Snapchat 新広告メニューは、インスタの二の舞を演ずるか?:「ストーリー」枠の販売に着手

先日、Snapchat(スナップチャット)が発表した、新しい広告メニュー。それは、友人たちからのメッセージのあいだに、広告が挿入・表示されるというものだ。220億ドル(約2兆3000億円)という巨額の企業価値を誇る同社。このアグレッシブな広告表示によって、その価値に見合う収益をあげることが可能になるかもしれない。

しかし、広告収益とユーザーエンゲージメントの両方を同時に成長させることは非常に難しい。1年前であれば考えられなかったSnapchatの急速な広告拡大に、テック業界の注目が集まっている。

Snapchatの急速な変化

広告導入は、Facebook、インスタグラム、Pinterest(ピンタレスト)、Twitterと、プラットフォーム界の巨人たちが通ってきた道だ。しかし、Snapchatはどこよりも早いペースで広告拡大に取り組んでいる。

Snapchatは常に広告拡大を目指してきたわけではない。CEOのエヴァン・スピーゲル氏が、インターネット広告は「気持ち悪い」と発言したのはよく知られており、ユーザーのアクティビティをトラッキングすることはしたくないと言っていたのだ。

しかし、プライバシーに関する規約が変更され、ターゲット広告がより可能になったりと、ここ数カ月は広告を入れやすいプラットフォームを目指す動きが目立っている。そして今回、ユーザー間の「ストーリー」のあいだに広告を表示するという計画が発表されたのである。

大きく成否が分かれる決断

広告エージェンシーVMLのチャド・マーティン氏は、Snapchatの今回の広告拡大を受けて、次のように語った。「(『ストーリー』のあいだへの広告表示は)素晴らしいチャンスだ。だが、同時に悪い方向にも行く転換点ともなり得る。無関係な広告をたくさんユーザーが見ることになれば、大量にユーザーが減ることもある。ユーザーは気まぐれなので、執着はしない。ほかの物へと移ってしまうだろう」。

今回の広告APIはすぐに公開されるとSnapchatは発表したが、正確な日付は述べていない。同社はこれまで、Snapchat上の記事配信セクションである「ディスカバー(Discover)」上で収益をあげることに集中してきた。ユーザー間のコンテンツのやり取りのあいだに広告を表示させるのと比べると、「ディスカバー」での広告表示は、はるかに容易である。

エージェンシーの4Cにて最高マーケティング責任者を務めるアーロン・ゴールドマン氏は、「邪魔なダイレクト・レスポンス広告をアプリ上に大量に詰め込むようなことは、Snapchatはしない。ユーザー体験とブランドのエンゲージメントに専念している」という。

良い進化となる可能性もある

とはいえ、広告を拡大しながら、クリエイティブに同レベルで専念し続けるのは難しい。インスタグラムは、かつて非常に洗練されたスタイリッシュな広告しか表示しなかったが、去年APIを公開してからは、ほとんどどんな広告でも表示できるようになってしまった。

「悪い点は、ユーザーたちが(広告拡大に関して)様子を見ているなかで、広告主がそこに入っていきクリエイティブが質の悪い仕事をしてしまう場合だ。そうなると反発が起きるだろう」と、ゲータレードやウェンディーズのSnapchatキャンペーンを担当してきたマーティン氏は語る。「正しい方法で行われれば、(Snapchatという)プラットフォームにとって良い進化となるはずだ」。

Garett Sloane(原文 / 訳:塚本 紺)