Snapchatの360度動画広告、ユーザーの好反応に急増の予感:「スワイプ」が示す意図

大ヒットが予想されていた映画『フィフティ・シェイズ・ダーカー(Fifty Shades Darker)』は、2017年のバレンタインデーに劇場公開がはじまった。その際、配給元のユニバーサル・ピクチャーズ(Universal Pictures)は、仮面舞踏会のワンシーンにスポットを当てたトレイラーを360度動画で公開。ただし、この動画体験は、FacebookでもYouTubeでもなく、Snapchat(スナップチャット)上で公開された。

360度動画はFacebookやYouTubeでは、すでに一周した感がある。そんななかSnapchatは、プラットフォームが提供する機能というよりも、「ハック感」をより前面に打ち出した形で提供した。Snapchat上で、一番最初に360度動画広告をユーザーに届けたのはソニー・ピクチャーズ(Sony Pictures)で、これは2016年8月のことだった。最近ではNetflix(ネットフリックス)や米ハンバーガーショップチェーンのチックフィレー(Chick-Fil-A)など、数多くのブランドがSnapchat上でバーチャルな360度の広告体験を提供している。Netflixの例を挙げると、2017年2月に「アルティメット・ビートマスター(Ultimate Beastmaster)」というリアリティ番組のトレイラーを360度動画で公開、Snapchat上で広告プロモーションを行った。

ユニバーサル・ピクチャーズは、2017年の2月10日〜14日のあいだにSnapchatの「ディスカバー(Discover)」チャンネル内で動画広告を打ち出した。この動画によって、ユーザーが関連するコンテンツを見るために画面上をスワイプすることを促した。この360度体験は、Snapchatの広告パートナーであるVR会社、オムニバート(OmniVirt)の技術が基盤となっている。

反応がすこぶるいい

オムニバートの共同創設者兼COO(最高執行責任者)、マイケル・ラッカー氏によると、360度動画は通常の動画広告と比べて、はるかに高いクリック率とエンゲージメントが得られるため、Snapchat上での360度動画の提供を希望する広告主の数が増えているという。最近の調査で、アメリカ国内の69%の成人が通常のSnapchat上の広告を「常に」または「頻繁に」スキップしていることが明らかとなったが、特にこのような状況では360度動画はブランドにとって良い選択肢となる。

Virtual Reality Advertising & 360 Video VR Player

映画『フィフティ・シェイズ・ダーカー』の360度動画広告

一方、オムニバートのクライアントによるSnapchat上でのスワイプ回数調査では、360度体験での回数がその他のスワイプ動作と比べて2〜3倍多く、また、ユーザーのコンテンツに対するエンゲージメントも向上し、一般的なユーザーはこうした360度体験に1分間費やしているという。

ユニバーサール・ピクチャーズのデジタルマーケティング部門のバイスプレジデント、リー・ゴッドフリー氏によると、映画『フィフティ・シェイズ・ダーカー』の360度動画広告を例に取ると、ほかのSnapchat上の広告と比べて、2倍のエンゲージメントがあったという。同社は以前にも映画『ウィジャ(Ouija)』などの動画広告をSnapchat上で提供している。さらに、これまでの長尺の動画広告のベンチマークと比較しても、ユーザーが費やす時間は360度動画の方が50%多いというだが、これには説得力がある。この広告は18歳から34歳までのミレニアル世代に当てたものだからだ。

急増するかもしれない

コンテンツショップのデルモンド(Delmondo)の創設者兼CEO、ニック・シセロ氏は、Snapchat上の360度動画が爆発的に増えることを予想している。その理由としては、ユーザーがSnapchat以外のプラットフォームに行かなくても良いからだ。また、今後Snapchatが360度動画とそのスペクタクル(メガネ型カメラ)を使って、どのように広告体験を向上させていくかは興味深いと、彼は語る。

「360度動画はまだSnapchatのネイティブな機能にはなっていないが、それは彼らが(成長する上で)新しい要素をもっていることを意味する」と、シセロ氏。「さらに、スワイプはユーザーの意図を示す非常に強力なもので、これこそがSnapchatが有望な理由でもある。ユーザーがその動画を観たいから観ているのだ」。

Tanya Dua(原文 / 訳:Conyac
Homepage Image courtesy of Universal Pictures