Google、Facebookに対し媒体社の連合は自然:デジタルマーケティング10【6月2週】

1週間のデジタルのトピックをおさらいする「デジタルマーケティング10」。手早くチェックを済ませたら、どうぞいい週末をお過ごしください。

今週は独媒体社の大手10社中8社が共通のデータプールを創設するというニュースが重要だ。コンテンツ流通において、パブリッシャー(媒体社)は限定的な主導権しかもっていない。プラットフォームがユーザーとの接点を握っているという事実を考えると、分散型パブリッシャーは現実的な手段だが、マネタイズ方法は「実験中」だ。

KPCBの「インターネット・トレンド」によると、GoogleとFacebookはグローバルのデジタル広告の成長の76%を占めている。日本は欧米圏と構造が異なるが、同様の機能をもつコンテンツ流通者が、デジタル広告市場の拡大を享受している。

巨人に対抗するため、欧州の媒体社はイギリスのパンゲアアライアンス(The Pangaea Alliance)を筆頭に、広告枠販売における連合を試みてきた。日本でも先日、3メディアによる「デルタ」が発足したばかりだ。

これは媒体社に限った話ではない。Adobe(アドビ)が年内に米国で提供開始を目指す「デバイスコープ」は、企業(広告主)サイドが協働することを呼びかける。グローバルでの協働で「ウォールド・ガーデン(壁に囲まれた庭)」のGoogle、Facebookと同様のオーディエンスインサイトの獲得を狙っている。

内外の巨人たちはデバイスをまたいだ個人の行動データに基づいた広告を開発している。媒体社のサイト、アプリはデータとその活用の面で非力で、この協働はうまくまわるのならば、ある程度効果的になりうると考えられる。

巨人になれないのならば、連合するのは自然な判断かもしれない。

以下今週の10トピック。

1. アクセル・シュプリンガーなど大手10社中8社の独媒体社が共通のデータプールを創設。Google、Facebookへの対抗策(米DIGIDAY)※近日中に[日本語版]でも掲載。

2.高速で進む広告事業の整備。Snapchat(スナップチャット)は測定で、ビューアビリティ(視認可能性)に強みをもつMoat(モート)、GoogleのDoubleClick、Sizmekなどと提携(adexchanger)

3.広告ホールディングス世界最大手WPP・CEOのマーティン・ソレル氏は、昨年の7000万ポンド(約110億円)の報酬に関して、株主の3割から反対を受けるも、6割超の賛成を得て、不問。「創業以来自らの資産を再投資してきた」という(the gaurdian)

4.日本初のパブリッシャーアライアンス「デルタ」が発足。オーディエンス層が類似した媒体社がデータを紐付けた枠を、パッケージ販売(DIGIDAY[日本版])

5.ガートナー:2016年におけるスマートフォンの販売成長率は1桁台に後退見込み。スマホのフロンティアはインドとアフリカだけか(TechChrunch)

6.「CanCamブーム」の仕掛け人で、山田優、押切もえ、蛯原友里の生みの親の大西豊氏がネット上の有料コンテンツの作り方に思いをはせる。「解決策は、会社の組織改革とかそういう次元の問題では済まされないと思います」(DIGIDAY[日本版])

7. Amazonは30億ドル(約3300億円)を、EC市場が拡大するインドに投資へ。2013年に進出、地場系スナップディール、フリップカートと激しく競争している(Bloomberg)

8.ベライゾン、米Yahooのコア事業に30億ドル(3000億円)の入札、Twitterも興味、特許3000件も売却か、などの報道(Bloombergなど)

9.アカウント情報3300万件が流出したとのうわさに関して、Twitter「当社のシステムは破られていない」「パスワードを強制リセット」「位置情報などでアカウントを守っている」と回答(Twitter)

10. PwC:米国では2016年内にデジタル広告費は放送広告費(テレビ、ラジオなど)を追い抜く。2020年までデジタルの年平均成長率は放送の約3倍で推移する(Adweek)

Written by 吉田拓史
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