テレビの低迷、その現状を示す 5つのチャート

リニアTV(従来型のTV放送)は、いまも手堅い投資先だ。ネットワークはいまだに、放送前の試写を見てほくそえんでいる

だが、かつては強固な壁のように見えたものにも隙間がある。Google、Facebook、Amazonはいずれも、リニアTVに目を付けている。

リニアTVが徐々に低迷していることを示す5つのチャートを紹介する。

逆転はまだまだ先

オンラインTVやマルチチャンネルTVに対する支出が加速度的に増えるにつれ、リニアTV放送の広告は、成長ペースが鈍化しはじめている。PwC(PricewaterhouseCooper’s)によると、2021年までに、オンラインTV広告とマルチチャンネルTV広告への投資額の合計が、テレビ広告に対する支出の3分の1近くになると予想されるという。

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放送種別にみた世界のテレビ広告売上高(単位:10億ドル)、2012~2021年

コードカッティング(有料放送の解約)が本格化

ケーブルTV局がもっとも恐れているユーザーの行動、すなわち「コードカッティング」は、今後5年間で加速する見込みだ。リサーチ会社のeマーケター(eMarketer)は、有料放送を解約するか、そもそも有料放送の契約を結ばない米国の消費者が、2021年までに現在よりも64%増加し、8100万人を超えると推定している。

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米国の有料TV非視聴者(タイプ別)、2016~2021年

スポーツ番組は転機を迎える可能性

スポーツの生中継が多くのケーブルTVを団結させているのは自明の理だ。だが、スポーツの生中継を放送局と広告主にとって魅力あるものにしている構造的要因をもってしても、ユーザーの行動を変えるまでにはいたらない。また、そうしたユーザー行動の変化によって、スポーツの生中継の視聴率は低下しはじめると見る向きもある。メディア戦略企業のマグナグローバル(Magna Global)は、9月に発表した調査結果で、2018年の冬季オリンピックは視聴率が大幅に下がると予測している。

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NBCのゴールデンタイムの視聴率

デジタル動画の視聴時間が増えても、合計視聴時間は増えない

人々が視聴する動画の量はほぼ一定のようなので、ユーザー行動のこうした変化は問題となる。eマーケターは、消費者が動画視聴に費やす合計時間は、2019年まで基本的に変化せず、デジタル動画の視聴時間は、2015~2019年の間に40%増加し、1日90分近くに達すると予想している。

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米国の成人の1日当たり平均動画視聴時間(機器別)、2015~2019年

新たな種類の競争

ケーブル会社やテレビ局、メディア企業はいずれも、現状維持に努めているが、これまでに立ち向かった相手より資金力のあるライバルに対抗する必要が出てくるだろう。ライバルとなる大手4社のなかでもっとも資金力が小さいFacebookでも、現在業界最大手であるAT&Tを時価総額で54%上回っている。FacebookやAmazon、Appleは、まだ動画を中核事業にしていないが、投資の準備は十二分に整っている。

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Max Willens(原文 / 訳:ガリレオ)