22億視聴:NBCとBuzzFeed、五輪「スナチャ協業」の成果

リオ五輪に際してNBCユニバーサルは、BuzzFeedに自社のSnapchat(スナップチャット)アカウントの運営を委ねることにした。この戦略のおかげで、3500万のオーディエンスを獲得することができたという。

2週間に渡る会期中、コンテンツは次の2つの方法で配信された。1つは、ポップアップ(期間限定)のSnapchat「ディスカバー(Discover)」チャネル、そしてもう1つは毎日複数回更新されるライブストーリー(Live Stories)である。NBCユニバーサルの発表では、この2つを通じて、同社は合計22億の視聴回数と、2億3000万分の視聴時間を計測したのだそうだ。

NBCユニバーサルは今回、同社の「ディスカバー」チャンネルで、リオに招待した12名のBuzzFeedプロデューサーたちに、ほぼすべての編集権限を与えた(NBCユニバーサルは昨年、BuzzFeedに2億ドル[約214億円]を投資している)。「我々は毎朝、彼らと話し合い、新しい話題について、何に注目をするべきか、調整を図っていくことになるだろう。しかし、その日のエディションに関して、彼らの創造性を損なうようなことはしたくない」と、NBCスポーツグループのオペレーション戦略プレジデントであり、NBCオリンピックのプレジデントでもあるゲイリー・ゼンケル氏は述べた。

国際放送センター(IBC)にNBCユニバーサルとともに拠点を置き、リオ市内を移動するBuzzFeedチームは、各デイリーエディションに対し、最大20のコンテンツを制作。実際の競技に関する内容は非常にわずかであったが、その代わりにアスリートたちやリオの雰囲気に焦点を当てた。

BuzzFeed流の選手紹介

たとえば、マイケル・フェルプス選手が競技を終えた後、メディア対応のためにIBCを訪れる。これはメダルを獲得した米国オリンピック選手に決められたことだ。フェルプス選手は、一般メディアのインタビューを受ける一方で、BuzzFeedにも時間を取ってくれる。

そこで、BuzzFeedチームの4名のプロデューサーたちは、数分間に渡って、Snapchat用に彼の写真を撮影。その後、視聴者はSnapchat上で、フェルプス選手の顔が、幾人ものほかの有名オリンピック選手の顔と切り替わる様子を目にすることになる。

ほかにも、BuzzFeedが制作したリオ「ディスカバー」チャンネルのコンテンツには、熱い戦いを繰り広げる最中に垣間見せる、選手たちの面白い顔を紹介する動画や画像などもあった。「彼らは、我々がこれまでやってこなかったやり方で選手たちを紹介した。それは、Snapchatオーディエンスのためにデザインされたものだ」と、ゼンケル氏は語る。

Snapchatとも別途協業

「ディスカバー」チャネルの外では、NBCユニバーサルとSnapchatは、リオ五輪の毎日を追う5から7つのライブストーリーを共同で監督した。このコンテンツにBuzzFeedは絡んではおらず、その代わりに、NBCスポーツの10名からなるソーシャルメディアチーム、アスリート、セレブ、ソーシャルインフルエンサー、そしてリオの会場のファンたちまでもが起用された。

「我々は、こうした需要が存在するということを発見し、1日のうちに数本のライブストーリーを制作する意義を認めた。ビーチバレー単独でも、1つのライブストーリーを成り立たせることができるだろう」と、ゼンケル氏。

NBCユニバーサルとSnapchatは、ライブストーリーと「ディスカバー」チャネルで獲得したオーディエンス数、3500万の内訳を公表していない。しかし、今回の取り組みは、NBCユニバーサルにとって、ソーシャルメディアを最大限駆使したオリンピック報道になった。

Snapchatとの協業に加え、同社はまた、Facebook、インスタグラム、YouTubeと提携し、これらのプラットフォームであらゆる種類の動画クリップを公開。たとえばFacebook上では、160のライブ動画を含め、五輪期間中に約900の動画を公開した。これらは合計6億回以上視聴されたという。

ネットに視聴者は流れている

ソーシャルメディアがTV視聴率に貢献するのか、それとも害を及ぼすのかは答えが出ていない。2012年のロンドン五輪と比較すると、プライムタイムでTV視聴率は17%減少した。18から34歳の年齢層では、プライムタイムの視聴率は30%減少。その反面、Facebook、Snapchat、YouTubeなどでNBCオリンピックを視聴した3分の2が、35歳以下だったと同社は述べている。

NBCユニバーサルは、ソーシャルメディアの利用で、テレビコンテンツへの誘導に効果があったと主張。シェアラブレ(Shareablee)に委託されたある調査では、ソーシャルメディア上でのオリンピックハイライトを見たミレニアム世代の84%が、NBCのプライムタイム報道を視聴したことが明らかになっている。同社が、将来のオリンピック期間中にソーシャルプラットフォームを利用しなくなる可能性は低い。

「今回、何がうまくいったのかについて、我々は理解を深めることができた。これからこの経験を活かし、TV、モバイル、Webに加えて、ソーシャルメディアも広告メニューに加えていく予定だ」と、ゼンケル氏は語った。

Sahil Patel(原文 / 訳:Conyac
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