プログラマティック広告、Spotifyはいかに販売しているか?:セールスチームへの教育体制

音楽ストリーミングサービスのSpotifyは、ユーザーの視聴パターンを上手く活用して、広告収入へと繋げたいと考えている。同社はディスプレイ広告、動画広告から音声広告に至るまで、全体を網羅するプログラマティック広告メニューを揃えているからだ。

しかし、プログラマティックの世界は変化が早く、複雑だ。これをマスターするため、Spotifyの350人編成のグローバルセールスチームは内部、そして外部からのトレーニングを通して、テクノロジー技能を改善しなくてはならなかった。

「彼らにプログラマティックについて教育し、PMPを売る動機づけをしたいと思っている」と語るのは、Spotifyのデジタルオーディオマネタイゼーション部門のグローバル責任者レス・ホランダー氏。彼がこれを語ったのは、先日ニューヨーク市で行われたIABプログラマティックシンポジウムでのプレゼンテーションにおいてだ。

Spotifyのスタッフ教育

グリーンハウスと呼ばれるSpotifyの内部トレーニングチームは、毎週火曜日にプログラマティックについてのワークショップを開催しているという。5月第3週のトレーニングは、サードパーティデータをプログラマティック取引に取り組む方法と、ブランドがターゲットプログラマティック動画広告をSpotifyで行う方法についての復習だった。

「火曜日のトレーニングは我々のダイレクトセールスチームが、新しい機能が使えるようにしてくれる。我々のプログラマティックの専門家たちは、内外のダイレクトセールスチームとのつながりがあり、業界のアップデートを常に知っている」と、ホランダー氏は説明する。

Spotifyはまた、DSPのザ・トレード・デスク(The Trade Desk)とともにプログラマティックディスプレイ、動画、音声についてのトレーニングを実施している。

セールスチームの立ち位置

Spotifyにとって、プログラマティックは成長分野ではあるが、ダイレクトセールスと競合しているわけではない。セールススタッフは、あらゆるものを売り、決まった同じ公式にそって報酬を得る。取引がどのような形で入って来ようとだ。ホランダー氏の説明によると、これによってプログラマティック取引を得やすい傾向にあるエンタメやファーストフード業界を専門に扱うセールススタッフと、そうではないテレコミュニケーション業界を専門にするセールススタッフを公平に扱うことができるという。

個々のセールススタッフに付き添って働くプログラマティックの専門家も、Spotifyは抱えている。彼らはダイレクトセールスには責任を持たない。たとえば、Spotifyのセールススタッフが、メディアエージェンシーOMDとJCペニーのプログラマティックキャンペーンについて語ったとする。するとプログラマティックの専門家は、ザ・トレード・デスクやOMDのトレーディングデスクといった全員とコミュニケーションを取りながら調整をするといった具合だ。

セールスチームはまた、取引前のコンサルテーションにおいてもプログラマティック運営チームと協働する。ほかにも取引のセットアップ、リアルタイムでの最適化、キャンペーンのレポート、そしてキャンペーン後の分析でも協力していると、ホランダー氏は付け加えた。

目標はすべてのデバイスで

しかし、ブランドからのプログラマティック需要が増えるにつれて、Spotifyのセールスチームは広告主たちからの異なるレポート要求に答えないといけない。性別、年齢、ロケーションに基づいた広告レポートを欲しがる広告主もいれば、デバイスや携帯キャリア別のレポートを欲しがる広告主もいるのだ。

これまでの音声広告のプロセスは手動であった。そのためプログラマティックへの対応は、ほかよりも難しくなる。そのことからも現時点でのSpotifyの大きなフォーカスは、プログラマティック音声広告になるだろう。

「現時点では、プログラマティックはモバイルとデスクトップでのみ使っている。しかし、ほかのあらゆる消費者向けの電子デバイスを考えて欲しい。ソノス(Sonos)、ロク(Roku)、Google Home(ホーム)、Amazon Alexa(アレクサ)などを使って、人々は音楽を聴いている。我々は、それらすべてのデバイスで、プログラマティック広告を届けることになるだろう」と、ホランダー氏は語った。

Yuyu Chen(原文 / 訳:塚本 紺)