透明性や視認性についての疑問があるなしに関わらず、2014年時に比べて、2016年により多くの回答者が懸念を示している。

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不正への許容レベルが変化

9月に発表されたマーケターに関する「エクスチェンジワイヤー(ExchangeWire)」の調査では、プログラマティックへの信頼が若干低下していることが示された。調査では、マーケターの86%がプログラマティックは費用対効果が高いと自信をもっている。86%は高い信頼レベルではあるが、95%のマーケターがプログラマティックを信頼していると答えた、同サイトの2015年の報告からは減少している。

「エクスチェンジワイヤー」はまた、不正が許容できるレベルの閾値が、昨年には若干シフトしていることを明らかにした。2015年では最大おのおの10、15、20%の不正は許容できるとした回答者が合計23%だった。2016年ではその数値は30%になっている。

「不正の話になると、本当に興味深いのは、メディアの売り手と買い手の意見に差があるということだ」と、「エクスチェンジワイヤー」のリサーチアナリシス担当者、レベッカ・ミューア氏は語る。

メディアの売り手となる回答者の3分の1以上が、いかなる不正も認められないと考えていると述べる一方、この意見に賛同するメディアの買い手は回答者のわずか4分の1にすぎなかったと、ミューア氏が指摘する。それはつまり「メディアの売り手は、メディアの買い手と比べて、不正により大きな損失を被るからだ」と、同氏は語った。

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Ross Benes(原文 / 訳:Conyac
Photo from ThinkStock / Getty Images