ベライゾン、米ヤフーの買収に意欲を示す:デジタル広告三強時代の幕開けか 

通信キャリア米最大手ベライゾンは2016年2月8日(米国時間)、米Yahooの一部または全部門の買収に意欲を示し、傘下AOLのティム・アームストロングCEOを買収事案の責任者に指名したと、ブルームバーグが報じた

先立つ6日、ベライゾンのローウェル・マカダムCEO(TOP画像)もテレビ出演時に、この取り引きについて興味があることを認めていた。ベライゾンがYahooのメディア・広告事業を取得すれば、Google、Facebookに続くデジタル広告の第3極となる可能性がある。他方、ディスプレイ広告市場が3社のゆるやかな寡占に向かう可能性も否定できない。

ブルームバーグによると、ベライゾンは動画、モバイル広告を新しい収益の柱にすることを目指しているという。AOLのユーザーとベライゾン契約者1億1200万人と、ヤフーのユーザー10億人以上が組み合わさり、相乗効果が得られるかもしれない。

ベライゾンは2015年6月に44億ドル(約5300億円)でAOLを買収。ベライゾンの抱える顧客データとAOLのオーディエンスデータを組み合わせることで、自動広告配信プラットフォームの「One by AOL」の競争力を高めようとしてきた。広告枠としてはAOLの運営する「TechCunch」「ハフィントンポスト」などの人気デジタル・メディアのほか、モバイル広告ネットワーク企業のミレニアルメディアの買収で自社メディア以外にも足を伸ばしている。

ベライゾンは保有する貴重な顧客データの利用を、自社内に留めはじめた、と2015年の秋ごろに報じられた。ベライゾンが1億数千万件もの豊かな顧客インサイトや顧客情報を、他社に確認できないブラックボックスのなかで活用することができる。特に広告主はベライゾンが取得できる位置情報に興味を示しているようだ。

GoogleとFacebookの通期決算からは、デジタル広告市場の寡占傾向が濃くなっている、とDIGIDAY[日本版]では伝えた。買収が実現すれば、デジタル広告業界の新たな波になることは間違いない。

Wtitten by 吉田拓史
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