Snapchatが広告収益分配から先払い方式に転換:今週のデジタルマーケティングサマリー

Snapchat(スナップチャット)は媒体社コンテンツプラットフォーム「ディスカバー」で、媒体社との広告に絡む契約形態をレベニューシェア(広告収益分配)から一定額を先に支払う方式に転換する模様だ。Snapchatは欧米圏で急成長するプラットフォームで、今回の動きは日本の媒体社がデジタルコンテンツ収益化について一考する事例になりそうだ。

これまでは媒体社がディスカバー内の面の広告在庫を管理・販売できたが、今後はSnapchatが一括管理し、対価として一定額を媒体社に払う。提携の媒体社は提供コンテンツに対し、Snapchatから安定した収益を得られるようになった。一方で、不調時のリスクを回避する反面、好調時の大きな収入の膨らみは望めなくなった。Snapchatはタテ型フォーマットで媒体社は専門チームを組織するというコストを費やしており、コストをカバーして利益が出るかは焦点のひとつになるはずだ。

Snapchatが媒体社側に提案している契約の詳細は明らかではないが、総体としては米国のテレビ広告枠の取引方法に似せた方法を模索しているとみられる。Snapchatは6月「MTV」などを運営するテレビネットワークのバイアコム(Viacom)の広告枠営業責任者を引き抜き、自社の国内外の広告部門の責任者に据えており、これが今回の広告在庫の取扱に関する転換につながったようだ。

ほかのプラットフォームでは、Facebookはインスタント記事を導入したものの、同社のアルゴリズムは媒体社コンテンツより友人・家族間で交わされるコンテンツに重点を置いている。媒体社がFacebookの広告事業から得られる収益分配を抑える結果になっていると考えられる。

媒体社からみると、プラットフォームにコンテンツを流通させる戦略は依然として収益化の壁をもっているかもしれない。ハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏は「分散化ではなく『分身』。アメリカのメディアは流通先を増やすということには積極的だが、自社のブランドを守ることを意識している」と語った

以下、そのほかのトピック。

■広告主がFacebookに「透明性」のある測定を要求

Facebookが動画広告の平均視聴時間の算出を二年間誤っていた問題で、全米広告主協会(ANA)はFacebookに透明性が確保された測定の導入を要求した、とWSJが報じたDIGIDAYの記事で指摘しているように広告主側は、Facebook広告プラットフォームをサードパーティー測定に開放することを迫る、交渉材料として利用しているとみられ、今後両者の駆け引きを注視する必要がある。

■BuzzFeedがTwitterで米大統領選特番をライブストリーミング

BuzzFeedがTwitterを通じて、大統領選挙投票日の「特別番組」をライブストリーミングする。BuzzFeedはスポーツ、セレブ関連のライブ配信ではFacebookから「助成金」3億ドル(約300億円)を受けている。

■Amazonがインターネットプロバイダ事業に意欲か

Amazonがインターネットサービスプロバイダ(ISP)事業に意欲を示していると「ザ・インフォメーション(The Infomation)」が報じた。会員制プログラム「Amazonプライム」とバンドルして欧州の顧客に販売することを検討。ストリーミング配信業者との提携交渉もしているという。

■ネトフリ、米国外で利用者320万人増やす

Netflixは第3四半期で米外利用者を320万人増やした。米経済紙が予測した200万人を大きく上回った。現状、動画配信の巨大市場と目される中国への進出計画はない模様。

■ますます利用が増えるモバイル小売アプリ

App Annieの調査によると、調査対象国(日本・米国・イギリス・フランス・ドイツ・韓国)において、「実店舗・オンライン併用型」と「オンラインファースト」の両方の小売アプリにおける利用時間が、過去12カ月で増加。「オンラインファースト」の小売アプリが「実店舗・オンライン併用型」アプリより優勢という。

Written by 吉田拓史