Twitterの決算に見る「プログラマティック」最新事情:アプリ広告に5つの変化

Twitterのリポートによると、アプリを開発するパブリッシャーは、広告枠のプログラマティック取引において、よりクローズドな取引をしたほうが、収益性を高められるとわかった。オープンな取引で競売にかけるよりも、いくつかのバイヤーと密接な関係を築き、限られた広告主に対してアピールしたほうが効果的だという。

Twitterが発表した2015年第2四半期の決算書では、同社が買収したモバイル広告ネットワーク企業MoPubのアドエクスチェンジの最新動向を分析。約3万のアプリ製作会社と、150の広告枠のバイヤー(バイイングプラットフォーム)を繋ぐMoPubは、最近のアプリを開発するパブリッシャーとバイヤーの関係を明らかにした。

「アドエクスチェンジ全体で、マーケティングトレンドに対する多くの変化が見られる」と、MoPubの商品マーケティング部長ジェフ・カニング氏は話す。「私たちがいま、もっとも注目している課題は、プログラマティックをいかにプライベート取引へ繋げるかだ」と語る。

従来、プログラマティックな売買では、パブリッシャーとバイヤーはほとんど接触せず、システムに取引をまかせていた。しかし、プライベートな取引を求められる機会が増えてきたため、パブリッシャーと企業はあらためて密接な関係を築くようになってきたのだ。これにより、お互いにもっとも望ましい広告枠を取引することができ、しかもプログラマティックが提供する自動操作機能の恩恵も受けられるのである。

第2四半期決算書では、アプリを開発するパブリッシャーにとってプライベートマーケットプレイスでの競売が、もっとも成功していることが見て取れる。また、このような新しい広告取引を行うアドエクスチェンジも数を増やしていて、モバイル広告を出稿する企業の数も増えているという。MoPubの決算書に見る、アプリ広告の大きな変化をいくつか見ていこう。

1.プライベート取引のほうが収益性は高い

競売形式でのみ販売を行っているパブリッシャーより、プライベートマーケットプレイスで販売を行っているパブリッシャーのほうが、広告収入を93%早く増加させている。また、プライベートエクスチェンジを実施する能力のあるパブリッシャーは、広告枠をより高いレートで販売することができるという。これは特定の広告主に対して、その広告主が望むターゲット層を保証することができるからだ。たとえば、24歳から35歳の女性と限定し、そのようなユーザーに対して確実にリーチできる広告枠を提供することで、パブリッシャーはブランドの目標とするキャンペーンの成功に大きく寄与することができる。Twitterはパブリッシャーの企業名を決算書に記載してはいないが、プラットフォーム上の人気アプリは、プライベートマーケットプレイスの取引によって、モバイル広告収入が前期比で78%上昇したことを伝えた。

2.動画、ネイティヴとインタースティシャルがすべて

パブリッシャーがこれらの形式の広告枠を増やしたところ、前四半期には大きな成長を見せた。ネイティヴ広告枠を持っているパブリッシャーは、前年比で10倍の成長を遂げている。また、インタースティシャル広告と動画広告をもつパブリッシャーは、前年比で50%の成長を遂げた。その結果、広告枠を買い取るプラットフォームは、この新たな広告スタイルを支援するようになっている。広告主側のDSP(Demand-Side Platform)では、動画やネイティヴアドの需要が150%上昇し、インタースティシャル広告の需要も60%上昇。これらの競争により、価格も30%から40%ほど上昇している。

3.位置情報があると、なおさらいい

ユーザーの位置情報をもつパブリッシャーは、広告料を8%ほど高く設定できる傾向にある。

4.ブランディングすることで広告支出が増える

前四半期、MoPubと取引をしているトップ25の企業は、広告費を前年と比べて112%増加。また、広告支出の87%がプライベートエクスチェンジの取引によるもので、パフォーマンス重視の成果報酬型の取引はわずか13%だった。

5.プライベート取引のメリットは最強

具体的なパブリッシャー名は公表されていないが、プライベートエクスチェンジのおかげで、高いCTRと低いCPCを実現できたところもあるという。広告主側のDSPが、優良な広告枠を多く扱っているプライベートマーケットを通じて、広告枠を買い取る手法は、オープンエクスチェンジで購入する広告枠より3倍のクリック数をもたらす。さらにCPCは、プライベーマーケットプレイスで購入する広告枠の場合、44%ほど安価になるという。

 
Garett Sloane(原文 / 訳:小嶋太一郎)
Photo from Anthony Quintano