エンタメコンテンツ獲得に奔走する、Facebookの最新動向

Facebookが長尺動画に注力した機能の導入を進めている。ユーザーにモバイルやテレビアプリで、オリジナル番組や独占的な長編コンテンツを視聴してもらうためだ。

情報筋によると、この機能は、コンテンツパートナーとなる企業との話し合いで「スポットライト(Spotlight)」と呼ばれていたもので、Facebookのモバイルアプリの動画タブ内に目立つように置かれるだろうという。6本程度の動画シリーズを24時間掲載し、翌日にはまた別の動画シリーズがアップロードされるようだ。

スポットライトには、Facebookが資金を出して制作したオリジナルシリーズに加え、Facebookと期間限定の独占的ライセンス契約を結んだメディアパートナーが制作したコンテンツも登場するという(Facebookはすでに、人々が動画タブ内で観たがっていると思われるコンテンツを掲載する実験を開始している)。

「これが多くのトラフィックや注目をもたらし、(結果として)広告のエンゲージ時間を通じて、多くの売上が得られるということだろう」と、Facebookからの売り込みを受けたある情報筋は話す。

この件に関してFacebookのコメントは得られていない。

スポットライトが正式に登場する時期は不明。だが、この製品は、2017年にはオリジナルの長編動画をもっと取り上げたいという、Facebookのより大きな計画の一部だ。以前に報じられたとおり、Facebookのグローバルクリエイティブ戦略部門の責任者で、「カレッジ・ヒューモア(CollegeHumor)」の共同創設者でもあるリッキー・バン・ヴェーン氏は、パブリッシャーやコンテンツ制作者を訪ねて回り、Facebook向けオリジナル番組の提供や開発資金の提供を求めている。

Facebookは、ユーザーがプラットフォーム上で長い時間を過ごしてくれることを望んでおり、結果として、ニュースフィードにあふれる数分程度の動画クリップに代えて、長編動画を優先しようとしている。そのためにFacebookは各エピソードが3~30分の動画シリーズに着目しているという。

Facebookが求めるコンテンツ

情報筋はさらに、Facebookはオリジナル番組制作プランに関して、ニュースコンテンツには関心を寄せていないとも述べる。

それよりも、Facebookは、科学(自然や動物関連のコンテンツを含む)、スポーツ、ポップカルチャー、ライフスタイル、ゲーム、ティーンズ(10代)という6つのジャンルで、台本あり、もしくは台本なしの番組に焦点を絞っている。スポーツについては、主なプロスポーツリーグと放送契約を結ぶと伝えられているが、そのほかのジャンルのオリジナルライブ番組に資金を投入する気はない。

これは賢い予算の使い方だと情報筋はみている。Facebookがテレビに対抗する気でいるとしても、テレビのようにお金を使う準備はまだできてはいない。Facebookは番組制作にどの程度費用をかけるつもりがあるのかを明らかにしていないが、Facebookはデジタル予算のなかでは最高レベル、TV予算的には最低レベルに相当するプロジェクトを探していると情報筋は見ている。これはつまり、Facebookがベライゾンの「ゴー90(Go90)」や「YouTube」の有料サービスである「YouTube Red」と同じ土俵で戦うということになる。

パートナーとの付き合い方

「FacebookはYouTubeにあるようなコンテンツではなく、YouTube Redのようなコンテンツを求めている。広告主が気に入るようなプレミアム感のあるコンテンツが揃い、それでいて『ゲーム・オブ・スローン』に大金をつぎ込むよりも予算にかけるリスクが少ない、おいしい場所を見つけようとしている」と、Facebookの売り込みを受けた情報筋はいう。

Facebookは以前、オリジナルコンテンツ制作計画は2016年にローンチしたライブ動画制作の補助金の出し方と似たような形になると述べていた。つまり、メディアパートナーなどコンテンツ制作者が、特定の種類のコンテンツ制作を開始するために必要な資金は提供するが、ゆくゆくはその資金を広告売上の分配を行なうことで、活動を支えようとしているのだ。

Facebookがいつから長編動画メニューのバイイングを開始するかなど、スケジュールは明らかになっていないが、すぐに動き出すだろうと情報筋は予想している。またある情報筋は「いくつかの候補をすぐに選んで、コンテンツ制作を開始したいと思っている感じがする。早い段階で実験導入を行なう予定かもしれない」。

SAHIL PATEL(原文 / 訳:ガリレオ)
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