Mozilla、FireFoxで使えない「広告ブロッカー」を発表:iOS9向けの無料アプリ「フォーカス」

Mozillaのコメントに、苦渋の判断がにじみ出ている。

FireFoxなどで知られるオープンソースプロジェクトのMozillaは2015年12月9日、iOS9向けの無料アプリ「Focus(フォーカス)」をリリースすると発表した。これはユーザーのオンライン行動を追跡するトラッカーを遮断する「コンテンツブロッカー」で、ブロック対象にはソーシャルボタンや解析ツール、そして広告が含まれることになる。ちょうど、デスクトップのFireFoxブラウザで提供されているものと同等の機能を有する格好だ。

ここでパブリッシャーにとって良いニュースは、「Cristal」や「Peace」といった既存のアドブロックツール(広告ブロッカー)とは異なり、Mozillaはユーザーの行動を追跡させないだけで広告表示そのものは残す道を選んだこと。悪いニュースは、残念ながらモバイル広告のほとんどが行動トラッキングを行っているということだ。

Mozillaの新たな試みのひとつ

「Focus」ではブロックする広告の識別に、元Google社員が立ち上げた「Disconnect.me」というサードパーティーのリストを利用している。ここでマルウェアや悪質なトラッカーに感染したアドネットワークを照合して遮断しているというのである。

mozilla

ところで、非営利組織ながら長年にわたって売り上げの多くをGoogleとの検索エンジン契約から得ていたMozillaだが、2015年になって米Yahooや中Baidu、露Yandexなどと地域ごとの契約を結ぶなど、経営方針の変化も報じられるようになってきた。苦戦が続くFireFox OSの舵取りも注目されるところであるし、今回のモバイル広告ブロック参入も、Mozillaのそうした新たな試みのひとつということになるのだろう。

FireFoxブラウザでは動作せず

また、一見奇妙に見えることだが、今のところ「Focus」はiOS版FireFoxブラウザでは動作せず、Safariのみの対応となっている。これはアプリ開発者にとってはおなじみの、Appleによる厳格なAPIルールによるものだ。Mozillaでは「これは我々の本意ではないが、AppleはiOS上のサードパーティー製ブラウザではコンテンツブロックを使わせないという選択をした」とコメントしている。

「Focus」のアプリは、本日以降App Storeから利用できるようになるということだ。

Written by ワタナベダイスケ(参考記事