IPO目前のSnapchat、DAUの停滞を投資家はどう評価する?

Snapchat(スナップチャット)を運営するスナップ(Snap)は2月20日から、IPOに先立つロードショー(会社説明会)を開始した。一部報道によると、スナップの共同設立者エヴァン・スピーゲル氏は、ユーザーベース拡大をめざす同社の事業計画ではなく、Snapchatユーザーが同アプリ内で過ごす時間に焦点を合わせる目論見のようだ。主力製品の成長が実質的に頭打ちになっている同社にとって、この戦略は適切といえるだろう。

プラットフォームの価値

モバイルアプリの分析を手がけるアップトピア(Apptopia)のデータによると、Android端末におけるSnapchatのデイリーアクティブユーザー基盤はおおむね横ばいが続いており、2016年第4四半期の成長率は前年同期比で低下しているようだ。この件に関して、Snapchat側からコメントは得られなかった。

しかし、読者が取り乱す前に言っておくと、いまやデジタルメディア業界全体が、オーディエンスの規模そのものではなく、おもにエンゲージメントに焦点を合わせている。スピーゲル氏が売り込むポイントは、ソーシャルメディアの新たなパラダイムを指し示しているのかもしれない。画期的なアイデアを数カ月で商品化できる世界で、おそらくもっとも重要なことは、ユーザーにとって重要な存在でありつづけるということだ。Snapchatはそれを「ストーリー(Stories)」だけでなく、ビデオ通話でも経験してきた。

エージェンシーのRPAでデジタルストラテジー部門責任者を務めるマイク・ドセット氏は、「ユーザーが新機能に費やす時間が増えれば、ユーザーの生活におけるこれらプラットフォームの価値も増す」と述べる。

相次ぐ「パクリ」被害

すばらしい急成長を経験してきたSnapchatだが、同時に「パクり」の被害にも遭ってきた。さかのぼること2014年、Snapchatがビデオ通話をサービスに追加したとき、テック系メディアから喝采を浴びたが、結局は競合他社を呼び込んでコピーされる羽目になった。

ビデオ通話は現在、モバイルメディアにおいて競争がもっとも激しい分野のひとつとなっている。また、ストーリーはインスタグラムにパクられたあと、いまやパブリッシャーにまでコピーされつつあるが、今後もこうしたパクりは続くかもしれない。「ハフィントンポスト(Huffington Post)」がストーリーのアイデアを盗んだのと同じように、ユーザーの利用時間の増加を促す手段としてビデオ通話を利用することへのこだわりは、「ティンダー(Tinder)」や「シグナル(Signal)」など多種多様なサービスにまで広がっている。

ハウスパーティ(Houseparty)」のようにライブのグループ動画に焦点を合わせるサービスもあれば、「マルコポーロ(Marco Polo)」のように動画をトランシーバーとして扱うサービスもある。また「ジャム(Jam)」のように、自力による規模拡大の苦労を飛ばして、Appleの「iMessage」をはじめとするアプリ内で起動可能な拡張機能として自身を位置づけるサービスもある。「数多くのアプリが開発されているこの分野は、面白さにあふれている」と、アップトピア創設者のアダム・ブラッカー氏は語る。「むしろ、多すぎるほどだ」。

投資家たちの評価は?

誰もが開発に着手できるようになったいま、ますます多くのプラットフォームが、自社のビデオ接続を突出させるための方法を模索している。だが、何がうまく行くのかはまだわからない。「ユーザーが今後、この新しいツールをどう利用するようになるのかは、いまのところまったく不明だ」とエアタイム(Airtime)でマーケティング部門のバイスプレジデントを務めるエリック・マーティン氏は語る。エアタイムは、複数のユーザーがコンテンツをストリーミングして一緒に体験できるモバイル動画アプリだ。

ストーリーやビデオ通話、フィルター、ディスカバー(Discover)といった機能が、「無人島にひとつだけアプリをもっていけるとしたらSnapchatを選ぶ」と、多くの10代に答えさせる理由のひとつになっていることは確かだ。だが、これらの機能が新規のユーザーを呼び込むとは限らない。いずれにせよ、IPOに先立つロードショーから、最終的に公募価格が決定すると目される3月1日までのあいだに、投資家たちが新規ユーザー獲得について懸念しているかどうかが明らかになるはずだ。

Max Willens (原文 / 訳:ガリレオ)