あの日本の有名企業アカウント「はじめてのツイート」は何?:Twitter10周年に寄せて

世界中の老若男女が140文字以内で近況をつづり、「つぶやき(ツイート)」という言葉を一般化させたTwitter。ローンチされたのは2006年3月21日のことで、ちょうど昨日、10周年の節目を迎えた。

10年前の日本といえば、粉飾決算をめぐるライブドア事件の真っ只中、ソフトバンクがボーダフォンの買収を発表。ITを中心に国内ビジネス界が激震の渦中にあったようだ。

それ以降、日本においても星の数ほどのTwitterアカウントがあらわれては消えていった。ある者は一日中うざったいほどのツイートを繰り返し、またある者は、バイト先での悪ふざけを投稿して炎上、俗に言う「バカッター」などというネットスラングが誕生したりもした。

以下、Twitter社が用意した、10週年の記念投稿である。日本用にきちんと編集してあり、この10年の流れを実感として振り返ることができる。

そんななか、Twitterを通じた情報発信でブランドイメージを高めることに成功し、そのソーシャルメディア担当者たちが「中の人」と親しみを込めて呼ばれるようにまでなった企業公式アカウントが存在している。彼らはときにはユーモラスに商品やサービスを紹介し、また、震災などの危機的状況では既存メディアにはない切り口での情報提供手段として、シリアスな場面をユーザーとともに乗り越えてきた経験もある。

そんな彼らの「はじめてのツイート」を、Twitter社が提供する「#FirstTweet」の仕組みを使って振り返っていきたい。

ハジけたキャラの欠片もない

今ではNHKのイメージを大きく変えたとまで言われるNHK広報局も、はじめてのツイートは看板番組に連動した投稿募集ツイート。この、いかにも「普通の企業アカウント」的な投稿からは、後のハジけたキャラはとても想像がつかない。

3つの感嘆符に後の姿が?

Twitter界隈では最大の「ビッグウェーブ」でもある「バルス(天空の城ラピュタ劇中の滅びの呪文)」にまで果敢に戦いを挑んだ、Twitter企業アカウント界では永遠のチャレンジャー、タニタ公式。こちらも初ツイートの内容は普通だが、自己紹介だけの短文ツイートに感嘆符(!)を3つも入れるあたり、すでに後のハイテンションキャラを予感させるものがある。

当初からブレがないキャラ

「シャープさんとタニタくん@」として漫画化されるほど、先のタニタとリプライを飛ばし合うことが多いシャープ。自社の歴史や過去の製品の薀蓄を絶妙なタイミングで投下する手腕を高く評価する声も多いアカウントだ。2011年につぶやかれた最初のツイートでも「シャープペンシルの発明から〜」のくだりがあるように、そのキャラクター性には当初からブレがないようだ。

非常にあっさりとした内容

こちらも他社アカウントや他社製品と絡むのが得意なキングジム公式。だが初回のツイートは非常にあっさりとしていたようだ。ちなみに、同アカウントは先週末に担当者が変わった模様で、こちらはいきなりアスキーアート全開の濃いツイートでスタートダッシュをキメている。

初回のつぶやきは0RT

人気アカウントのひとつである無印良品。そのツイートには常に数多くのリツイートがついている印象があるが、さすがに初回のつぶやきは0RTであったようだ。2009年からコツコツと積み重ねていった結果、現在のような人気アカウントに成長できたということだろうか。

業務連絡のようなつぶやき

無印良品と同様に全国の店舗からの情報を紹介しながらも、企業や個人のアカウントと積極的にコミュニケーションする東急ハンズ。最初のツイートは自己紹介もなく業務連絡のようなつぶやきから。もしかすると本来はこれ以前にもツイートがあったのかもしれない。

一般女子の雰囲気は変わらず

今では20万6000人もの膨大なフォロワー数を誇る、ローソン公式アカウント「あきこちゃん」。初回のつぶやきから適度に肩の力が抜けた「どこにでもいる普通の女の子」的な雰囲気を醸し出している。この企業アカウントらしくなさが人気となった要因のひとつであろう。

初投稿からギッシリの情報

文字、画像ともに、つぶやき1つあたりの情報量が多いのが、このキリンビール。フォロワーも5万人をゆうに超える、大きな影響力のあるアカウントだ。第1投目のツイートからすでにぎっしりと文章を乗せているのも、のちの人気アカウントにつながる意気込みを感じさせる。

すでに9つのアカウントを同時運用

このタカラトミー公式をはじめ、トランスフォーマーやリカちゃん、ゾイドなどの製品ジャンルごとに現在では16もの公式アカウントを並列的に運営している玩具メーカーのタカラトミー。製品のセグメンテーションが多様であるからか、Twitterをスタートした当初より、すでに9つのアカウントが同時に稼働していた。

通常業務の合間につぶやくスタイル

担当者はソーシャル専任ではなく、通常業務の合間につぶやいているという大阪のパイン株式会社(パインアメ)。「パインアメを笛のように吹いても音は鳴らない」という宣言や、時事ネタに乗っかりまくるアグレッシブな姿勢によって人気を集めているアカウントだ。そして、このアカウントはTwitter10周年にあたり、シンプルながらも、それぞれの企業アカウント、そして一般のTwitterユーザーの声を代弁するようなツイートを投稿している。

パインアメのように本来の業務がありながらも精力的に投稿するアカウントや、寝る間も惜しんでソーシャル対応に多大な時間を割いているようなケースも見られる、企業アカウントの「中の人」たち。決して外から見られる印象ほど楽な業務ではないはずだ。

しかしながら、彼らがモチベーションを保って精力的に投稿を続けられるのは、パインアメの10周年ツイートにあるようにユーザーやクライアント、そしてもっと多くのTwitterユーザーとの交流に、ほかでは得られない魅力を感じているからなのかもしれない。

Written by ワタナベダイスケ