インスタグラム、eコマースのテストを実施中か? 情報筋が明かす

インスタグラムは、小奇麗な写真の展覧会場だけに、収まりたくないと思っている。

広告業界の消息筋たちによると、売上を伸ばせるプラットフォームであると証明したい同社。さまざまな形で商品を紹介できる新しい広告を開発しており、すでにアプリ内購入のテストまで実施しているという。

先ごろインスタグラムは、「Shop Now(今すぐ購入)」ボタンを実装。それに満足せず、さらなる自然な購入体験を実現しようとしているのだ。

情報筋が明かした、ウワサの詳細

レストランの協力を得て、実施されているという、このテスト。内情をよく知る広告代理店幹部の情報では、インスタグラムを離れる必要がなく、フィード上に掲載されたメニュー品目のなかから直接販売されるものだという。

そこに利用されるといわれているのが、Appleの感圧タッチ(Force Touch)だ。強く押すことで、複数の商品画像を切り替えられるのだとか。

その広告代理店の幹部は、「イノベーションという視点では、インスタグラム上でたくさんのブランドが多くの可能性を試している」と語った。「感圧タッチが興味深いのは、単に『Shop Now』ボタンを押して購入するのではなく、2~3個の商品から選択ができる点だ。より抵抗のないショッピング体験になる」。

さらにiPhoneのApple Payを設定すると、ワンタッチ購入が可能になるともいう。

インスタグラム広報は、完全否定

このウワサについて、インスタグラムへ直接問い合わせたところ、広報担当者はeコマースには関心があるとしながらも、テストの実施については否定した。「モバイルコマースは、現在、注目している分野であるのは本当だ。しかし、現時点でテストしているわけではない」。

だが、eコマースは、Facebookをはじめとするソーシャルメディアにとって、成長のための重要な要素といえる。TwitterとPinterest(ピンタレスト)も「Shop Now」に取り組んでおり、Googleは検索とYouTube動画への適用を進めているのだ。

ホリデーシーズンを控えたいま、ソーシャルメディアのプラットフォームとしては、ショッピングの選択肢は多いほどよい。そのため、どこも、小売業者と広告主を満足させるべく製品を進化させている。

ターゲティング精度を高めるFacebook

インスタグラムを所有するFacebookは11月4日(米国時間)に第3四半期決算を発表し、この夏の広告売上が43億ドル(約5200億円)だったことを明らかにした。また、広告ターゲティングの成果が向上し、検索マーケティングが達成できない、高い成績を残すケースもあったと述べた(検索のGoogleを念頭に入れているとみられる)。

たとえば、同社COOのシェリル・サンドバーグ氏によると、スウェーデンの小売業者IKEAは、Facebook広告に3万5000ドル(約430万円)を投資。これによりオンライン売上が200万ドル(約2億4000万円)を超えたという

Facebookの原動力になっているのと同じターゲティング機能が、インスタグラムにも用いられている。収集したユーザー情報を使って、それぞれに適した広告を配信しているのだ。

ソーシャル内購買が、Facebookの目標

フィードから直接購入できるようにして、ブランドサイトではなく、プラットフォーム内部で購買行動を完結させたいと考えるのは当然だろう。モバイル広告の巨人であるFacebookは、この流れに懐疑的なブランドに対して、スマートフォン上のマーケティングは購入への重要なステップであることを証明しようと努めている。

モバイル環境におけるソーシャルメディアは、購入への功績を常に認められるわけではない。しかし同社に言わせれば、モバイル環境はレジへと通じる不可欠なステップだ。そこで、「Shop Now」などの仕組みを導入して、自らの功績を明確に示せるように取り組んでいる。

Facebookにはすでに「ダイナミック・プロダクト広告」があり、小売業者はコンバージョン間近の層をターゲティングできる。また、モバイル版アプリには、ブランドのFacebookページをデジタル店舗化できる機能も設けている。

広告の雪崩、クオリティを確保できるか

インスタグラムはというと、2015年6月に「Shop Now」ボタンを実装。複数の商品画像を掲載できる、カルーセル形式の広告の提供も開始した。その一方で、すべてに開放された広告プラットフォームの開設以来、スポンサーによる投稿の質が低下している兆候も見られる。

インスタグラムはかつて、広告のクリエイティブチェックを厳密に行っていた。しかし今後、その基準を維持していくのは簡単ではなさそうだ。そうしたことから、広告業界の一部には、インスタグラムの過剰な商業化に懸念を抱く声もある。

あるトップ代理店の幹部は、インスタグラムはブランディングの場として使い、販売はFacebookに任せるのがベストだと話す。「インスタグラムがこれで落ち目になるのを見たくはない。当面、あるべき姿を維持するべきだ」。さらにその代理店幹部は続ける。「ダイレクト・レスポンス(販売)を実施するべきではない。Twitterはそれで失速した」。

Garett Sloane (原文 / 訳:ガリレオ)